第13話 SIDE 月夜2

「やあ、こんにちは。スリクソル君。」


と、お父さんがこの赤髪の無駄にイケメンスリクソルに話しかけた。




「ええ、こんにちは。王様。いや、お義父さん。」




「は、は、は。もうこの子と結婚してくれるのかい。」




「ええ、どうやらツキヨさんは不浄の地で下等民族に心を奪われてしまったようですね。まぁ、この僕がツキヨさんを僕の色に染めてあげて、下界のことなんて忘れさせてあげますよ。」


と言って、この無駄にイケメンスリクソルに肩を抱かれた。




「さあ、ツキヨ。これから僕の部屋においで。下等民族のことを心からすっかりと追い出してあげよう。」




何いってんだこいつ。




「下等民族に嫌なことされなかったかい。君をたぶらかした男はいるかい。まぁ、君みたいな高貴な血の持ち主はそんなことはないと思うが、下等民族に恋なんかしてないだろうね。心配はいらないと思うが君に色目を使った奴がいたら、この僕が盛大に血飛沫を上げる首を君に見せてあげるよ。身体の方は・・・魔物にでもあげよう。」




「ふざけるな。」




「ん、どうかしたのかい。ツキヨ。あぁ。嬉しくて感動してるんだね。そうだその男だけに限定するのも面倒だね。僕の配下に魔物使いがいる。彼らにオークやゴブリンなんかの下等な、動物を殺したり、孕ませることしか考えることができない魔物を下界地球に送り込んでやろう。」




ミシミシッ。


私の拳が音を立て始めた。




「まぁ、待ちなさいスリクソル君。いくらあのような星でも、なくなったら困る。さぁツキヨ。スリクソル君の部屋に言ったらどうだい。」




この糞野郎どもスリクソル・父が。


パチパチッ。


また私の拳の周りに紅い閃光が飛び散った。




「そうですね、お義父さん。さぁ、ツキヨ。僕とともに幸せな新婚生活を送ろう。あんな下・等・な・世・界・のことは忘れて。」




もう、我慢の限界だった。


「ふざけるな、この野郎!」


バキィッ。




「「「「「「「スリクソル様!。」」」」」」」




「えっ。」




こいつは頬を押さえて驚いたかのような顔でこちらを見ている。


おとうさんは頭を抱えてる。




「なにが、マイハニーだ。なにが、結婚だ。なにが、僕の色に染めてあげるだ。なにが、下等な世界で下等種族だ。


私はねぇ、あんたみたいな自分が最高の生き物で、自分にできないことはなにもない、全ては自分の思いどうりだっ、ていう奴が大っきらいなのよ。だいたい、私はあんたと結婚する気はない!私が好きなのは虹輝だけよっ。」




「「「「「「・・・・・プッ」」」」」」」




「こ、こうき〜。だれだそいつ。」




私は胸をそらして答えた。


「あんたのいう、下等民族の、私の初恋の相手で、私の最愛の人よっ。付け加えると、あんたの10000倍以上にいい男よ。」




「ちょっと、初恋の相手はお父さんじゃないのかい。」




何いってんだこの人は。


「そんなわけ無いでしょ。気持ち悪。」


私は嫌悪感丸出しでいった。




お父さんは周りを見た。


コクコクコク✕衛兵さんとメイドさん


ガックリと腰から崩れた。




スリクソルは顔を真っ赤にしていた。


「ふ、ふざけるな。この僕が、下等生物に負けるというのか。こうなったら、君を無理矢理にでも、僕のものにしてやるっ。」


そう言いながら、襲いかかってきた。でも遅い。




「恨み100倍返しにしてくれる!」


バキィ。




「ぐへぇ。」




「この、」


ボキッ




「ギャッ」




「変態」


バキッ




「ぎょおぇ」




「赤髪野郎!」


ドンッ


私は足を標的の上に固定した。


すると、本体の標的は青ざめながら懇願してきた。


「そ、そこはやめてくれないか。頼むから。」




「うふっ。さ・よ・な・ら。」


ドンッ。グリグリ。


「¥@:;%%#$#%#$%%#$%$#¥p:っp:p#$&’%”#%$$#”#$。」


すると、こいつは変な奇声を上げて失神した。まぁ、男性の弱点を踏みつけたうえグリグリとしたのだから当然かも知れないが。




「「「「「「・・・・・・・・・・ブルッ」」」」」」


男性の衛兵さんは、股間を押さえながら恐怖の視線で見てきた。


「「「「「「・・・・・・・」」」」」」


女性のメイドの人たちは無言だったが、中にはキラキラとした目の人もいる。




あ、お父さんがアチャーという感じで見ている。




「はぁー。衛兵、娘を拘束して、地下牢に入れろ。いくらなんでもやりすぎだ。それから、月夜。」




「あ”。」




ブルッ


「お前は10日の拘束だ。衛兵連れてけ。」




「・・・はっ!そ、それでは失礼します。」




「ん、ああ、はい。」


と私は両腕を突き出した。




「え。」




「いや、流石にやりすぎたと思っているし。まぁ、絶対に謝んないけど。」




「そ、そうですか。」


そうして私は拘束されたうえ、地下牢というところに連れて行かれた。


















〜〜〜その後のスリクソル〜〜〜








その後、スリクソルは女性は誰も近づきたくなかったため、衛兵が持ってきた荷台に詰め込まれ、医務室に向かった。そこで、踏みつけられたところの治療を受けたが、肉体的には障害が残らなかったが、精神的にはかなり残り、女性に近づけなくなり、高貴な血筋の両親を持つ子がいないため、王族から外された。ちなみに、スリクソルはたくさんの女を無理やり手籠めにしていて、その養育費や治療費{中には暴力を振るわれた人もいたので}を払うために、自己破産となり未来永劫、鉱山奴隷として働かされることとなった。


























































