第40話 驚愕 1‐1

 二十日経つと、街道が完成し、二度目の収穫が終わった。

 僕は、空気(主に二酸化炭素や窒素)を材料に、変換魔術を組み込んだ、モンスター製造機を開発してみたんだよね。

 それがうまくいって、各階層にモンスターごとに並べておいて、もうすぐ起動することになっている。


 第百階層まで作り、五階層ごとに、エリアボスを配置した。

 各階層の階段付近に、外の医療所とつながるワープポータルを設置し、死者が少なくなるように工夫した。

 僕が編み出したモンスターは、下級、上級に分かれている。

 

 定番のゴブリン、オーク、スライムなどは、どのフロアにも配置し、階層が深まるにつれて、強くなることにした。

 各階層には、階層限定モンスターを配置した。ネタ切れ起こしちゃって、からかさお化けとかもいるんだよね。こっちの人たち、知ってるのかな…?


 あと、各階層に三つずつ、安全休憩スペースを作った。

 テントを張ったりして、ゆっくり野営もできる。絶対敵が入ってこないように僕がプログラムしたからね。

 

 入口付近には、武器屋や商店が入れるように、店をそのうちいくつか配置するとして…。

 あとは、急に出現したように見せかけるのだ!


 とりあえず、エモン崖から、ネンガ村に全速力で走っていく。

「大変だー!だ、ダンジョンがエモン崖にあるよぅ!」

「え!?」

「ダンジョン!?何で!?」


 ちなみに、街道開発部隊は、給料もかねて口止めしてある。

「おっきな穴開いてた!連絡しに行ったほうがいい?」

 いざ、ハイデルへ!

「じゃあ、ぼ、僕とえーっと、街道開発部隊は、馬車に乗って!行くよ!」


「いってっらっしゃーい!お気をつけてー!」

 何も知らないピーノは、心配して手をたくさん振ってくれた。

 僕もちゃんと振り返すと、猛スピードに馬車をを加速させた。


「はぁ、みんなはどうやら騙せたようだね」

「本当にびっくりした…。ダンジョンつくるとか、カイムいかれてるよ…」

「アオイさん…ひふぉい(ひど)です!」

 僕はアオイさんにほっぺをつねられながら、笑って答えた。

「ふぁ、ふぉうつくふぉ(あ、もうすぐ着きますよ)?」

「何て言った?」

「ふぁおいふぁんふぁてふぉふぁな(アオイさんが離)してくれないと、ってぷはっ」


「もう着きますよ?」

 猛スピードなら一分で着く。

「えぇ…」

「減速します!」


 馬車乗り場に止めた僕たちは、すぐに女の人のもとへ向かった。

 ダンジョンを発見したことを話すと。

「え、あ、すぐに魔導士ギルドと冒険者ギルドに連絡しますね!?あ、商会ギルドと、あと、あと、ああぁ、領主様にも…、ちょ、ちょっと待ってくださいね!?」


 女の人は、本部の中に入っていった。

 数分待つと、女の人が帰ってきて、落ち着いた素振りで話し始めた。

「明日、視察隊が向かうそうです。えーっと、ネンガ村ですよね?」

「はい、ネンガ村のエモン崖です。お願いします!」

「はい、了解しました!ご報告ありがとうございます」

 

 僕たちは、馬車に戻ると、安心したのか、一斉に息を吐いた。

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