第32話 おおぅ、直球だ

〜エルフ〜


「すーすー……」


疲れてる時ってお風呂上がってからソファですぐ寝ちゃう時あるよね…

今の朱音さんの事なんだけど


「朱音ちゃん今日は疲れちゃったんだねぇ〜」


「久しぶりの学校だったんだそんな事もあるさ」


寝ちゃうのはいいけど私を背もたれ側に抱いて寝てるから落ちないか心配だ…


「ママさん…」


「どうした?」


「毛布、貸して…」


「あいよ、取ってくる」


起きなくて此処でずっと寝てても風邪ひかないように毛布をかけてもらってと…


「おやすみ……」


「え!私は?」


琴音さんも一緒に寝るのは狭くて無理だなぁ


「明日、ね……」


「うぅ……」


罪悪感を少しだけ感じるけどもう眠い、エルフボディ寝ようと思ったらすぐ眠気が来る…


「私もリビングで寝る…」


「夜踏まれない所で寝なよ?」


「了解です!」



〜神様ワールド〜


「誰も、いない……」


え、寂しい…

会えると思ってきたのに誰も居ないなんて、涙出てきた…


「お?誰だお前!」


「んぇ…?」


なんだこのロリっ子

こっちは寂しくて涙出てるんだぞ!


「ちょっ、泣いてるのか?!驚かしちゃってごめんよぉ…」


「うぅ……」


なんで君まで泣きそうなんだロリっ子


「どこ行ったんじゃー!次の衣装あるぞー!」


神様の声だ…


「ヤベェこっち来る、逃げるぞ!」


「わっ…」


てかこの子誰だろ?神様ワールドにいるって事は知り合いの神とかだろうけど、ワンチャン私と同類?


「ここまで来れば大丈夫だな…」


「……」


走り続けて体感で1時間、この世界はほとんど見た目変わらないから前に進んでるのか後ろ下がってるのかわけわからん


「それで君は誰なんだよ」


「リース……」


反射的に名前教えてしまった…

色々聞きたいけどエルフボディが何故か感動してて言葉が出ない、この感情は…歓喜?


「あ!そうだ君は僕の名前知らないじゃん」


「……」コクコク


首振るのは良いんだけど喋らせて?


「僕は癒しの女神だよ!名前は仲良くなってからね、暫くここにいるから宜しく」


うん


好き……よろしく


あれ?急な自動変換?


「おおぅ、直球だ…しかも邪な感情一切感じない純度100%な告白」


好感度めっちゃ高い、女神様だからかな?


「僕はあのチャラい奴に呼ばれてから色々あってお爺ちゃんから聞いたよ大変だったね、これから僕をママだと思って気軽に接してね」


「え……」


ちょっと待って

前半はわかる、この身体になってから色々あったから、でも後半はわからないママでは無いな見た目的に100歩譲って姉じゃないかなぁ?


「お姉ちゃん……」


「お姉ちゃん?!ママは早過ぎたか、僕がお姉ちゃんだよ!何でも頼むと良い!」


「私が……」


「え?」


なるほど少しだけ理解した

この感情は庇護欲に近いけどエルフボディがお姉ちゃんになりたいのかな?

ずっと小さい子扱いされてたから自分より小さい女神様みて真面目でちゃんとしてる雰囲気出したくなっちゃったぽい


「ぐぬぬぬぬ」


女神様すごい顔してる


あ、あれ神様じゃね?

警察のコスプレしてるんだけど意外にも似合ってる



〜ロリ女神様〜


あの爺さんがメイド服着させようとしてきたから全力で逃げてる最中に銀髪のエルフ拾った


追われて焦ってたから怒鳴りつけて泣かせてちゃって爺さんの眷属の話聞いてたからやらかしたって理解するの時間かからなかったよね


昔読んだ本では傷ついてる子には無理して近づかず身近な存在になりそれとなく近づきましょうって書いてあった様な気がするからママと思って!って言ったらお姉ちゃんって呼んでくれた!


新鮮だなぁ私小さいから後輩にも妹みたいな扱いされるんだよねぇ


「私が……」


「え?」


うん、知ってた

そんな気はしてたこの子の目が庇護対象を見る目だったからね


いつもなら強い言葉で言うけどこの子には言えない!

でも妹扱いはやめてほしい…


「あっ……」


「どうしたー?」


私の後ろずっと見てるな、まさか!


「捕まえたー!」


「ぎゃぁぁぁ!」


でたぁぁぁ!


「リースたん、右腕貸して」


「ん……」


流れる様に手錠かけてリースちゃんと繋げられた!


「さてと捕まえた所で本当の話するかの、儂寝てたせいで明日またくる襲撃の対策考えてないんじゃ」


は?本当の事ってなんだよ


ーーーーー


「騙しやがったなお前!」


「許してくだちゃい!」


「ふざけんな!」


なんて奴だよ眷属のくだり全部嘘とか僕の心配を返してほしいよ!


「じゃあなんで呼んだんだよ」


「儂は知らん、チャラ男が知ってるけど仕事中だからなぁ」


「じゃあ帰る……」


「ぇ……」


リースちゃんそんなに悲しそうな声出すなよぉ、罪悪感湧くじゃないかぁ


「一緒に……」


「うっ」


「ダメ…?」


「僕で良ければ手伝うよ!」


はっ!

可愛すぎてつい手伝うって言ってしまった、爺さんこの子作った時に魅了の魔法でも付与したのか?


「ありがとう感謝するぞ!」


「お前のためじゃねぇよ」


さっきからカメラこっち向けてるの気づいてるからな


「ありがと…」


知り合いの女神達が僕のことを撫でる気持ちがいまならわかる気がする


「家に来ない?」


「いつか…ね……」


この子連れて帰りたい…


「何言っとるんじゃ!儂がそんなこと許さんぞ!」


爺さんがなんか言っとる

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