第97話 疲れてる人 料理で癒しを!

護國友美もりくにともみ


「………」カタカタ


あぁ、終わらない。

なぜ私の方に自衛隊関係の書類が来るのか、これ外部に出して大丈夫?


トゥルル 


あぁ、電話…


「はい。」


『異界門警備課の松田です。テレビの取材の件なのですがーー』


「え?それって加藤君の担当じゃなかった?」


『実は、加藤さんは現在入院中でして…』


私直属の部下、残り3名。

加藤君が倒れたかぁ、4日は休まずに仕事してくれてたし仕方ない。


「了解しました。で、何か問題が?」


『テレビ局の対応するのが加藤さんでしたので、答えて良い質問と、答えてはいけない質問のリストを頂ければと。』


質問のリスト…

これか、守護者関係は答えられない事が多い、そもそもわかってない事しかないけど。


「では、今から送りますので確認お願いします。」


『了解しました。』


「また何かありましたら連絡お願いします。」


『はい、では失礼します…』


少し休憩した方がいいですね、私まで倒れると完全に指揮系統が完全に麻痺しそうです。

上司も休み無しで動いてると聞きます、最近は探りの連絡も無いし忙しいんでしょう。


「お姉ちゃん、大丈夫?」


リビングに降りたら愛美が居た、一緒に暮らせるのは嬉しいけど心配させちゃうのは嫌だな。


「大丈夫ですよ、少し休憩です。」


「心配だからこまめに休憩してね。」


「勿論ですよ。」


ブラックさんに人材の派遣を頼んでみようかな、頼りすぎるのも良くないけど、こんな状況だしいいんじゃないかな。


ピンポーン


「白仁さんでしょうか?」


「少し見てくる、ここで待ってて。」


私が忙しくて出前ばかりになっているのを察してか、最近ご飯を持って来てくれる。

これじゃ本当に私が護衛なのか疑問に思う。


「はーい。」


「久しぶり…」


リース様だぁー!

コックっぽい格好、コスプレ?をしてますね。


「リース様、久しぶりです。」


「ご飯、作りに来た…!」


ドヤ顔、可愛いですね。


「私はサポートです」


白仁琴音さんも来てくれました、リース様はよく料理の手伝いをしているとは聞いてますが火を使うのが壊滅的に下手らしいんですよね。


「取り敢えず上がってください。」


「あ、これから買い物なんですよ。何が食べたいか2人に聞こうと思って来たんです。」


なるほど、2人だけでは危険ですし付いて行きたいんですが忙しすぎて他の人に頼むしかないですね…


「少し聞いて来ますね。ついでにボディーガードにも連絡とって来ます。」


「待ってまーす。」


昨日はハンバーグ弁当でしたし、和風系でサッパリとかが良いでしょうか。


「リース様と琴音さんが夜ご飯作ってくれるそうですが、何か希望ありますか?」


「え、えーと…今日の夜は軽めが良いです。」


「わかりました、軽めと伝えますね。」


なにを作ってくれるんでしょうか、楽しみです。



「リースちゃん、料理できたんですね…」


やっぱり意外だと思いますよね。



〜エルフ〜


コスプレでスーパー、めっちゃ恥ずかしい!


着替える前に車乗せられて、おかしいな?とは思ってたけど、まさかこのまま買い物に行くことになるとは…


「軽めのご飯かぁ〜、リースちゃん思い付いた?」


軽い物…

ダメだ、湯豆腐くらいしか思いつかない。


「大根…」


「ん、大根?」


「茹でて、味噌で…」


「なんだっけそれ、ここまで出てる…わかる!わかるよ?」


あー、あー…

名前出てこないけどわかるよエルフボディ!

こんにゃくとかも合うよね。


「ふろふき大根の事でしょうか?」


護衛さん、確かにそんな感じの名前だった気がするよ。


「多分…」


「えっと、ふろふき大根、と。」


スマホ使って琴音さんが調べてくれてる。


「大根を茹でて、味噌と、なるほど!確かに軽めだし美味しいかも!」


「じゃあ、決定…」


早く買って帰ろう!

流石に視線集め始めたし、中学生ぐらいの子がスマホ向けて来てるから絶対に写真撮ってるから。


「手繋ぐ?」


「大丈夫…」


ーーーーー


「おかえりなさい…リース様はどうしたんですか?」


「人が多い所に行って、疲れちゃったみたい。」


確かに人が多いからってのも理由の一つだけど、厳密には違うよ…

すごい視線集めたんだよ、スマホでめっちゃ撮られてたと思うしネットにあげられてるんじゃないかなぁ?


「料理、開始…」


「頑張ろうねー。」


そうだ魔法使おう。

友美さん目の下の隈が凄いんだ、もう真っ黒なんだよ。


頭の中で癒し系の魔法を調べてたら、魔法薬って言うのが出て来て、その派生で料理に魔法を付与する事ができることを知った。


「大根切るのお願いね。」


「うん…」


ぶっつけ本番、魔力を込めながら切る!


スー…


「?」


琴音さんが不思議そうな顔して見てくる、いつもサッとやってホイで終わってたのに、ゆっくりやってるから不思議なんだろうなって。


「ふぅ…」


それで魔力が消えないうちに効果をつけて…


「大丈夫?疲れてちゃってるなら私やるよ?」


ごめん琴音さん、今は反応する余裕ない。


「………」


これで、OK?

私の視点だと大根を魔力が巡ってるし成功だとは思うんだけど…


「よし…」


「この後は私が引き継ぎまーす!」


友美さん良くなると良いなぁ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る