#85 深まる絆と初代元カノの叫び
ここまで色々失敗もあったが、俺もアリサ先輩も少しづつだが確実に進歩していた。
アリサ先輩は、おちんちんへの恐怖心を克服し、俺とのエッチプレイを楽しめる様になり、イヴの時のガチガチに緊張していた時に比べれば、間違いなく進歩している。
未経験で初心だったアリサ先輩だって、以前からエッチなことには興味あった様だし、年上としてのプライドだってあっただろう。 少し慣れてしまえば、後はいつもの様に自主性を発揮してフリーダムに楽しんでいる様だった。
そして俺の方もこれまでは、彼女作ってイチャイチャしてれば自然とそういう流れになって、童貞なんて直ぐに捨てられると思い込んでいたが、それは大きな間違いだと気が付くことが出来た。
女性の体が如何にデリケートであるかを知り、セックスはお互いの努力と協力の上で成り立つ行為であることに気付いた。
何よりも、今の俺たちは初めてのセックスを成就させる為に、心を1つにして一丸となっている。 失敗を重ねる度にお互いを思いやり、共通の目標に向かって励まし合い、そしてより絆が深まった。
と、少し大げさだが、そんなことを考えてしまうほどこの数日が刺激的な体験の連続で、セックスと言う物がそれだけ恋人にとって重要なコミュニケーションなんだと考えるまでに至っていた。
◇
お風呂場でのヌルヌル大惨事の翌日。
この日は朝からアンナちゃんがウチに来ていた。
前々から冬休みの宿題を教えて欲しいと頼まれ約束していて、アリサ先輩とアズサさんも来ることになっている。
因みにアフロは、冬休みの間は就職先であるアウトドア用品のショップでバイトをしているそうだ。
アンナちゃんは俺の部屋に入ると上着を脱いで、俺と挨拶を交わしながらそそくさとスカートも脱いで、パンツ丸出しなのを俺が見ているのも気にせずにピンクのロンパースに着替えた。
俺とアリサ先輩が付き合い始めて以降ずっとこんな感じで、最初の頃、いきなり目の前でパンツ姿になった時には「パンツ見せて俺を誘惑してるのか!?俺とアリサ先輩のこと後押ししてくれてたのに何考えてるんだよ!」と注意したのだが、「幼馴染なんだし別にいいでしょ?それにマゴイチくん、アリサ以外に手を出したりしないだろーし、この部屋のが暖かいからココでちゃちゃっと着替えてるだけだし」とお尻を俺に向けてプリプリと見せつけながら着替えてて、俺も変に意識すると却って下心があると勘違いされると思い、気にしないようにしてたらいつの間にか普通に慣れてて、まだ童貞なのにアンナちゃんのパンツ見ても欲情しなくなっていた。 慣れって恐ろしいな。
因みに、アリサ先輩がいる時でも同じことして、アリサ先輩も最初は怒ったが、アンナちゃんに同じように言われたら「それもそうね」と何故か納得してしまい、気付けばアリサ先輩も普通に俺の前で着替えたりするようになっていた。
アリサ先輩の場合は、夏休みの頃から俺の部屋では下着同然の姿で過ごすことが多かったけど、流石にあの頃は俺の目の前で着替えたりすることは無かったので、アリサ先輩も恋人になってから更に俺に対する遠慮が無くなった様に思う。
アリサ先輩とアズサさんはまだ来ていなかったが、コタツに入って二人で勉強を始めると、しばらくしてアンナちゃんが宿題の問題集をやりながら前置きも無く質問してきた。
「それで、アリサとはやったの?」
「いきなりだね。しかも言い方」
「別に遠慮する仲じゃないしイイじゃん。 で、やったの?」
「やったと言うかやってないと言うか、チャレンジはしてるんだけど上手くいかなかったりアクシデント起きたりで、まだ成功してない。性交だけに」
「そうなんだ。 やっぱ初めてって痛いって言うもんね。猛獣アリサでも初めての痛みには耐えられなかったんだね」
「そうみたい。 あの無敵のアリサ先輩が涙流して痛がってた」
「マジ?アリサって泣くの?人前じゃ絶対泣かないかと思ってた」
「うん。学校とかだと泣いたり弱み見せたりとか絶対にしないけど、俺の前だとよく泣くよ。 クリスマスの日も雪のせいでプロレスの観戦行けなくて、悔し涙流してた」
「そうなんだ。マゴイチくんにだけは甘えられるからだろうね」
「そうなのかな。そうだったら良いんだけど」
「そうだよ。 でも、あのアリサが泣く程痛いんだ・・・」
「アンナちゃんも初めてのエッチはやっぱ怖い?」
「うーん。わかんない。 当分彼氏作る気無いし、ずっと先のことだと思うと自分が男の人とエッチしてるイメージが湧かないし」
「え?じゃあオナニーする時はどんなこと考えてするの?」
俺が遠慮せずに質問すると、アンナちゃんはコタツの中で俺の脚を思い切り蹴飛ばし、無言で睨んできた。
