第17話 権力者の娘さん説

『それでリース様、私は何をすればよろしいでしょうか』


「朱音、連れてかれた……」


ちょ、エルフボディ流石にカットしすぎ多分伝わらないよ

もう少しわかりやすく


「警察、連れてかれた……」


『ふむ、3分ほどお待ちください直ぐに調べます』


「うん…かけ直して……」


『承知致しました』


なんか凄い人だな

私が神様の関係者って知ったら急に対応が変わったし、もしかしたら神様に恩でもあるのかな?


あれ、今私って言ったか?

これも身体に慣れ始めた影響なのかもな…


「終わったかい?」


「またくる、少し借りる…」


「良いよ、使い終わったら教えてくれ」


「ありがと……」


「リースちゃん、誰に電話してるの〜?」


琴音さん大丈夫、エルフボディ抱く?


「ぎゅー、して……」


「!わかったよ!ぎゅー」


ふふ、あったかいなぁ

前と違って幸せはいつも通りすごく感じるけど少しずつ考える余裕が出来てきたな


「凄い人、だよ…?」


「電話の相手?」


「そう……」


ブーブー ブーブー


あ、電話鳴り始めた


「このまま、ぎゅーって」


「わかったよ!」


エルフボディさすが、幸せは長く感じてたいもんね


『もしもし』


「うん…」


『まず調べた結果ですが白仁朱音様は石板に名前が書かれていた様で警察を通し国が説明をするために連れて行かれたようです、因みに石板に名前が書かれると魔法としか言えない超常的な能力を得るので身の安全を確保する必要を国が考えています暫くは拘束されたままの可能性が高いです』


「………」


めっちゃ詳しく調べるじゃん

なるほど神様が作った石板ランキングに名前が載ったから連れてかれちゃったのか


『リース様?』


「会いたい……」


エルフボディにとって白仁家の皆んなは優しい人達だったもんな


『かしこまりました、しかし直ぐには無理でしょう国が石板に載っている人々の保護を最重要だと考えていますので私が介入しても直接会えるのは今日の夜になるかと』


あれおかしいな、直ぐには無理って事だったから1週間は会えないと思ってたのに今日の夜には会えるのか?


「夜、会える…?」


『はい、通話なら今すぐ可能ですが繋ぎますか?』


「お願い!」


「わぁ!」


『かしこまりました、繋ぎますのでそのままお待ちください、それと今の声は朱音様の御家族でしょうか?もしよろしければスピーカーにして会話しても大丈夫です』


「うん…」


えっとスピーカーにしてと


「リースちゃんごめんね、声に驚いちゃった」


「大丈夫、喋れるよ…パパさんも来て……」


「どうしたんだい?」


『もしもし』


「「朱音ちゃん?!」」


おー、2人ともびっくりしてるな

それはそうか警察に連れてかれちゃった人と電話が繋がってるんだもんね


「大丈夫か?それになんで電話できてるんだ?」


『私にもよくわからないんですけど話したがってる人が居るから少しの間だけど通話して良いって言われまして…』


「そうなのか、もしかしなくてもリースちゃんのお陰だな」


「リースちゃんありがとうね!」


「ふふ……」


エルフボディ照れてますね



白仁朱音しらにあかね


『じゃあ少しすれば戻れるんだな?』


「そうみたいですお父さん」


急に目の前の人が電話を渡してきたのでびっくりしました


「掃除、洗濯頼んだよ」


『イエッサー!』


「じゃあそろそろ切りますね、リースちゃんもありがとう」


『うん、またね…』


うーん可愛い、抱き締めたい

それにしても警察の人顔色悪いけどどうしたんだろう


「あの、大丈夫ですか?」


「えぇ…大丈夫です」


「しっかりしておくれ、さっきまでの頼り甲斐のある姿はどこにいったんだい?」


「はい、申し訳ありません…」


本当に大丈夫かな

警察って聞いた時の私みたいじゃない?


「そういえばどうして電話させてくれたんですか?」


「あぁ、通常では通話やメールなどは禁止されてるのですが朱音様はとある方から会話をしたいと言われ私の上の者が特別にと……」


「特別だと?」


連絡つけてくれたのってリースちゃんだよね?


「そのとある方ってのは誰なんだい?」


「我々からその方について言えることはありませんが娘の様に思ってる子から説明もなく連れかれて不安だと連絡があったそうです」


〈速報リースちゃん権力者の娘さん説〉

あれ、もしかして危ない?

考えてみればリースちゃんの家に沢山の宝石とか高そうな奴色々あったな……

私が貰った本の栞もしかしてとんでもない高い?!


「そろそろ到着します、施設に入ってから我々ではなく別の者が警護につきます」


「わかりました」


私以外どんな人達が居るんだろう


「朱音、緊張は取れたかい?」


「リースちゃんの電話のおかげで取れましたよ」


「それは良かった、あんた顔色悪くて死地に向かってるみたいだったからね」


「そんなだった?!」


「リースには感謝だね、少し聞きたいこともできたが」


「そうですね」


「お話の途中申し訳ありません、到着しましたので準備お願いします」


準備って言っても何も無いけどね


お腹空いてきちゃったな、朝ご飯食べれなかったし……

言えば何か用意してくれるかなぁ


「あ、委員長だ!委員長も連れてこられてたの?!」


この声…空腹状態で相手したく無い人来た

めんどくさいなぁ……

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