守護者争奪戦

第95話 元気そうに配信してる

〜エルフ〜


テレビでは、女性のアナウンサーと専門家がグラフを見ながら話している。


『つまりは資源、主に魔石で賄っていた物が改善傾向にあると。』


『はい。キッカケは分かりませんが、こちらグラフを見てもわかる様に減り続けていた物が横這いになってます、多少改善傾向にあると見ていいでしょう。』


『ではーー』


『しかしまだ油断は出来ません、早急に魔石を再度採取可能にするか、魔石に変わるエネルギーを見つけなければ危険でしょう。』


暇だなぁ〜。

テレビは難しい事を言ってるだけで、学校はこの前の襲撃で壊された所の修理中、やる事がない…


「よかったね〜。」


「あんた理解してるのかい?」


「いや〜、なんとなく良い方向に向かってるなってぐらい。」


ニュースって、殆どがなんとなく〜ぐらいしか認識しないよね。

なんとなく良いニュースだなぁ、なんとなく悪いニュースだなぁって感じでさ。


「暇ぁ〜…」


「ジェンガでもする?」


2人でか〜、4人ぐらい欲しくない?


「やらない…」


「そっか〜。」


ちなみに友美さんと朱音さんは2人共めっちゃ忙しそう。

友美さんはゴーレム関連の処理で過労死寸前、朱音さんも夏休みの宿題並みの課題を片付けてる。


私にもあったけど、そこは流石のエルフボディ、両手が勝手に動いて別々の問題集解いて、


『終わった…』


『早いですね?!』


直ぐに終わった。

その後ちゃんと朱音さんに確認してもらって、完璧ですのOKもらったよ?


「〜〜〜〜♪」


「そうだ!」


エルフボディが久しぶりに歌い始めたと思ったら、琴音さんが急に叫んだ。


「配信しよう。」


「え…?」


もしかしてエルフボディの歌配信とかかな。


「リースちゃんなら凄い人気出ると思う、登録者100万人も夢じゃない。」


可愛い路線でアイドル的な?

確かにエルフボディなら人気出るかもだけど、神様が許してくれるかなぁ?

意外と独占欲強そうだし…


「辞めときな、今は身バレとか色々と大変なんだから。」


おっと、此処でママさんからストップが掛かりました。


「うっ…」


「それに少し前に、リースの歌をネットに上げて凄い事になってたじゃないか。」


撮ってたの知ってたけど、アレをネットに上げてたのかい。


「人気爆発だったよね…」


「護國さんに頼んで違和感がない様に消してもらってたね。あのまま続けてたらニュースになってたレベルだ。」


「まぁ、確かに…」


え、そんなにだったのか。

あの謎言語の歌が?エルフボディの声が綺麗だって言っても謎言語なのに?


「謎言語…」


「え、リースちゃんも知らないの?」


「うん…」


だってエルフボディが勝手に歌ったんだもん、私はわからないよ。


「じゃあ…他に誰か歌ってたとかある?」


「うーん…強いて言うなら、私。」


???


「そっかー、リースちゃんかー。」


わからん、なんでその答えになった?


「まさか、不思議ちゃん属性まで持ってるとは…薄々そうじゃないかなとは思ってたけど。」


琴音さんの中では、エルフボディのこれは不思議ちゃんで済むのか…

ママさんの少し驚いた顔を見る限り、琴音さんが一般的って訳じゃ無さそうだな。


「猫耳付ける?」


「つけない…」


最近よく聞かれるけど、なんで急に猫耳。



〜ロリ女神〜


「…ん、おはよう!」


あー、よく寝た。

昨日は結界の修理に疲れた、いっそのこと自動で修理する様にしてやろうかと思ったよね。


お、爺さんまだ配信続いてるのか。


『ここハンバーガーないのか?』


元気そうに配信しとるわ。

普通捕まったら焦ったりするだろ…


『ある訳ないだろう。』


『でもさ〜…』


『俺が作ってやったんだ、ありがたく食え。』


『え!男の手料理?!せめて女性でお願いしたい…』


ーコメントー

・もう辞めたれ

・相手疲れてるやん

・捕まえたこと後悔してそう

・てか、何で捕まったん?


この調子でずっと煽ってたのか?

治安神も最初の勢いすっかりなくなってるじゃん、オールバックで綺麗にキマってた髪も少しボロってる。


「えっと、幼女誘拐疑惑っと」


ーコメントー

・まじ?どこ情報それ

・てかロリ女神様じゃん

・情報信用度 最高

・ついに一線を越えたか…引退でしょうね、楽しかったよ


「これぐらいでいっか、ご飯作ろ〜。」


またリースちゃんのご飯食べたいなぁ…

今度は一緒に最近知った、たこ焼きパーティーって奴やってみたいなぁ。


爺さんの世界は食が進んでさ。

私の世界はあんまりなんだよ、医療関係が進み過ぎて栄養食みたいなのしか無くて、正直栄養を摂るための物だから美味しくないんだよね。


「今日のご飯は〜、トースト!」


食パンって凄いよ。

そのまま食べるのは勿論、ハムとかチーズ挟んだり、軽く火通してカリカリに、やれる事は無限大。


「ウマァ…」


爺さんの世界まで食が発展するのはいつになる事やら。


世界のレベルは医療関係に振りすぎて逆に成長しなくなっちゃって、私の世界はそろそろ滅びることが決まってるんだよね。


医療は今回で上がりまくったから放置で、次は食メインにしようかなぁ…


「ごちそうさまでした!」


美味しかったぁ。

これから、軽く仕事してリースと戯れて…


待て、爺さん捕まってるって事は、この世界は私が管理しないとダメな感じ?


「いやだぁ〜〜!」

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