「痛てーな! さっき自分で遠慮する仲じゃないって言ってたじゃん!だから遠慮せずに素朴な質問しただけだし!」
「全然素朴な質問じゃないし!デリカシー無さすぎ!オナニーのしすぎでドーテーのまま死ね!」
「まぁオナネタの質問されて怒るってことは、アンナちゃんもオナニーしてるのを認めてるような物なんだけどね。オナニーしてない初心な女子なら、こんな質問されてももっとドライな反応するだろうし」
「はぁ!?アンナ、オナニーなんかしたことねーし!」
「まぁまぁ良いから良いから。みんなしてるし別に恥ずかしいことじゃないからね?むっつりオナニストのアンナちゃん?」
「ムカつくムカつく!ムカつく!」
顔真っ赤にして激昂するアンナちゃんを微笑ましく見守りながら宿題を続けていると、アリサ先輩とアズサさんが一緒にやってきた。
アンナちゃんはオナニストだということが俺に指摘されたのが余程悔しかったのか、アリサ先輩に開口一番、俺と同じ質問をした。
「アリサ!オナニーする時、どんなこと考えてしてるのよ!」
「いきなりね。普通にマゴイチとエッチなことしてるのを妄想しながらしてるわね。それがどうかしたの?」
流石アリサ先輩。
自分のオナニーライフを堂々と暴露した。
っていうか、アンナちゃんと違ってアリサ先輩はオナニーとかしない人だと思ってた。してたとしても他人には絶対にオープンに言うことは無いだろうと。それだけココ数日の刺激的な性体験が、アリサ先輩の性に対する考え方にも影響を与えているということだろうか。
アンナちゃんもアリサ先輩の反応が予想外だった様で、道連れに出来なかったことが悔しかったのか、ムキになって今度はアズサさんに同じ質問をした。
「戸田っちはどうなのよ!戸田っちはオナニーする時、誰で妄想してるの!」
「えっと、さっきから話してるオナニーってなんですか?エッチなことなんですよね?エッチな運動か何かですか?」
「お、本物のオナニー未経験者が現れた。 アンナちゃん分かったでしょ?本当にしたことない人はこういう反応なんだよ?」
「あああああもういいわよ!してるわよオナニー!ええ!マゴイチくんとのセックス想像してオナニーしてるよ!悪いか!文句あんのかオラ!? 想像の中のマゴイチくんはいつもトロトロに甘くて優しい超イケメンなのに!どーしてリアルだとこんなにデリカシーなくてクズなのよ!」
「うわ、開き直った。っていうか、堂々と恥ずかしげもなくオナニーライフをシャウトするとか、凄げーな」
「アンナ、今更なに言ってるの? アナタがマゴイチ以外の男に興味無いのバレバレなんだから、そんなことみんな分かってるわよ? 後、確かにマゴイチはデリカシーないイケメンだけど、私の前でマゴイチの悪口言うのは許さないわよ?」
「だからオナニーってなんなんですか?セックスの疑似体験的な何かなんですか?」
「おしい! 疑似体験って言うか、体の大事な部分を自分でいじって気持ち良くなる行為だね」
「え!?それがオナニーなんですか・・・」
はは~ん、さてはアズサさん、オナニーと知らずにやったことあるな?
アンナちゃんは怒ってコタツの中に頭ごと潜り込んで
「そんなことよりマゴイチに謝らないといけないのだけど、今朝生理が来ちゃったからしばらくチャレンジはお休みにして頂戴。ごめんね?」
「いや謝らないでいいっすよ。女の子は大変ですもんね。 それで、終わるのはいつになるんです?」
「1週間で終わると思うわ」
「今日が27日だから、年明けて3日くらいですかね? なら4日の誕生日には間に合いそうですね」
「ええ、そうね。誕生日のデートの時には完全復活してるわよ!」
「なんか、却って誕生日が更に楽しみになってきた」
「そう言って貰えて安心したわ。誕生日は一杯がんばろうね!うふふ。 あ、そういえば頭のコブはどうなの?まだ痛む?」
「もう全然平気ですよ。 頑丈なだけが取り柄みたいなもんですからね」
アンナちゃんとアズサさんの二人を放置して俺とアリサ先輩が仲良くイチャイチャお喋りしていると、コタツに潜って拗ねているアンナちゃんが、嫌がらせで俺の脚を何度もツネッて来た。
ムカついたので、仕返しにコタツに入ったまま慎重に音を殺してオナラをすると、10秒ほどでアンナちゃんが「誰かコタツの中でオナラしたでしょ!超臭いんだけど!」と怒って出て来た。
俺が「さぁ?」って顔して惚けていると、アズサさんも
アリサ先輩は「私じゃないわよ!本当だから!」と必死に否定していた。
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