第53話 私の心配を返して欲しいですね

〜チャラ男神〜


『『『キャァァァァァ!』』』


危ねぇ…

なんとか転移魔法で保護が間に合ったから良かっな、リースが世話になってる人に当たるところだったし当たってたら爺さんにしばかれる所だった。

持ってることは知ってたんだが国の重要人物も多い場所で実際に撃つとは思わなかった。


『…………』


『守護者…殿……』


『…………』


ヤベェ、声ださねぇと。


「次は、ない……」


『…………』


おかしい、声が反映されない。

リース予想以上に怒ってるみたいで制御外れてるっぽいな、虐殺とかしねぇよな?いざとなったら無理矢理止めるか。


『全員…跪け……』


ワァオ、えげつない程の魔力放出、こりゃ気絶ギリギリだな。

爺さん今のリース見たらギャップ萌え〜!って叫びそうだな。


『お前…なぜ、此処で、撃った?』


『そ、あ……』


『早く答えろ…消されたい…?』


「カッケェ。」


今のリース踏まれたい欲を持ってる人にはかなり刺さるな、俺は違うけど。


『はぁ…もう良い、寝てろ。』


『あっ……』


リース魔力制御すごく上手くなったな。


『この場にいる人間、誰でも良いが偉い奴に伝えろ。私と敵対しても良いが滅びを覚悟しろと、な。』


『か、かしこまりました。』


『敵対を選ぶならもう知らん。それとこの娘は私が送ろう、事故とはいえ人に殺されかけたのだから。』


気絶しちゃってるのか、まぁしょうがないのかもしれないけどな。


『安全を確保してくださるのでしたら……』


『お前らと一緒にするな。』


あ、転移魔法使った。

リースは学校にいる設定だけどどうするつもりなんだ?


『ごめんね…』


なるほど玄関の前に座らせて、リースは学校に戻るのか。


……待てよ?

リースこんなに魔法自由に使えたか?爺さんとの訓練を見てたが殆どが魔力制御の訓練だったはずだし…


『チャラ男、服もどせ。』


怖すぎっす、逆らえないっす。


『良くやった、疲れたから休む。』


「お疲れ様です!」


『それじゃ……』


………疲れた。

俺も寝よう、爺さんとロリ女神帰ってくるまで寝てよう…。


「あっ!ヤベェ渡せてねぇや。」


道具も渡すの忘れてたし今日はダメダメだったなぁ。



護國友美もりくにともみ


今日も頑張りました。

無事にリース様と朱音様を学校へ連れて行ってパソコンで作業、いつもなら家に連れて帰ったら殆ど終わりリース様を眺めるのですが、今日は『魔法研究・訓練所』に朱音様を連れて行かないといけません、泣かぬように我慢しつつリース様と離れました。

太陽が沈んで暗くなってきたのであと少しで解散になりそうです、リース様に会えるのが楽しみです。


「ほっ……」


何事もなくこの生活が続けば良いな、退院も近いみたいだから近くに暮らせます。

あぁ、コーヒーが美味しい。


「護國さん緊急事態です!」


「ぶふぅ!」


これが…フラグ回収というものですか。

早すぎませんか…


「何があったんですか?」


「実はリース様が行方不明になったようで…」


「は?」


え、行方不明ってなんでですか?!

だって女性ボディーガードに迎えも頼んで門の前に入れば学校の警備員さんもいるから誘拐とか起きる訳が……


「何処でいなくなったのですか?!」


「校門の前で出てくるのを待っていたようです、少し遅かったのは部活だと思ったそうなんですがあまりにも遅いので確認した所、行方不明…だと……」


そうか、他の皆はリース様の事を詳しくは知らないから部活だと思われてもしょうがないのか。


「私はこの場から動けません、動ける人を連れて捜索しなさい。」


「了解です。」


今日は平和に過ごせると思っていたのに。

あぁ、心配です…


「護國君!」


「!」


今度は誰?!

この施設の責任者だ、名前聞いたことあるんだけど思い出せない。


「今すぐ白仁朱音さんの御自宅へ、そのあと朱音さんの怪我の確認を!」


「朱音様が怪我?!」


「詳しい事は後で話すから急いでくれ。」


「了解です!」


うぅ、リース様も行方不明で朱音様が何かに巻き込まれてる…2人とも無事でいてください。


ーーーーー


『護國さん報告です。学校内と学校周辺をくまなく探しましたがリース様は発見できませんでした、これから更に創作範囲を広げます。』


「白仁家に近い側を主に捜索してください、もしかしたら自分で帰ろうと歩いてるかもしれません。」


『了解』


異界門の周辺が人通りが少なくて助かりました、法定速度ギリギリまで出せたのでかなり早く着くことが出来ました。

私の運転技術も鈍ってませんね。


って今はそんな事どうでも良いんです!


この角を曲がれば白仁家に着きます!


「!」


玄関の前に朱音様が倒れてる、怪我がないか確認しなければ。


「あ、れ?」


近づいてよく見たらリース様も寝てるんですが、腕枕羨ましいです。


「なんで?」


うん、朱音様がここで寝てる理由はこの際どうでもいいですがリース様も此処で寝てるのはわからない…


「おーい、起きてください。」


「…あれ?……友美さん。」


「聞きたい事あるとは思いますが家に入りましょう、風邪をひいてしまいます。」


「え……嫌です。」


「えっと…何故です?」


「リースちゃんに抱きつかれて寝るの久しぶりなんです!いつも姉さんばっかりでずるいと思いませんか?」


私の心配を返して欲しいですね。

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