第8話・銀髪美少女……存在していたのか

どうも昨日の夜大変な目にあった者です


見ないように全力で目を瞑って頑張りましたが、その後の事は憶えていませんきっとエルフボディが抱きつかれて感じた幸せとお風呂のなかで身体があったまって頭がフワフワしてしまったせいだろう


「リースちゃんどうしたの?」


「なんでも、ない……」


今も琴音さんの膝の上に座って後ろから抱きしめられエルフボディの判断能力を奪い続けています

なんて恐ろしいんだ……


「そろそろ朱音ちゃん来るからねー、私がバイトの間言う事ちゃんと聞くんだよー」


「うん…」


いや保護者か!


「本当はずっと一緒に居てあげたいのに…あぁリースちゃん、」


ちょっと怖いですよ?大丈夫ですか?


ガチャ


「姉さん来ましたよ」


「朱音ちゃん!ちょっと早くない?」


「学校終わってからすぐ来ました、姉さんはバイト遅刻しますよ?早く行ってください」


「はーい、行ってくるねリースちゃん!」


やっと離してくれた

おい!エルフボディ落ち込みすぎ寂しい気持ちが溢れ出てくるよそんなに心地よかった?

良かったんだろうなぁ


「がんば、って……」


「うん!頑張ってくるよー!」


寂しいなぁ

はっ!危ない身体に引っ張られ過ぎてる


なんでしょうか朱音さん、視線感じると思ったらガン見されてるんですけど


「リースちゃん服を買いに行きましょう」


「?」


洋服欲しいけどこの格好で行くの?

琴音さんの服だからブカブカで外でたら通報される見た目ですけど


「つうほう、される…」


「いえ、安心してください私が昔着ていた服を持って来たのでこれを着て貰います、サイズも色々あるので多分大丈夫です」


「う……わかった…」



白仁朱音しらにあかね


私はリースちゃんと手を繋ぎながらショッピングモールに向かってる、リースちゃんの服装は可もなく不可もなく特徴的な銀髪もフードで隠れちゃってるから余り目立たない


「〜〜〜〜♪」


歌ってるの可愛いな…

お姉ちゃんに送られてきた動画の歌とは違うけどね

この歌も最高!


「リースちゃんは歌が上手いんですね」


「!ありがと……」


今なら何語なのか聞けるかも!


「そういえばあの歌の言語は何語なんですか?」


「む……」


え、迷ってる?

なんでだろ歌ってたんなら分かると思いましたが教えたくないとかですかね、お姉ちゃんが抱いて過ごしてたから大丈夫だと思ってましたが意外と警戒されてるのかもしれません


「わから、ない……」


「そうなんですね」


言いたくなさそうですしこれ以上この話は辞めておきましょう姉さんにも言っておかないと


「もう少しで着きますからね」


「うん…!」


リースちゃん楽しんでくれてればいいですね


「あれ?あそこに居るの委員長じゃない?」


「ホントだ委員長ー!」


あ、面倒な2人に見つかった


「どうも相変わらず仲が良いようで今日は2人ですか?」


「いや、優斗ゆうとと待ち合わせ中そろそろくると思うんだけどね」


「そうですか、」


あいつが来るのか

めんどくさいから早く逃げたい…


「可愛いね!お名前は?」


「あ、うぅ……」


リースちゃんが手を強く握ってきた


「ごめんなさい、この子人見知りだから余りグイグイ突っ込まないで上げて」


「あ、そうだったの?ごめんね」


この2人は察しも良くて良い子なんだけどねあいつが絡むと本当にめんどくさいのよ


「あれ?朱音さんじゃないか」


噂をしたら来た

イケメン王子ってみんな言ってるけどなんか嘘臭いのよねこいつ

まぁ私も最初はカッコいいとか思っていたのだけどね……


「2人ともお待たせ」


「全然待ってないよ!」


「それなら良かったよ、そうだこれからカラオケに行くんだけど朱音さんもどうだい?そっちの子も一緒にね」


「これから行くところあるから遠慮するわ」


「そうか、残念だまた会おうね」


おい!この野郎何リースちゃんの頭撫でてんだ殴るぞ?


「それじゃあね」


「委員長また学校で」


はぁ、疲れた早くリースちゃんの可愛い姿見て癒されよう


「行こっかリースちゃん」


「………」


俯いちゃってるどうしたんだろ


「リースちゃんどうしたの疲れちゃった休憩する?」


「だい…じょうぶ……」


本当に大丈夫かな?


「あれ、きらい…」


「あれって?」


「もわもわ」


「もわもわ?」


リースちゃんどうしたんだろ、


「いこ……」


「気分が悪くなったらすぐ言ってくださいね」


まぁ疲れない程度に行こうか



〜服屋の店員さん〜


変わらぬ毎日本当に面白くない

毎日毎日立ってるだけ!

服屋さんの店員になったらオシャレ好きな友達ができると思ったのに、もっと服の事について聞かれたりとかすると思ったのに!


「はぁぁ」


本当につまんない


「リースちゃんこれとかどうでしょうか?」


「めだつ…」


今も姉妹っぽい人達が服を選んでる

お姉さんの方はクールな感じ風紀委員とかやってそうね

妹さんは正直わからないな声が可愛いって事と少し無口って事かな


というか私に聞いてくれてもいいのよ?


「外出るときは目立たない服でいいので普段家で過ごす時着てほしいですね」


「うーん…」


「まぁ、試着してみましょう」


まぁお姉さんのセンス中々良さげだし私に聞きに来ることもないか


この仕事辞めようかなぁ


「着れましたか?」


「うん…」


お、どれどれこの店員が見てあげよう


「どう、かな…?」


私は自分の目が信じられなかった

だってそこに立っていたのはアニメの世界の住人のような銀髪の美少女だったのだ

本当に存在してたんだ銀髪美少女


「めちゃめちゃ可愛いやんけ!」


「ですよね!」


見てたことがお姉さんにバレてしまった、だがここで引くわけにはいかないここまでの逸材私の選んだ服も是非来てほしい


「そちらのお嬢さんにお勧めがあるのですがどうでしょうか?」


「是非見せてください」


勝った……

この仕事やってて良かったぁ!



〜その後〜


試着室から出ることができず

服の代金はなぜか店員さんが負担し

家に帰ったと同時に朱音さんに着替えさせられ

帰宅した琴音さんにもみくちゃにされ

疲労困憊で眠りに落ちたエルフ娘がいたという

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