第43話 リースちゃん!! い、いぇーい

白仁朱音しらにあかね


「おはよう…!」


寝起きでリースちゃんの目が合う、普段は姉さんの方に顔向けて寝てるので今回はラッキーで最高な目覚めです。


「おはようございますリースちゃん。今日は起きるの早いですね学校楽しみなんですか?」


「楽しみ…」


昨日どこの学校に通うのか聞いたけど秘密って言われちゃって教えて貰ってないんだよね。


「それは良かったです、学校頑張ってくださいね。」


「うん…!」


「朝ごはん食べに行きましょうか。」


起きようとして姉さんの腕から出ようとしてる動き可愛いな。

全然抜け出せてないけど…


「姉さん朝なので起きてください。」


「わかった〜〜、リースちゃんいい匂いだねぇ。」


「シャンプー、一緒……」


「そうなんだけど何故か安心するんだよねぇ。」


「わかります。」


姉さんの言う様に不思議なんですよね、同じシャンプーにボディソープ、同じ柔軟剤使った服を着てるはずなのにリースちゃんだけ香りが違うんだよ。


「ごはん…」


「お腹すいてた?ごめんね早く行こっか。」


ーーーーー


「あ…あぁ……」


リースちゃん朝からじゃなくて午後から学校に行くらしくって朝から行けると楽しみにしてたリースちゃんがショック受けてます。


「友美さん、事前にちゃんと説明してあげてリースちゃん学校楽しみにしてたんだからさ。」


「すいません……」


急に決まったらしいからしょうがないとは思うけど…


「あかねと……いっーーーー」


「ストップ!リース様それ以上はいけませんよ!」


リースちゃんが何か言おうとしたのを友美さんが止めた、2人でコソコソ話してる内容気になるけど聞き取れないな…


「はい!朱音さん行きましょうか!」


「何がはいなのかわかりませんが、時間もないですし行きますか。」


今日の学校終わったらリースちゃんとお菓子作りでもしようかな。

まぁその前に魔法使ってー!って言われるだろう私のメンタルが持つか心配です。

魔法使う許可降りちゃったし恥ずかしい詠唱しないといけないのかな、リースちゃんと遊んでた時にできた謎の透明な球も魔法らしいけど地味だしなぁ…


「寒くなってきましたね。」


「そうですね、風邪ひかないように気をつけましょう。」


色々考えたら憂鬱になってきました、なんとかして誰かに注目を押し付けたいですね…



〜エルフ〜


私の入学が急に決まったせいで準備に時間かかるらしくって今日は午後にクラスメイトと顔合わせして終わりらしい、昨日の今日って事だからねそりゃ準備期間必要だよ。

朱音さんと一緒に学校に行けると思っていたエルフボディが暫くの間ショック受けてましたが…


「おいしかった……」


少し早めのお昼ご飯美味しくて復活!

後は友美さんのお迎えを待つだけ。


「まさかリースちゃんが朱音ちゃんと同じ高校に通うとは思わなかったな〜、近くの中学校だと思ってたよ。」


「そうだね、実際の年齢はともかく見た目だけなら小学生でも通用しそうだからね。」


「私、なんさい…?」


「「え…」」


でも本当に何歳なんだろうか、私の身体はエルフで人じゃないからなぁ…


「リース自分の年齢わからないのかい?」


「うん…」


「え、誕生日パーティーとかはやらなかったの?」


「わかんない…」


神様が1人でやってたかもだけど聞いてないからわからん。


「「……」」


「〜〜〜〜♪」


エルフボディさんちょっと重くなった空気の中で歌えるの強いっす。

お?少し急いでる足音だ、友美さんだな。


「戻りました!リース様行きましょうか。」


「ご〜……」


重い空気も時間が解決してくれるでしょう。

いざ学校へ!


ーーーーー


「……」ジー


「うっ…」


めっちゃ見られてる。

学校着いてから担任の先生を呼ぶって言われて会ったんだけど、充血してる目でずっと見られてる。


「はぁ…」


「!」


お、怒ってます?!

急に転校生って言われても困りますよね!

本当にごめんなさい!


「勉強は、出来ますか?」


「は、い……」


「それは良かった、分からないことがあればクラスメイトに聞くといいです。」


「わかっ…りました……」


エルフボディが警護になるぐらい圧が凄い。


「昼休みが終わったらリースさんの通うクラスに連れて行きます、1時間分は自習にするのでクラスメイトと会話してくださいね?」


「……」コクコク


ついに声が出せなくなった!


「言い忘れてましたね、私は宮本恵美みやもとえみ、リースさんの担任になります。」


「よろしく、おねーー」


「それと怒ってはいませんよ?」


会話に被せてきてる時点でそうは思えないよ?!

やっぱり無理矢理入学させたのかなぁ…


「後2分、そろそろ向かいましょうか。」


まだギリギリ昼休みだからか話し声は聞こえるけど廊下にいる生徒は居なかった。


「では呼ぶまで廊下で待っててください、教室に入ったら軽い自己紹介をして貰います。」


自己紹介か…

エルフボディ楽しみにしてたくせに緊張して喋れそうにないんだけど出来るかな?


「はい、注目!こんな時期ですが転校生がいます。」


「「「えーーー!」」」


みんなテンション高いな。


「先生!女子ですか?」


「そうですね、それと他のクラスに迷惑だから静まれ。」


「可愛いですか?!」


「一般的に見て可愛い方だ。」


深呼吸、深呼吸…


「後は本人に聞け、入って来てください。」


ふぅーー…

入るか。


「し、しつれいします…」


うわ!視線が…


「え!リースちゃん!!」


「あかにぇ…」


朱音さんが1番前の席に座ってて良かった…


「転入生のリース・レイエルさんです。」


「い、いぇーい…」

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