第40話 深刻なすれ違い

〜エルフ〜


「あぁぁ……」


「この状況危なくない?」


「知らない人が見たら通報だろうね」


深刻な温もり不足でソファで座ってテレビ見てたパパさんに膝枕してもらってたんだけどエルフボディが寂しかったのかお腹側に顔むけて寝てる、そのせいで少し、いやかなり怪しい事になってる

ごめんよパパさん


「あの子達暇があればリースちゃん抱き締めたりしてたのに急にどうしたんだろうね」


「うーむ、多分だけどすれ違ってるんだろうね」


「なるほど」


「護國さんはわかったんですか?」


「えぇ、なんとなくですが」


2人とも忙しいだけじゃないの…?

それとお風呂は一緒に入りたかったなぁ、2人が戻ってきた時髪の毛濡れてたし先に入っちゃったみたいだったんだよね


「今日は私と一緒に入りませんか?」


「うん……」


「夜はどうします?一緒に寝ますか?」


「んー……」


どうだろう、エルフボディでは寂しいだろうし眠れないよな


「あとで……」


お、エルフボディが意思表示したぞまさか1人で寝るのにチャレンジするのか?


「残念ですがわかりました、それじゃ入りに行きましょうか!」


「ぬぅえぇぇ…」


急にお腹に手入れられて持ち上げられたから変な声出た…


「へへ…やっと一緒に入れる……」


「……!」


一緒にお風呂入る人を間違えたかも、身の危険を感じる


ーーーーー


ホー…ホー…


田舎だと毎日、たまに都会でも聞く謎の生き物の鳴き声が聞こえる中でエルフボディは琴音さんの部屋の前で体育座りしたりノックしようとしたりウロウロしています、友美さんとお風呂に入ってから結構経ってるから身体は冷えてます…


「うーん……」


完全に主導権が奪われてて何も出来ない、寒いし眠いから覚悟決めてほしいなぁ


「……え、うぇぇ」


大丈夫だぞエルフボディ!別に嫌われてないよ、たまたま2人とも忙しかっただけだよー?

だから落ち着いてね?


「うぇ、えぐ……」


あー、これダメだ

このままだと私にも悲しみが襲ってきて何も出来なくなるから自分に睡眠の魔法掛けよう!


「…『穏やかな眠りを スリープ』ヒッ……」


なんとかなったな

眠気が……



〜ロリ神様〜


「良いか?リースたんが来たらパーンじゃぞ?」


「いやパーンじゃなくて普通にクラッカーって言えよ…」


爺さんがリースちゃん初戦闘勝利記念パーティーやるって言い出してチャラ男と私も賛同したまでは良かったんだ


「チャラ男が戻ってこないのぉ、チョコレートケーキ買ってくるだけなのに何しておるんじゃ」


「いや買いに行く神がいる所めちゃめちゃ遠いじゃないか、普通なら2日はかかるし大人しく明日に延長したほうがいいと思うよ」


「何言っとる人間には妹の結婚式見るために走った英雄がおるんじゃ、神もできる」


「…………」


チャラ男絶対に疲労困憊だろうなぁ

それにしても今日リースちゃん遅いな、昼寝しすぎて眠れなかったのか?


「お?来たけど別のとこに飛んだのぉ」


「なんで?」


「わからん!だけどリースたんの反応2つあるしバグったっかの?」


「わからないけど別々のとこ行くか〜」


「そうじゃな、ロリ女神には近い方を頼むぞ」


リースちゃんの反応が2つ……

分裂した可能性、他の世界だけど半分に切ったら別々の個体として生きる無敵生物居るらしいしリースちゃんも増えたのかな?

もし2人になってたら1人連れて帰っちゃおうかな?


「…………ぇぇ」


泣き声?


「うぅ……」


「何があったの!?どうしたんだよリース…」


リースちゃん泣いてる!


「何があったかゆっくりで良いから話してごらん?」


「えぐ…う、ん……」


リースちゃんから聞いた話ではいつも一緒に寝てくれてたお姉ちゃんが避けるようになって嫌われちゃったんじゃないか不安になったらしい


パーティーの準備しててずっと見てられなかったから詳しくは分からないけど避けるほど嫌われることはないはずだけどな…


「僕は嫌われてはないと思うぞ?」


「ワガママ、言った……」


「悪いと思ったんなら取り敢えず謝ってみるのはどうだい?心込めて謝れば許してくれると思うよ?」


「ほんと…?」


「本当さ!僕は女神だから嘘はつかないんだよ〜」


話した事で少し楽になったのかな顔色が良くなってるし


「あっ……」


「起こされてるみたいだね、頑張って!」


帰っていったな


プルプル プルプル


携帯が鳴ってる

多分爺さんだ、もう片方のリースちゃんはどうだったんだろうか


『もしもーし儂じゃよ!こっちのリースたんはずっと寝てて世界に帰ってったぞー、そっちはどうじゃ?』


「こっちもほぼ同じだよ」


女の子同士の秘密

爺さんに知られたくないかもしれないからね


「パーティーは明日に延期って事で!」


『仕方ないのぉ、チャラ男に連絡するから切るぞ』


「はーい」


明日に備えて休もうかな…


「間に合ったぁぁぁぁぁぁ!」


あ、チャラ男だ延期になった事知ったらどんな顔するかないつも僕のことからかって遊んでるんだ写真撮って笑ってやる!



白仁琴音しらにことね


朱音ちゃんと話し合って決めた『押してダメなら引いてみろ作戦』を実行したんだけど……


「リースちゃん寂しそうだったな…」


「そうですね…」


作戦間違えたかも…

リースちゃん今日どこで寝てるんだろういつも私達と一緒に寝てたからリビングかな?


「姉さん、少し見に行きません?」


あかねちゃんも心配だよね、行こっか


「もうみんな寝てるかな?」


「夜遅いですからね」


音立てちゃまずいからドアゆっくり開けよ


あれ?人通れるぐらいは開いたんだけど引っかかるな、物置いてたっけ?


「リースちゃん!」


引っかかってたのはリースちゃんだった、体冷えちゃってる


「姉さん、ベットに入れて上げて少しでも暖かくしてあげましょう!」


朱音ちゃんの言う通りにベットに運んだ


「リースちゃん、起きて…」


どうして私の部屋の前に居たのか聞かないと、でも理由はなんとなくわかる


「朱音ちゃん一緒に謝ろうか…」


「そうですね…」

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