第90話 守護者捕獲作戦×2

〜???〜


地球上の何処かにある会議室に各国から10人の権力者が集められている、1メートルしか離れていないのにお互いの顔が見えない程の暗さだ。


「今回はお集まり頂き感謝します。私が今回の幹事を務めさせていただきます、此処におられる方々は知っていると思いますが私のことは『ケイト』とお呼びください。」


会議室の中央に居た男にスポットライトが当てられる。


「今回の目標はとある人物の捕獲又は排除、目標はコチラになります。」


男の前に立体映像で守護者の姿が映る、参加者達は一気にざわめく。


「守護者か…」


「戦力がな…」


「兵士は揃えられるが難しいだろう。」


否定的な意見が多すぎる、そんな意見を求めてるわけじゃないんだよ、先代はどうしてこうカスみたいな奴しか育てなかったんだ…


「勿論無策ではありません。ですが捕獲はほぼ不可能でしょうし排除を優先します。」


「「「!」」」


この程度で狼狽えるなよ…


「し、しかし排除してしまえば怪物達の襲撃から守れないのでは?」


「そうです!籠絡の方がよろしいかと。」


「日本に頻繁に出現すると聞いております。なんとかして我々の国のどれかへ誘導できれば…」


そんな事はわかってる、俺も守護者を排除できるとは思ってないからな。


ダン!


「「「!」」」


「失礼、少し手が滑ってしまいました。」


静かになったか…


「ではこれから守護者捕獲作戦について説明させていただきます。」


ーーーーー


「と、なります。」


「バカな…いくら貴方といえど守護者を中心に毒薬をばら撒くなど正気じゃない!この際言わせてもらうが守護者を排除するのは私は反対だ!」


「そうだな、守護者に守られた国も多い。」


反対意見を言えるのが居た、多少はまともか…

いや私の案に反対意見を言わない方がおかしい、心の中では反対しているが言わない奴が6人だ。


「少しお待ちを、コチラの映像をご覧ください。」


コレを見てでも降りると言うなら止める手段はない、守護者へのヘイトが溜まるだろう多少編集で改変しているがね。


『五月蝿いな、消えてもらうか…』


『『『!』』』


『五月蝿いの消えた。』


『じゃあ滅ぶ?』


「これは…」


「昨日行われた、異界門対策秘匿会議です。どのような方法をとったかは不明ですが守護者が会議に乱入し実際に話した会話の内容です。」


ふむ、動画を見て全員が賛成に変わったか。

疑うと言う事を覚えないのか?使いやすいから別にいいが。


「守護者は危険です、被害を承知で排除する必要があります。賛成の方はそのまま座って、反対の方は立ち上がり理由を述べてください。」


立った者は居ない。


「それでは後日詳しい資料をお送りいたします。本日はお集まりいただきありがとうございました。」


スポットライトは消え、1人また1人と部屋から出ていった。


「奴の影響力が強い日本さえ潰せれば攻勢に出れる、だろう悪魔?」


『現世で私に話しかけるなと言った筈だ…』


「はっはっは、すまなかったね。」



???→ケイト



〜カマー〜


「うわぁぁぁ!」


この子メンタル弱すぎるわよ!

いや守護者の子が心配なのはわかるわよ?あんなに連続で転移魔法使ったら体が焼き切れるもの。


「守護者ちゃーん!」


「貴方少し落ち着きなさい…」


「殴るわよ?!!」


暴力的になりすぎでしょ!


「あ〜、うるせぇんだけど…」


「あんたらこの時間まで寝てるじゃない!少しぐらい仕事をやったらどうなの?!」


「おやすみ〜。」


くたばれ…

あんた達が来てから私の抜け毛が酷いのよ、しかもそれを察してか上司から連絡来なくなったんだからね?


守護者を捕まえれば少なくとも泣きじゃくってるエルフは使えるようになる。

でも私はやる事があるし、かと言ってこの子1人に任せる〜?


「なによ…」


目真っ赤でそんな威圧的な声だしても怖くないわよ…


「はぁ…これあげるわ。」


「何これ、紐?」


「紐じゃないわ鞭よ、神が与えてくれた50個ある道具のひとつよ。」


「え!初めて見たんだけどこんな見た目しょぼいの?鞭というかただの紐じゃん。」


私が熱狂的な信者じゃなくて良かったわね、信者がこの場にいたら殴られてるわよ。


「No.どこに書いてあるの?」


「貴方が握ってるところよ。」


「んーと、23ね…効果は?」


「無限に伸びる事と一度でも攻撃当たれば使用者が解除しない限り魔力吸い続けるヤバいやつよ。」


「それはヤバいわね…」


私でさえ回復より吸われる方が早いもの。


「いいの?数字付きを私に渡しちゃって、まぁもう返さないけど…」


「私あと2つ持ってるから別にいいわ。」


「あんた凄いやつだったのね…でもありがと次の襲撃は私がやるわ、そして現れた守護者ちゃんを捕まえちゃう!」


楽しそうで良かったわ…

やっと作業に集中できる、次の襲撃はまだ先だけど作戦立てたり忙しくなるからあの子も静かになるでしょう。


「カマー!この魔法陣描くの手伝ってー!」


「自分1人でやりなさいよ!」


ダメだったわ。


「精霊召喚し続ける魔法陣を沢山描くのめんどくさいじゃん?だからお願い!」


「おうおう、調子こいてんじゃないわよ小娘。」


はぁ、こんな調子で世界間テレポーターなんて本当に完成するのかしら…

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