〜〜〜〜〜3日後〜〜〜〜〜








地下牢にいる私のもとにお父さんがやってきた。


「なにかよう?」




するとお父さんは、呆れた顔でこちらを見た。


「相手に治癒魔法を使っても全治1週間になる傷を負わせたうえ、地下牢で過ごしていたうえで、第一声がなにかようって、実の娘ながら呆れるよ。」




「それで?」




「はぁ、今回の件はスリクソル自身に落ち度があるということで、かたが着いた。」




「そう。」




「おい、見張り。少し席を外してくれ。安心しろ。鍵を開けたりしない。親子の会話だ。」




「はっ。只今を持って、シャン=ウルストス。休憩に入ります。」


そう言って、シャンさんは去っていった。




「ふう。これから話すことは独り言だ。お前も使っている拳の周りに赤い閃光を生み出し、攻撃力を上げる方法。それは、雷血闘といってな、今虹輝くんがいる世界でも使われている闘技なんだ。磨けば、応用能力が凄まじいらしい。これは、雷血闘の基礎から応用の初歩までを記した手帳だ。月夜にやる。その、何だ悪かったな。」




「お父さん。・・・ありがたいけど巻末のお父さんからの私への愛の歌はいらないかな。」


字がきれいなのがとどめだ。




「そ、それが一番苦労したんだぞ。まぁいい。いやよくないけど。ここからが独り言だ。王家にしか伝わってない、池があってな。そこに入りながら行きたいところを念じると、100年に一回だけ行けるらしい。ただ、そんなとこ誰も知らないから前に使ってから120年前に使われてから誰も行っていない。今がチャンスだろうな。ただそこには10人ほどの御庭番らしきものがいてなまあ、普通のやつじゃ勝てん。まぁ、雷血闘の基礎を掴んだら、勝てるだろうな。そういえばどこかの手帳に、池の場所と見張り時間の時刻表があったな。たしか手帳の裏の硬いところが割けるようになっていて、そこにあるんだっけな。まぁ、どの手帳か俺も知らんが。」




もしかして、お父さん。




「そういえば月夜にも随分世話になったな。幸せになれよ。」




「お父さん、ありがとう。私達の結婚式には来てね。」




「何いってんだ、お前は政略結婚するんだよ。結婚式なんかするか。次の見合いは20日後だ。急かもしれんが、それまでにできることはしとけよ。」




「・・・ありがとう。お父さん。」


きっと、この人は、私の幸せと、王様という立場で板挟みになっているんだ。




「おーい、衛兵。お話は終わったぞ。やっぱりお前も、女は胸がでかいほうがいいか。それとも尻か。」




「いえ、自分は、スタイルが均等に・・・。」




うん、きっとそうだ。きっと。


私は自分の言葉が信用なくなってきた。
































〜〜〜10日後〜〜〜






「はぁ、はぁ、はぁ。」


あと少し、お父さんがくれた手帳に書いてあったとおりだ。




ヒュッ。




「ッ!」




カン、カン、カン




「ふむ、これを避けますか。どのようにして、この場所を知ったのかは、不明ですが、ここで亡きものとしましょう。キュウビ、いきますよ。」




「承知、アマノ殿。」




そうして2人で襲いかかってきた。




「クッ!」


私が今持っている戦いの技術は、お義父さんと虹輝に教えてもらった護身での剣の振るい方と雷血闘だけだ。それ以外は、か弱い少女だ。”絶対違う”と私の中の虹輝が行っているけど無視よ。




「ちょこまかと逃げる女だ。おい、キュウビこの女捕まえて、我らの奴隷にしよう。」




「承知、援軍を呼んで、拘束させよう。ピューーーーー。」




嘘でしょ、これ以上増えたら、どうしようもなくなる。


ドンッ


「キャッ!」


私は背中から木にぶつかった。痛い、けど立てないほどじゃない。けど…。




スタッ。スタッ。スタッ。スタッ。スタッ。スタッ。スタッ。スタッ。




「「「「「「「「「「御庭番集合」」」」」」」」」」




うん、日本から誰か流通させたでしょ。




「さあ、小娘。大人しく投降しろ。そうすれば今は痛い思いをさせずにしてやる。」




気づけば私の前に、新たに8人加わって10人になった奴らがいる。


奴隷になったらなにをさせられるか。




「アマノ、奴隷になにをさせる気だ。」




なんか、お庭番の人のうち1人がそんなことをキュウビという人に聞いている。あれ声の感じからして女の人かな?




「キヨオニか、しれたこと。お前とシヅルと、ツチグモは参加しないが我ら男の催しに協力してもらうのだ。」




ヤダ、なんで最近こういうのばっかなの。




「ふん、下衆が。そういうことなら、私達女は帰らせてもらう。いくぞ、シヅル。ツチグモ。」




「「承知」」




カッ。




「待て。この地に入ったものは我らを除いて全員倒す。それが掟。掟を破るつもりか。」




「破るつもりは毛頭ないが・・・破ると同じかもしれんな。だが、貴様ら下衆の女に対する態度にいい加減呆れた。今回においては掟を破らせてもらおう。」

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