第3話 俳優仲間が亡くなる
俺は橋部よるとの最後のLINEを見ていた。橋部よるとの最後のLINEは『栗太くん、またね』だった。もうまたねなんて時間はこないのに、またねを待っている自分がいておかしくなる。
もう明るくて、いつもワンコみたいに近寄ってきた橋部よるにはもう会えないなんて誰にも想像ができなかった。
橋部よるが亡くなった後、ニュースでは父に向けて、親交の深かったシンガーソングライターのつぐみさんに向けて、俳優の栗太さんに向けての遺書が見つかったと報道されていた。
そして、その遺書は警察から俺の事務所へそして俺へ届けられた。
つぐみさんはその遺書を開けられなかったそうだ。気持ちが落ち着いたら開けると言っていた。そして、俺は開けるのを躊躇ったが開けた。そこには俺へのありがとうと願いが書かれていた。
『栗太くんへ、橋部よるです。栗太くんには助けられたことがいっぱいある。この世界では、栗太の方が先輩だったし、僕みたいな後輩にいつも接してくれてありがとー。僕の願いはただ1つ栗太くんが変わらず変わらない栗太くんでいて欲しい。もっと栗太くんの歌聞きたかったな。演技やダンスが上手くないとか関係ないよ。必要なのは楽しむ勇気だから。栗太くん、またね』
俺はこんな手紙破り捨てたかった。
こんな泣くような内容書くなよ、死ぬなよ。
身勝手な行動して人を狂わせるなよ。
生きてて欲しかった、もっと一緒に居たかった。
またねなんてしたくない。
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