第7話 地球では 2

「おい、月夜。起きろ。」




「んーこーきーむにゃむにゃ。いーしょになろー。むにゃむにゃ。」




「はぁー。なんでよりによって監視対象を好きになるかねぇ。お・き・ろ!!!」




ボカッ!


「痛い!もおーお父さん。殴って起こすのやめてって言ってる・・・あーーーーーーーーーーーーそうだ虹輝がどっか行っちゃうんだ。お父さん何で言ってくれなかったの!!!」




「言ったらお前うるさいだろ。」




「そりゃうるさくなるでしょうが!!大事な幼馴染がいなくなるんだから!」


「ふーん。幼馴染ねぇ。」




「な・なによ」




「お前にとってはただの幼馴染じゃないだろう。」




「は・はぁ。なにいってんのよ。っていうか光輝どこに行ったのよ。」




「そんなこと聞いてどうすんだ。」




「決まってんでしょうが!そこに行くのよ!」




「ただの幼馴染のためにそこまでするかねぇ?まぁ俺が言えることは知る必要はないってことと俺たちもこの街から去るってことだ。」




・・・?どういうことだろう。私達がこの街から出るって?うちのお父さんも虹輝のお義父さんと同じで出張や単身赴任なんかと無関係な仕事だし。それに私が虹輝の居場所を知る必要がないって?そんなわけ無いでしょう!今回のことで反省した。だから会いに行って、押し倒して既成事実を作るんだ。私と虹輝の赤ちゃん。ふへへへへ。




「おい、何蕩けきった顔をしてんだ。はぁ。”コウモリども荷物をモッテコイ”」




「何お父さんいってんの?コウモリ?ってキャーー!!おとーさん!コウモリ!なんかでっかいのが来た!」




そう体長?翼を全部広げたら2m級のコウモリが大群になって私達に襲いかかってきた。……荷物を抱えて。




「おとーさん!なにコレ!ってか痛い!掴まないでよ!チョ何で持ち上げてんの!私軽いけど、あんたらに持ち上げられたくはないわ!離せ!離せ!」




「はぁ〜。少し落ち着け。跳ぶぞ。」




その瞬間、私の目の前から慣れ親しんだ家が消え、代わりに黒っぽい椅子とデカい広間があった。


「ふぇ?」




「良し、無事ついたな!」




いまこいつなんて言った?


「説明しろ!」


ドコン!




「ギャ!お、落ち着け月夜。説明、説明するから。」




「本当だろうなー!虹輝がいなくなったこと。あのコウモリどものこと。そしてこの場所のこと。ちゃんと説明するんでしょうね!」


私はかなりブチギレて、この男の襟首を掴んで言った。




「あ、あぁ。だからまず離してくれないか。」




ブチッ!


「甘ったれたこと言ってんじゃないわよ!」


ドコン!




「「「「「「……………………………」」」」」」




この広間にいつの間にかいる衛兵っぽい人たちが何故かこっちを凝視していた。




「な・に・か?」




「「「「「「「「ブンブンブン!」」」」」」」」




さっきよりも多くの衛兵さんが、首を振った。ところでここどこなんだろう?

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