第5話 レベル上げ 2

「ワン・モア・プリーズ?」




『魔物が集団的に進化します。もう、影響は出ているかと。』




俺は、つい倒してしまったリザードンソードマンを思い出した。おそらくあれも、進化したばかりだったのだろう。だから、ボーナスなんてついたのかもしれないな。




『私が話せるのも、あと僅かです。あと、2週間は私は動けません。おそらく復讐神のさしがねでしょう。』




「クッソ。あいつは俺になんの復讐をしたいんだ。」




『正直言って、分かりかねます。私は、あの神によって生み出されましたが、何もかも身につけたのは、虹輝様の元。例えるならば産みの母と育ての母の違いでしょうか。両方とも男なので、父ですかね?』




「いや、育ての父はあっても産みの父はないだろう。というか今回はとぎれとぎれにならないんだな。」




『聞き取りにくいと思いますので、滞在時間の代わりに力を注いでいます。』




「んな!あとどのくらいになっているんだ。」




『ちょうどお伝えしようとしていたところです。あと5分程度です。重要事項を伝えます。レベル10になり空間倉庫が使えるようになったら、魔物の死骸を入れておいてください。魔力はレベルアップ時か、休んだ際に回復します。体力も同様です。あと、この草原はレベルが10になったら、結界が消え、街への道が現れるようになっています』 




「という事はだ、結界が消えない限り俺は出れないってことか?」




『はい。なので頑張ってください。それと、この草原にはレベル30ほどの魔物もいます。ゴブリンなどはレベル10から15です。なので死なないように、倒してください。それではお気をつけて…‥‥。』




「!サラス。切れたか。それよりあと3レベルもあるのか。」




ここで俺が取れる選択肢は3つある。1つ目は、地道に稼いでいくこと。2つ目は、強い魔物を倒すこと。3つ目は、諦めること。だが、一番ありえないのが3つ目で、復讐神を殴らなきゃ気がすまないからだ。となると1か2になるが。……………よし、2にしよう。進化して強くなっていくんなら、今のうちに脱出したほうが得策だ。確かサラスは最初の頃、北の方にドラゴンがいると言っていたな。だとしたら、北に直進するより、北東か南東に行ったほうがいいだろうな。空を見上げると太陽らしきものが2つあった。これじゃぁ、方角もわからんな。うーーーーーーーーーーーーーん。そうだ、確か草の生え方で、方角がわかるはず。俺は右の方を見て次に左、前、後ろと見たときにふと、左のほうが草の背丈が短い気がした。


「背丈が低い=日が当たりにくい=北だ!なら、よし左斜め上の方向の進もう。」


俺は自分があっていると思いたいために、声に出していることに気づかなかった。そして、異世界では地球の常識は通じないことにも気づかなかった。






















































































「天水流 伍の技 雨垂れ!」


『ギャフ!』


『経験値が入ります。対象ゴブリンロード。経験知、300。称号の影響により、5倍されます。経験知1500。』


水沢虹輝:人間




レベル9




力56




魔力72




魔力量80




速度58




耐久値42




スキル:任意スキル




   0




パッシブスキル




不死、自殺無効、体温調節




次のレベルまでの経験値1500






よしあとこいつが一体で、レベル10か、長かったな〜。というか、夜通し倒してこれだけしか上がらないって、やっぱあいつはぶん殴る。俺が新たな決意を決めた頃、そこから数10キロも離れていない場所で、一つの魔物が、高位の存在によって起こされそうになっていた。






『目覚めなさい。目覚めよワイバーンよ。お前の縄張りに入った人間を骨の髄まで食べ尽くすのだ。』


『Gyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa』


ワイバーンは洗脳により、濁った目を開いた。彼の脳内にあるのは対象を殺すことだけだった。

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