第62話 仕事Ⅱ

 久留由兵衛 さまのご協力により、本編が書けるようになりました!!

 ありがとうございます!!

 皆様もぜひお読みください。

https://kakuyomu.jp/works/16817330649674999091


 リバースレイド*レイシアもいい感じの場面になってきましたが、多分Ⅺの投稿は、だいぶ先になると思います。

 久しぶりの本編!お楽しみください!!




 紙永久製造機を創って知った僕は、執事長おじいちゃんに専売特許を取ってもらい、ジオラス商会で売り出すように頼んだ。

「ふぉっふぉっふぉ、かしこまりましたぞ!わしにお任せくだされ!」

 執事長、てっきり物語退場だと思ってたよ。最近出番ないし。

 ”メタ発言はお控えください”

 …………………何で?

 ”なんです?その間、怖いんですけど。だから、メタ発言なんですって、それ…”

 知ったことかよ!


「ピーノ殿がお家で待っておりますぞ。お急ぎください!」

「うん!行ってくるね!」

 僕は家に走って向かった。


「やっときましたか。溜まってるんですから、ほら!」

 僕の前には、乱暴に山積みされた薄い木の板、数百枚。

「ジオラス商会を通して特許を取りたい、だとか、住民からの要望が多いんですから!」

「うん、嬉しい限りだね!」

「そうですね!じゃあ、ちゃっちゃとやっちゃってください!アニキ!」

「オオゥ!」


 まず一枚目。

 ふむふむ、貴族の来訪について…か。王様みたいな感じにやればいいのかな?

 ジャスパー子爵…?残念ながら存じませんなぁ。

 どうやら、我が父上のセルトファディア領の西に位置する弱小貴族。

 爵位は上だけど、多分僕のほうが知名度が高そうだ。ふっふーん。

「ねぇ、ピーノ。この人ってどんな人?」


「そうですね…。彼は、非常に肥満クソデブで、チー牛のだいぶ下位互換の顔面、髭と髪が煩わしく、何かと野次を飛ばす方であったと記憶しています」

 ボロクソに言うじゃん。まぁ、なんとなく予想してたけど…。

「うーん、その人が来るってこと…?」

「そうなりますね。嫌な事されたら、王国貴族法に則って、処刑もできますから、安心してお仕事してください!」

 王国貴族法…あーあれか。


 リシエル王国の全貴族が守らねばならない、貴族としての教示・態度を示したもの。解釈しだいで、他の貴族を処刑したりもできる、優れた法律だ。

「解釈違いだと言われれば、否定できませんがね」

 ピーノが苦笑すると、大会も懐かしいですね、と付け足す。

 四歳の時にやった、憲法・法律・条令全記憶大会かー。

 領地伝統の早押し記憶大会。周りのいい歳の頭が良さそうな小父様や小母様の中で超絶年端のいかぬ僕が無双した大会。

 楽しかったなぁ。おじちゃん・おばちゃん・親父・お袋・クソ姉の驚く顔がまぁ面白かったものだ。


「もちろん、覚えていますね?」

「うん!序文から最終章まで完璧に覚えてるよー」

 よし、ア●クサ、機会があったら頼んだ!!

「ふふふ、じゃあ、受理のハンコを押してください。ジャスパー子爵のほうに送り返しますので」

「よし、これでいいかな?」


 木製の、しっかりしたハンコを朱肉につけて、紙に押す。

 剥がすと綺麗に、筆記体の名前が現れた。

「誰が作ったの、これ。クオリティがすごいね!」

「それはジオラスのハンコ屋店主、リジ・チョウさんが作ったものですよ」

 理事長さん…。シャ・チョウさんもいるのかな?

「シャ・チョウさんやカイ・チョウさんも居たりしない?」

「よくご存じで!リジ・チョウさんの息子さんですよ。奥様はコウ・チョウさんです」

 

 この世界の名付け方が少しわかった気がした。

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