第23話 計画始動! あれぇ?

護國友美もりくにともみ


「むぐぅぅ…」


あぁ、柔らかい


病気治った妹の所にも行きたいけど私の代わりの護衛が直ぐに手配できなかったからなぁ


髪の毛サラサラ


相手不明のメールで1週間以内に退院させるって来てたしまた一緒に暮らせるなんてとても嬉しい!

リース様のおかげ


いい匂い…


「ふふ、可愛いですよリース様」


「……」 カタカタ


私に抱かれて緊張してるのか小刻みに震えちゃって

ふふ、照れ屋さんなのね

そんな所もとても可愛いわ


「ねぇ朱音ちゃん、友美さんの様子おかしくない?」


「はい、今の友美さんは近寄りたくないタイプであり外にいたら通報されそうな顔です」


「リースちゃん睨む事無くなったのはいい事だけど…」


「ストレス溜まりすぎてリースちゃんの可愛さに癒しを求めてるのでしょうね、もう少しこのままでも良いのでは?」


「でもリースちゃん震えてるし助けないと、もう3時間くらいあのままだよ」


「確かに私達の時間が無くなります、もうリースちゃん成分が足りなくなってきて手が震えてます」


「2人とも何言ってるんだい、琴音はもうそろそろ大学の授業だろ?用意しな」


「はーい」


トゥルルル…


チッ!

誰だよこの電話、折角リース様と楽しい時間を過ごしてたのに


「なんでしょうか?」


『緊急事態だ、至急白仁朱音を連れて対策本部の方にきたまえ詳しくは着いてから説明する』


「了解です、白仁家の皆様も同行してもらいますか?」


『その必要は無い、まぁ白仁家限った話だが』


「わかりました」


リース様と離れなければいけないなんて…


「朱音さん本部へ呼び出されたので向かいましょう」


「あ、はい」


「ほっ……」


ふふ、小さく息吐いて可愛いです

きっと離れるのが悲しいんですよね

私もですよ


「安心して、すぐ帰ってきますからね?」


「ピィ……」


可愛い声…



〜エルフ〜


「では行きましょう」


「友美さん、朱音の事頼みます」


「はい、もちろんです」


「リースちゃん、行ってきますね」


「頑張って……」


とても怖かった……

抱き締められて耳元で可愛い可愛い言われて悪い感情全く感じなかったのに怖かった


「ことねぇ……」


「うぇ!リースちゃんどうしたの?」


「ぎゅってー…」


友美さんに一体なにがあったんだ…


「つかれた…」


「寝る?」


「うん…」


「私これから大学のリモート授業があるんだよね…1人で寝れそう?」


今の精神状態のこの身体じゃ1人は難しいかもなぁ…


「や…」


「少し寝づらいかもだけど私の前に座りながらでもいい?」


「いい…」


「あー、あったかいな…このままで勉強出来るかな?」


私もあったかいよ…

とても安心する


(たーん……)


んゆ?神様の声? 


(リースたーん!後10分だぞー、白仁家のみんなは誤魔化すから移動させるぞー)


え、あと少しで眠れそうだったのに…

でもしょうがないか


(転移!)


「わっ…」


琴音さんに抱かれてたからバランス取れなくて倒れかけた


(大丈夫かリースたん!)


「……」


おかしいな喋れん

あ、琴音さんと離されたからエルフボディ側が黙ってるのかな?


(うっ、無視は悲しいが急に移動させたから何も言えん)


(ドンマイ爺さん)


(そうじゃな、衣装は移動と同時にきさせたから後はそこに落ちてる仮面つければ準備完了じゃ)


落ちてる仮面……

まじか、これ笑顔仮面じゃん!

味方より敵っぽく見えそうなんだけど


(爺さんやっぱりあの仮面辞めないか?)


(何言うとるかっこいいじゃろ)


「どっちでも、いい……」


琴音さんに早く会いたいもんね


(ビルの屋上端っこに座って眺めててくれ)


「ん……」


結界であろうドームみたいなとこにででっかい数字が浮いてる

デジタル時計みたいだ


(爺さん)


(なんじゃ?)


(あの一緒に暮らしてる護衛の人いるじゃんか、あの人良くあるヤンデレっぽくね?理由ちょっと調べたんだけどチョロくねって思ったんだが)


友美さんの事かな?


(いやいや、唯一残された身内とまた話せるようになったんじゃ理由としては十分だと思うぞ)


「?」


(もう時間ないから今度説明するぞ)


気になるけどしょうがないか…


「!」


『怪物達の襲撃が起こると予想されます』


放送の音か、びっくりした


『まだこの地区に居る方は早急に避難してください』


あの時計見る限り後3分くらいか


(いよいよじゃの)


「神様も緊張、する…?」


(そりゃするぞ、計画の第一段階だからの、初恋の女神に初めて告白した時ぐらい緊張してる)


へー、神同士も恋愛ってあるんだな


(爺さんは真面目で結構人気あったけど初恋の子に速攻で振られて、現実はクソじゃ、理想の女の子が居なければ作ればいいじゃない、とか言い始めたもんな)


(その話はやめろ)


今みたいになる前の神様って真面目だったのか…


「そこのコスプレイヤー!早く避難しなさい!」


(カメラの用意は…ん?)


「ん…?」


こっちに拡声器向けてる5人ぐらいの自衛隊の人達が居る


「聞こえてないのか!早くしろ!」


えぇ、まぁ少し考えればこうなるかも仕方ないなって思ったけど

神様どうする?


(なぜ上手くいかないのじゃ、また失敗なのか……)


あぁ、ダメだこれ…

声から悲しみが溢れ出てる


(俺に任せろ、セリフは指示するように話せ)


チャラ男!

凄いよ、今のチャラ男はなんでかわからないけど頼もしく感じるよ


「おーい!早くしろ!」


(今からリースをあいつらの後ろに飛ばす、そしたら……)


わかった、やってみる!

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