第21話 報告です 取引をしようか
〜エルフ〜
「涙がとまらないよぉ…」
「姉さん大丈夫ですか?」
「つらい…」
朱音さんの魔法すごい眩しかったからね
ママさんはギリギリ見なかったみたいだけどパパさんと琴音さんは直視しちゃって涙が止まらなくなってる
「病院を手配しますか?」
「いや、大丈夫です多分時間が経てば治ります…」
「わかりました、治らなかったら教えてください」
辛そうだなぁ、私が朱音さんにいつもの応用で魔力通して魔力を感じやすくしたの原因だろうし治してあげたいな…
回復系の魔法ってすぐに使えるかわからないけどちょっと探してみよ
えっと回復、回復…
「!」
「どうしました?」
「なんでもない……」
回復だけで情報沢山一気に入ってきてびっくりした、咄嗟に要らない!って思ったら消えたから良かったけど消えなかったら気絶するか処理しきれずフワフワ状態になってたかもしれない
神様ワールドの方では本として出てたからわからなかった
1番弱い回復っと
『支援系統 回復類
詠唱は 私は願う貴方を癒す
1番弱い回復魔法で治癒できる怪我は浅い切り傷や軽い風邪のみです、重ねて詠唱する事で治る速度が上がります
練習方法・ひたすら傷を癒す事、コツは傷口や患部を魔力で覆うことを意識して魔法を唱える事です』
これだと治るかわからないけどマシにはなるかな
「これ、いける…」
「何がでしょうか?」
友美さんに話しかけられた、ちょっと探るような視線だけどなんだろう
「なんでも、ない…」
「そうですか、先程朱音さんには何をしたのか教えて頂けませんか?」
あー、あれか確かに今まで使えてなかったのに私が朱音さんの手握って暫くしたら急にできるようになって怪しかったもんね
「大丈夫ですか?」
「ぴっ…大丈夫……」
エルフボディはダメみたいです怖がってます
「おまじ、ない…」
「おまじないですか?」
「うん」
「良ければ私にも掛けてもらえませんか?」
これもしかしてかなり疑われてるっぽい?
「嫌…」
「そこをなんとか」
「む…」
私は疑いが晴れるなら適当にやるぐらい別に良いけどエルフボディは嫌みたいです
琴音さん達は涙で辛そうだから助けも求められないし、友美さんもずっと見つめてきてる…
「わかった、やる…」
「ありがとうございます」
え、あんなに嫌がってたのにやるの?!
というかエルフボディが久しぶりに言う事まったく聞かない
「手、貸す…」
「はい、よろしくお願いします」
「……」
「あの、始まってるんでしょうか?」
「静かに」
エルフボディさん早く魔力流して終わりましょうその方が楽です
『重みを授け阻害する』
「今何か言いました?」
「何も…」
普通に魔法使いますやん
しかもそれ結界系統の本に書いてあった奴で身体に不可視の重りをつける魔法、使用する魔力の量で効果変わるし魔力の使い方もまだ荒いから大変なことならないと思うけど
「終わり…」
「そうですか、ありがとうございます」
友美さんが肩回したりしてるのみてエルフボディ喜んでる
うそ、もしかしてこの身体性格悪い?
「いいなぁ〜、リースちゃん私にもやってほしい!」
「いいよ…」
琴音さんに話しかけられて私が動かせるようになった早速だけど回復の魔法使ってみよ
「リースちゃんの手、綺麗だね」
「…『私は願う貴方を癒す』…よし」
目の当たりに魔力集めて発動!
効くかわからないけど……
〜
太陽が沈み始めた頃
私は定期連絡を行なっている
『なに?魔法を発動できたのか?』
「はい、今日の早朝に私からお願いして何回か試してもらった時には魔法を使うことは勿論魔力を感じることさえできないと言っていました」
『魔法についてわかっている事が少ないとはいえ急に使えるようになるのか、偶然かそれとも他の要因があるのか』
「もしかしたらですが……」
考えられるとしたらあの謎に満ちた少女のおまじないの事を話した
戸籍は存在していない外国人である可能性を調べてたりもしているが有力な情報はなく、それどころかあれだけ可愛くて目立つ見た目であるのに一切情報が無い
『わかった私の方でも調べてみよう、それとおまじないを受けたと言っていたが何か体調に変化はあるか?』
「そうですね、特にこれといったものはないのですが身体が重く少しダルさを強く感じるようになったぐらいでしょうか」
『魔法か…?その少女の名は?』
「白仁家の皆様にはリースと呼ばれています」
『リース…石板には載っていなかったな、しかし海外の石板に載っている可能性はある、そちらも当たってみよ』
ブツ
通話が切れた?
向こうで何かあったのかそれとも
『随分勝手な事をするじゃないか』
私の携帯から聞こえてきた声は子供のように聞こえるが間違いなくボイスチェンジャーを使っているだろう
「何者だ」
『そんなに圧のある声を出して怖いねぇ、その質問の答えだが言えないそれに君が知る必要はないしね』
電話の相手は誰だ、しかしこんな事もできるとなると敵は想像以上に大きかったか…
『そんなに警戒しなくてもいい、私も君を消す事はあまりしたくない私は平和主義者なのだよ』
「私のこと、知ってるのか?」
『勿論だ調べさせてもらったよ、妹さんの病気治るといいな』
「貴様!」
『取引をしようか』
こいつは私の妹を人質にしているってこと私に拒否権はない…
「内容は」
『簡単な事さ、リースを怖がらせるな、探るな、脅すな、害するな、白仁家に関しても同様だ、見返りとして君の妹さんの病気を治してあげよう』
「治せるのか?!」
『勿論だ、どうする?』
妹が治るなら、また会話できるなら
でも
こいつを信用できるのか?
こいつは約束を守るのか?
こいつは……
『答えを聞こう』
「わかった」
『それは取引を受けると言う事だね?』
「あぁ…」
私は取引を受けた…
『取引成立だ、あぁそれと妹さんが治った後暮らす為に白仁家の隣の家をプレゼントしよう』
そう言って通話は切れた
本当によかったのだろうか妹は助かるのだろうか
「もり、くにさん……ご飯…」
「…わかりました、すぐ行きます」
どうやら時間がかなり経ってたらしいあの少女がご飯ができたと呼びにきたようだ
「ねぇ」
「な、に…?」
「助かるの?」
私は何言ってるのだろうこの少女が今の会話の内容を知ってる訳がないのに
きっと私は酷い顔をしている今日ずっと見ていて少女は優しいってわかった、きっと私の言葉の意味がわからなくても私を安心させようとするだろう
でも
「うん、たすける……」
その言葉に何故か安心できた
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