第26話 サバ かわいぃ……

〜エルフ〜


「ふぁ〜…」


「起きた?」


「うん…」


帰って来たと思ったら琴音さんの腕の中でやばいっす、急に幸せを感じて声出ました


「あと少しで休憩の時間だから一緒にゼリー食べよ?」


「わかった…」


自衛隊さん本当にすごかったな

とんでもない速さで走って重いもの軽々と持ってたし魔法って本当になんでもできる…


『速報です』


あ、魚釣りの番組変わっちゃった…

多分襲撃の事かな?


『再び出現した怪物を自衛隊が鎮圧に成功したとの事です、政府の発表では怪我人は出たものの死者は0名、また今回の襲撃は防げたが前回より怪物の数は増えていた次も油断してはならない、との事です』


『現在公開されている怪物の情報をお知らせします

2メートル程の人型で緑色の肌をした怪物、3メートル程の人型で身体が大きい怪物、1メートル程の狼の様な怪物、1メートル程のカラスの様な怪物、この4体です』


『紹介した順にゴブリン、オーク、キラーウルフ、ブラックバードと呼称される様です』


『またブラックバードは空を飛ぶ事ができるため、

もし見かけたらすぐに警察へ通報し絶対に近づかない様にしてください』


名前がすごいファンタジー感出て来たな


『海釣りの醍醐味だよね!』


釣り番組に戻った、ラッキーだな速報だったから暫く戻らないと思ってたよ


お?なにか釣った


「はぁ……」


エルフボディめっちゃ落ち込んでる釣ったのがサバじゃなくてアジだったから?


「リースちゃん終わったよ!ゼリー食べよっか」


「うん…」


ずっとテレビ見てる

サバの何がエルフボディをそこまで動かすんだ


「お魚好きなの?」


「……」コクコク


好きだったのか…


「リースちゃん桃でいい?」


「うん…」


琴音さんのとこに行こう

流石に離れたくなかったのか抵抗は感じなかったね

やっぱりサバより琴音さん


「どのお魚が好きなの?」


「サバ」


答えるのはや!


「サバ?珍しいね味噌煮とか好きなの」


「ちがぅ……」


え、泣く?!まじか…

神様どんな設定入れたんだ、今度聞こ


「ご、ごめんね!サバに何か思い出があるの?」


「かわいぃ……」


エルフボディそれは私には無理だ流石にサバに可愛さを感じるのは共感できない…


「かわい…の……」


「……うん可愛いね、今度水族館行こっか、もしかしたらだけどサバ沢山泳いでると思うよ…」


「いく…」


気を遣ってくれてるよ!ありがとう琴音さん


「……」


「……」


この空気耐えられない…

琴音さん何故か震えてるしエルフボディ味噌煮の悲しみと琴音さんの桃ゼリーの幸せが交互に襲ってくるし


「サンマとかマグロとかは好き?」


魚の話するの?!


「サバ…」


「やっぱりサバかぁ、どこら辺が好きなの?」


「かたちが、すき……」


「そっか!」


琴音さん!サバの話無理して広げなくて大丈夫ですぅ!


「あ、休憩時間終わっちゃう、リースちゃんまた私の前座ってくれる?」


「すわる…」


あっ、抱っこして運ばれてる…



白仁琴音しらにことね


リースちゃんサバ大好きなんだね

食べる方かと思ったらまさかの観る方だったとは思わなかったけどリースちゃんは不思議ちゃんなところがあるからね

柔らかい、あったかい、可愛い


「よし、始まっちゃうけど何かあったら気にせず声掛けてね」


「うん……」


次の講義なんだっけな…


『はい、5分前になりました出席の確認をとります名前を呼ばれたら画面をONにして自分の名前を言ってください、それでは始めます』


うっ、この人ちょっと苦手なんだよね…


『白仁琴音さん』


「はい!白仁琴音です」


『……』


何か喋って?!

急にどうしたんですか怖いです


『白仁さん』


「は、はい」


『講義後少し残ってください』


えー!私やらかした?なにを?

心当たりひとつもないよ?!


『えー、次は』


怖いなぁ……


ーーーーー


『白仁さん』


「はい…」


初めてこの人と2人きりで喋る

私知らないうちに何かやらかしたかなぁ、提出物はやった筈だしな…


『その子は親戚の子ですか?』


「は?」


その子ってリースちゃんの事だよね?

講義見せちゃったのがダメだったのかな…

もしかしたら一緒に謝らないといけないかもだけどリースちゃん寝てるし起こしたくないなぁ


『白仁さん?』


「はい!親戚の子です」


強い圧を感じる!


『綺麗な髪の子ですね』


「さ、サラサラで綺麗な髪だと思います」


『機会があれば連れて来て欲しいですね…』


何だこの展開!

わからないよ、講師もリースちゃんの可愛さにやられちゃった?

だとしたら仲良くなれるし語り合えるよ


『あぁ、時間をとってしまってすいません、最後にその子の名前教えてもらっても良いですか?』


これはやられてる(確信)

それがわかったら凄く親しみやすく見える!


「リースちゃんです!」


『リース…ありがとうございます、リースちゃんも寝てしまっている様ですしまた今度話しましょう』


「わかりました、講義ありがとうございました!」


『えぇ、お疲れ様』


今日はこれで終わりだよね


「すぅ……」


私もお昼寝しよ!


「へへへ、良い匂いする」


リースちゃんの不思議の一つ同じボディソープにシャンプー使ってる筈なのに香りが全然違う、例えるの難しいけど柔らかい森?自然を感じる香り


「すきぃ……」


「!!!」


私も大好き!

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