第96話 電波ジャック

〜エルフ〜


私は今ピンチです。


「ふにぃいぃ…」


「買ってよかった頭皮マッサージ器!」


頭が、ゾワゾワするぅぅ…

ちょっと前に流行った、泡立て器みたいなマッサージ器を使われています。



ーーあれは少し前のこと、


『眠く、なってきた…』


『うーん、もう2時だからなぁ。暇だし眠くなるのは仕方ないけど…』


ピンポーン


『お?リースちゃん、これから暇じゃなくなるかも!』


『んぅ…?』


ってことがあって、戻ってきたら琴音さんは少し大きめのダンボール箱を持ってた。


『大量の暇つぶしが出来そうなグッズだよ!』


『おぉ〜…』パチパチ


『じゃあ早速使ってみようか!』


『おー』


で色々とやられてます。ーー


箱の中身チラッとだけ見えたけど、ビリビリボールペンとか中身がわからないスプレーが沢山入ってた。


「ふ、ふぅ…」


「大丈夫?」


「少し、ふわふわ…」


まだマッサージ器をやられてる様な感覚が残ってる…

これやる意味あるのかな?


「痒いような、気持ちいいような…よくわかんないね。」


「だね…」


琴音さんも自分でやってるけど微妙そうな顔してる、でも自分でやってる分だけ余裕があるように見える。

私だけ悶えるのちょっと悔しいから隙見てやってやろうかな。


『今日の…の、の、……』


ん?テレビがバグり始めた。


「琴音!あんた何やったんだい?!」


「なんで私?!何もやってないよ!」


ビリビリボールペンのせいなのだろうか、まだ使ってないけど。


『初めまして。』


なんか、神様が好きそうな痛い仮面つけた男が出てきた。

てか守護者の付けてる仮面にそっくり。


『我々は代行として守護者の意思を伝える者。』


神様!

なんか私に教えてないことやってる?!


『今回はお知らせであり特に伝える事は無い、迷惑を掛けたことを謝罪する。』


謝罪するならやるな、私は許可出してないぞ。


『それでは、1週間後も皆が生きている事を、我々は守護者と願う。』


プツ…


(はっ!ごめん寝てた!なに〜?)


女神様、少し遅いかな?

なんか守護者の代理だって言って、テレビ乗っ取った奴がいて神様が関わってるか聞きたかったの。


(私は聞いてないよー、それと爺さんは捕まってるから関われないし。)


捕まってる?!

神の世界で何が罪になるのか詳しく知らないけど、ついに捕まったのか…


いつか捕まるとは思ってました。


テレビは緊急速報に変わってる。

『守護者の代理とは?!徹底解説!』

だって。


待て、なんか守護者の等身大パネルとか出てきたんだけど、何勝手に作ってんだ恥ずかしいだろ!


「守護者って絶対に可愛いよね〜。」


「……」///


おいエルフボディ、私も照れてるし照れるなとは言わんから態度には出さないで。


「銀髪でサラサラ…リースちゃん守護者のコスプレしてみない?」


「な、なんで…?!」


「絶対にそっくりだと思うんだよね、耳が絶対的に違うけどね。」


そういえば、この耳についてる魔法もそろそろ見破られたりするんだろうな。


「やらない…」


まぁバレる可能性が高いし、コスプレは絶対にしないけど。


「え〜、残念…」


琴音さんはそう言って、またダンボール漁り始めた。


初めて守護者モードの私の姿を見たけどさ…


『これだけの動きをして破れない、まず通常の布ではないでしょうね。』


露出多くない?

なんか神様達、露出を減らすみたいなこと言ってたはずなんだけど…


(僕が直そっかー?)


(うん、お願い…)


琴音さんがダンボールから出したのなんだろう?


嘘発見器

ジョークアイテムか、バチバチってなるやつかな。



〜国の偉い人〜


「ノォォォォォォ!!」


「落ち着いて!…ダメだ!彼を早く医者に!」


秘書の部下の1人が発狂して倒れた。


今我が国日本は、通常では信じられないレベルの改革が進められている。

汚職の一掃、年功序列の緩和など毎日のように人材の入れ替えが行われ、関係者は徹夜で書類整理をしている。


「代わりの者が必要ですね、私の伝手で冤罪で飛ばされた者を呼び戻しましょう。」


「君は鬼だね。こんな地獄に呼び出すなんて。」


「まぁ素敵!私達の仕事を総理がやってくれるようです!みんなでご飯食べに行きましょう!」


「「「うおぉぉぉぉ!!」」」


「ごめんなさーい!終わったら私の奢りで焼肉行こう!もう高いお店いくらでも奢っちゃうから!」


危ない!

秘書は本当に油断ならないんだから、それに私仕事めっちゃしてるよ?

私の派閥からも何人か失脚してるからその分私に皺寄せが来てるんだ。


「俺、この仕事が終わったら、喫茶店のミミちゃんに告白するんだ…」


「それ駅前のとこか?あの子は彼氏持ちだぞ。」


「うわぁぁぁぁ!!」


「ダメだまた1人やられた!」


君達、楽しそうだね…


「5人ほど優秀な官僚を引き抜きましょう。」


「君そんな権力持ってたの?」


「私ですからね。」


この秘書怖いんだけど!

なんか裏で全部操ってそうだよ、私も飛ばせるレベルじゃない?


バン!


このドアの開き方は、間違いなく悪いことが起きた。


「緊急です!テレビ局の電波が乗っ取られました!」


「「「……」」」


「守護者の代理と名乗っている集団の犯行です!」


ね、言ったでしょ?


みんな叫ばないのも多分気絶してるからなんだよね、秘書もメガネがズレてるし…


もう解散してやろうかな…

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