第4話 レベル上げ 1

―「出来たか。どこにあるんだ?」




『はい、今から、15秒後に、虹輝様の前に現れます。………今です。』




ガシャン!!!




「おお、結構大きな音が出るんだな。へぇ、意外とちゃんとした作りじゃん。」




木剣は、簡素な作りだが、滑らかで、重みもあり、しっかりとしている。木槍は、およそ、1m程度だが、鋭く尖っている。そして、俺の注文したものも、鞘までついている。


「凄いな!ここまで作れたのか!」


『………は…い、…材料を……全て使……い切りま……した。』




「どうした、跡切れ跡切れだぞ。」




『…………すみま…せん…。私の力をす…べて使い……切っ…たので、……しばらく…活……動できそうにありませ…ん。』




「な!そんなに力を使うのか!すまない。俺が無茶なことを言わなければ。」




『いいえ、虹輝様が充…分に活動を…行えるよう……にするのが、私の役目……ですか…ら。生きてい……ることを、お祈り…し…ます。』




「サラス!!サラス!」


クソっ!俺は手に持った武器を見た。そして、結界の外側を見ると、醜い生物がいる。


「はぁ〜。やるしかないか。サラス、信じているぞ。」


そして俺は、結界の外に出た。


外は軽く風が吹いていて、心地よかったが、それどころではなかった。なぜなら、さっきの醜い魔物……ゴブリンっぽいのがこっちに向かってきているからである。




[ギャァァァァア]




行くか。


「天水流、」


使うのはいつも練習していた技。


「壱の型。居合い切り。」


振ったのは、ただの木剣だが、相手の首は、半ば程断たれていて、傍目から見ても絶命していた。


「おぇ!おぇ!はぁはぁはぁ。」


辛い!想像してたよりも生き物の命をこの手で奪うことが辛い。




『経験値が入ります。対象ゴブリンアーチャー。経験知、30。称号の影響により、5倍されます。経験知150。レベルが上がります。レベル4に上がりました。』




ん、とたんに気持ち悪さがなくなった。これがレベルアップの恩恵か。




『ステータス画面を表示しますか?


YES or NO』


なんだ、この声、すてーたす画面?まぁ、YES。


水沢虹輝:人間


レベル4


力26


魔力38


魔力量59


速度45


耐久値23


スキル:任意スキル


   0


パッシブスキル


不死、自殺無効、体温調節


次のレベルまでの経験値160








なるほどねぇ。ようするに、とりあえずスキルを増やすためにレベルを10にするか。


ガサッ。ガシャン。




[[シャァァァァァァァ!]]




今度は二匹か。行けるか?……おっと、こいつら連携してきたぞ。おまけに爪が尖っていて、あぶ…ねぇ!


今!


「天水流、六の型、五芒星。」


5つの斬撃によって、2体の魔物は、倒れた。


フーーー。今のは危なかったー。こいつら、堅いし。速いし。


『経験値が入ります。リザードマンを倒しました。20✕2の40。5倍して、200です。レベル5になりました。』


よし、あと何匹だろう?


斬。うわぁ!いきなりびっくりしたぁ。そうか、ここは気の休んでいい場所ではないな。っていうか、こいつ硬っ。木剣折れたんだけど。




『特定ボーナス。リザードマンソードマンを一体倒しました。経験値が入ります。30+ボーナス20。5倍して500入ります。レベルが6になりました。』




「え、リザードマンソード?そんなのいたっけ?まあ、いいか。あと4レベル。」




ガサッ。ガサッ。ボキッ。


『『『『シャァァァァァァァァァァァァ』』』』


ひぃ、ふぅ、みぃ、・・・・・・。一番最初に、倒したやつ16匹か。武器は折れた木剣に、慣れてない木槍。‥‥‥死ぬかな。いや待てよ。”あれ”なら。


『『『『『『『『『『『『シャァァァァァァァァァァァァァァァァ』』』』』』』』』』』


「やる気十分みたいだな。いくぞ。」


「天水流 四の技 天地人走り・急流」


俺が使ったのは、四の技 天地人走り・急流。派生技で、通常より荒々しく複数の相手を一息に切る技だ。おまけに使ったのは、よく使う、”刀”(木)。




『経験値が入ります。ゴブリン16体。リザードマン2体。10✕16+20✕2。5倍して、1000入ります。レベルが7になりました。』




はぁ〜。なかなか上がらないな。っていうか、5倍しても上がりにくいなんて、どんだけ大変なんだ、レベル上げ。


「ステータスオープン」


お、やっぱり出た。大抵これだよな。


水沢虹輝:人間


レベル7


力38


魔力46


魔力量65


速度57


耐久値36


スキル:任意スキル


   0


パッシブスキル


不死、自殺無効、体温調節


次のレベルまでの経験値700










まだレベル7か~。もうすぐ日も暮れるし、流石に危ないよな。修行で4日寝なかったことはあるが、この世界で生き残れる自信がない。




『…………虹輝様、……お伝えしたいことがあります。』




「!サラス!大丈夫なのか!」




『エネルギー補給にかなり時間がかかっています。至急伝えたいことが2つあります。1つ目は、魔物は夜になると、活発になり、全てが5%上昇します。2つ目は、ここの魔物が、集団で進化しようとしています。』

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