第14話 リースたん謎の英雄化計画

〜神様ワールド〜


「おぉーなかなか派手じゃの」


「うん…」


「リースたん煎餅取っておくれ」


「ごま…?」


「海苔がいいのぉ」


ちょっと目を離したらすんごい生活感満載な空間になってる

コタツに冷蔵庫にエアコンにテレビに扇風機

うん……どの季節?


「ふむ、想像以上に敵が少ないの」


「少ない…?」


「儂の予想ではこの3倍に統率者の1人ぐらいは来ると思ったんじゃよ、いるのはせいぜい部隊長レベルでリースたんの戦闘モードなら1分ほどで壊滅じゃな」


「ふーん……」


エルフボディさん興味なさそうっすね

でも被害が少なく済みそうなのはいいな


「さて少し真面目な話があるぞ、リースたんの可愛いエルフ耳の事じゃ」


慣れすぎてすっかり忘れてたわ

確か神様が人間の耳に見える様にしてくれてるんだよね


「魔法を使える者が増えると耳を隠してる魔法に気づかれる事が増えるから普通の人間じゃない事がバレる」


「強い魔法、かけて…」


「断る!」


なんで?

バレたらめんどくさいじゃん


「どう、して…?」


「リースたんの可愛いポイントであるエルフ耳みんなに見てもらいたいじゃん?」


この神様やばすぎる

生活よりも趣味に走るタイプだ…

きっと3食もやし生活経験者だ


「それでな、流石に多くの者達にバレてリースたんが生活しにくくなってしまったら可哀想だと思うのじゃよ」


そうなったら嫌だなぁ

琴音さん達とも離れることになるだろうしエルフボディが耐えられないだろうなぁ

あ、考えたからか少し震えてる


「そこで儂が考えたのがこれじゃ!これを読んでくれ」


「?」


分厚いなこの本

『リースたん謎の英雄化計画』

あ、なんとなく察した


「今ならなんとこのドレスっぽい戦闘服に顔全体が隠れるカッコいい仮面もついてくる!」


「……」


エルフボディが神様のこと見てる目が少し冷たくなってる気がする


「安心せい、これをやる時は儂が敵の場所まで飛ばすし自動戦闘モードで戦ってもらうから」


「やる必要、ある…?」


この神様ちょっと矛盾してるぞ戦わなくていいんじゃなかったか?


「ち、違うねん…リースたんをもっと沢山の人に見てもらいたいたくなっちゃって、いつもの可愛いだけじゃなくて戦ってカッコいい姿もみたいなって」


「……ん」


うーん……

神様にもなんだかんだお世話になってるし少しだけならやってみようかなぁ


「やる…」


「おお!ありがとう早速始めるぞ、英雄計画始動じゃ!」


「おー」


「よし、飛ばすぞ!準備を……ちょっと待って」


神様が真顔に、一体何があったんだ……


「ふんぬぁぁぁぁぁぁ」


え、急に?!

なんがあったん怒り狂って神様が何かしてくれたのかエルフボディ怖がってないけど、びっくりしちゃうから


「なにが、あった…?」


「これを…」


神様に渡されたタブレットには怪物達相手に無双してる魅了魔法野郎が


「儂の計画を壊したなあの小僧……真面目な奴ならともかく魔法を悪用しおる奴がでしゃばりやがって」


「うわぁ……」


神様ブチギレしてる

しばらく収まりそうにないし計画本読んでみるか


『計画

〈1〉なんかカッコいい感じで人を助ける

〈2〉強敵が出るまで出ない

〈3〉強敵瞬殺

〈4〉みんなハッピー』


え、雑!

こんな分厚い必要ある?

ほとんどかっこいいセリフとか衣装とかしかないんだが


「ちょっと今から帰すぞ」


神様落ち着いたの?

いや震えてるな


「儂は計画を練り直すからの、また夜に」


「ばいばい…」



〜現世〜


「おはよう!」


「おはよぅ…」


目の前に琴音さんの顔があってちょっとびっくりした


「はじめまして琴音と朱音のお父さんだ」


あ、はじめましてパパさん

それとごめんなさいお守り忘れてた、今度作らないと


「パパさん…」


「ウッ!ん…なんだい?」


「お守り、忘れてた……」


「初めて会ったからねしょうがないよ」


「今度、持ってくる…」


「うぅ、ありがとう……」


え、泣く?!

本当にごめんなさい、大人だから色々疲れが溜まってるんだろうね


「いいこ……」


エルフボディ頭撫でるのやめてあげてよ!


「大丈夫……」


「…!」


やめたのは偉いけど抱きつくのもやばいよ!

パパさんもすごい驚いてる

ついに胃を抑えはじめたよパパさんの立場だったら色んな意味で大変だよ!


「残念です、身内から犯罪者が…」


「正当防衛ってどこまで成立すると思う?」


あっちの2人も大変だ

残る希望はママさん


「何言ってんだい朱音、琴音あんたもだよ」


流石ママさん!

エルフボディが顔怖いのにビビらないだけある


「警察呼んだらボコせないだろう」


おぉ、可哀想なぐらい震えちゃって

優しくしてあげるから……



白仁琴音しらにことね


「パパさん、仕事なに……?」


「ゲームを作っているよ」


「どんなゲーム…?」


なんで?

なんであんなにリースちゃんがお父さんに懐いてるの?


「色々作ってるけど最近はスマホゲームに力を入れてるよ、広告が鬱陶しいゲームって有名なんだ」


「有名、すごい…」


凄くないよ?

逆だよ?ウザがられてるんだよ

お父さんもなんでちょっと印象悪くなりそうな方教えてるの、他にすごいゲーム作ってたじゃん


「夜ご飯できたから食べるよ座りな」


「お、今日はハンバーグか!」


お母さんリースちゃんがいるから少しだけ豪華にしてるな?

ポテトサラダとか人参の甘いやつとか作ってるの久しぶりに見たよ


「パパさん…」


「なんだい?」


「横、座っていい…?」


「…いいよ」


……恨むぞ父よ

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