第48話 この学校、すごい……

〜エルフ〜


「負けたあぁぁぁぁ!!」


エルフボディ女神様に勝利!

女神様は負けると思ってなかったみたいで押され始めるとどんどん顔色悪くなっていって少し心配になりました。


「あー、飯が美味いな!」


「そうじゃなチャラ男、衣装の準備始めるか。」


「ロリ女神って昔から調子乗ると負けるよな。」


「猫耳は何色にするかの、儂はやっぱり髪色に合わせるのが1番じゃと思うんだが。」


「破滅のニャンコセット使おうぜ、運が良ければすぐに外れるし。」


「金髪に近い色あったかわからんの…」


破滅のニャンコセットってなんだ、運が良ければすぐに外れるって言ってるけど運が悪かったら外れずに猫耳で過ごす事になってたって事?!

勝てて良かった…


「はぁ〜、リース強いよぉ…」


「もう猫耳メイドになる事は確定なんじゃ、どうせなら楽しもうじゃないかロリ女神。」


「お前らまた僕の写真集作るんだろ?!カメラ用意するとか聞こえてたからな!」


「ロリ女神、君は人気なんだ諦めてくれ。」


「意味わからんし、それとロリ女神って言うの辞めろや。」


「猫耳ロリメイド写真集を一緒に売り出そうぜ!」


いろんな意味で凄いワードだな。

でもそんな写真集が売れるのか、真面目な神ってほとんど居ないのかもしない…


「あ!」


どうした神様、その反応した神様の話って正直しょうもない事が多い気がするけど。


「今現実のリースたん学校に通う車の中じゃ…」


「は…?」


女神様とオセロ何回かやったけどそんなに時間経ったのか?

まだ体感1時間ぐらいなんだが…


「此処は時間が歪んでるからの、いつもと違って自動で帰れなくなってるせいでもあるがな。」


「爺さん確かあんた『今日は久しぶりにリースたんと会えるから沢山話したいし学校サボらせちゃおっかなぁ』って言ってなかったか?まるで遅刻してしまう!みたいな反応したが矛盾してるぞ。」


「それは言っちゃダメじゃろ!」


神様のせいなのかい!

早く戻してくれー。


「ひどい……」


「す、すまなかった!」


「そんな事いいから早く返してやれよぉ、僕も仕事しに帰るから。」


「わかったぞ…」


おぉ、身体が透明になり始めた。


「ロリ女神逃げようとしても無駄だ、猫耳メイドはもう決まったんだ。」


「そこをどけチャラ男!爺が手放せない今が逃げるチャンスなんだよ、僕がいつまでもやられっぱなしだと思うなよ!」



〜現世〜


「ん……」


「あ、起きましたね、おはようございます。」


「おはよう、あかね……」


朱音さんが心配そうな顔してる、そりゃそうか色々やっても起きなかったら心配するよね。


「リース様体調に変化はありますか?不調ならこのまま病院に行きますが…」


「大丈夫……」


「無理しないで体調悪くなったらすぐに言ってね。一緒に早退しよう。」


「う、うん…」


朱音さんの学校生活壊すことになっちゃうから体調悪くても絶対に隠し切ろう。


「おにぎり食べましょうか。」


「食べる……」


「では一緒に、いただきます。」


「いただきます…」


私と一緒に食べる為に朱音さん朝ご飯食べないで過ごしてたのかな。


「あかね、ありがと……」


「1人で食べるより美味しいですからね。」


「…!」


朱音さん優しいな。


「そういえば琴音様も朝ご飯我慢しておられましたね。」


「…………」


琴音さん朝ご飯一緒に食べれなくてごめんなさい…

でも朝ご飯は抜かないでね、体調崩しやすくなっちゃうから。


「姉さんにはメール送っておきますね。」


「うん…」



〜カマー〜


はぁ、暇ねぇ。

今は透明化の魔法使って校内を歩き回って暇を潰してるのだけど、特にやる事も無しエルフ娘ちゃんの情報も無いし腹黒青年との約束の時間まで本当にやることないのよね…


それにしてもこの高校と言う施設は素晴らしいわね、私の居る世界では貴族か商人とかの金がある人しか学ぶことはできないのだけれどこの世界に学校が沢山あるおかげが殆どの子供が勉強することができてるわ。


「ねぇ聞いた?」


「転校生の話?」


「そう!めっちゃ可愛いらしいよ、休み時間見に行かない?」


「でも迷惑になっちゃわないかな?」


またこの会話ね、転校生ちゃんが可愛いって話して次の休み時間に見に行く、私も転校生ちゃんのいる教室を除いて見たけどかなり疲れてそうだったわ。


でも不思議なのよね。

腹黒青年がクラスメイトのほぼ全員にかけた魅了魔法を打ち消した、でも本人が何かしたようには思えないのよね、本人も見た感じ無自覚のようだし生まれ付きの体質なのかしら?


「あっ……」


あら、噂をすれば転校生ちゃんが歩いてる。

いつもはこの世界で魔法を使えるようになった者の1人に抱かれてるのに1人でいるなんて珍しいわね。

プリントを運んでるのね、少し量が多くて危なっかしいわ…


「……」じー


見られてる気がする、今の私は魔法で見えないはずなんだけど…


「オカマさん……」


これバレてるわ。


「なぁに?可愛い子ちゃん。」


「せん、せい…?」


動作が可愛いわね、全て終わったら連れ帰ろうかしら。


「えぇ、似たようなものよ。」


「そっか…」


「私も此処で働いてほしいって言われた時は驚いたわ、でも生徒の多様性を育てる為って雇われたの。貴方は転校生よね?」


「うん…この学校、すごい……」


「私もそう思うわ。」


全部嘘です、騙してごめんなさいね。


「それじゃあ、頑張りなさいね。」


「うん、ばいばい……」


詳しくは調べないとわからないけどあの娘と喋った感じ魔法の無効化は無自覚ね、あの性格じゃ腹黒い事はできないでしょうし。

あの娘とは個人的に仲良くなって損は無さそうだわ、少しだけ理由も気になるし。

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