#84 痛いのは嫌なので、ローションを極振りしたいと思います。




 クリスマスの翌日。


 降雪は既に治まり、道路などの雪は昼頃には溶けて交通網も正常に戻っていた。

 そしてアマゾンで注文していたローションも無事に届いた。


 ウチの両親は朝から出勤しており、家には俺とアリサ先輩の二人だけだ。

 親が帰って来るまで時間はまだまだたっぷりある。

 今日は焦ることなく慎重に進めようと、アリサ先輩も言ってくれていたので、まずはローションがどんなものかを二人で確認することにした。


 お互いの手の平に少し垂らして、ヌルヌル具合を確かめてみた。



 アリサ先輩の感想

「確かに滑りやすくなるけど、ヌルヌルというかベトベトで、ずっと擦ってると滑りが悪くなるわね」


 俺の感想

「冷たくてチンコに付けたらチンコが縮こまりそう」



 二人して「う~ん」と微妙な気持ちで首を捻るが、1度失敗を経験している今日の俺たちは一味違う。 失敗は成功の母と言うしな。 不安や問題があるのなら解決策を調べれば良いのだ。


 で、スマホで色々なワードで検索をかけると、直ぐに解決策が見つかった。


 お湯で希釈するのが良いらしい。

 原液のままでの使用でも問題ないが、やはり時間の経過などで水気が減るとベタツキが強くなって滑りが悪くなるとのことで、プロのおねーさんなんかも洗面器でシャワーのお湯と混ぜて、手で撹拌してから使っているらしい。



 ということで、本番を始める前に実際に希釈して塩梅あんばいを試してみることにした。



 オレンジキャップのボトルを持って、アリサ先輩と服(この日のアリサ先輩は、上下俺の西中ジャージ姿)を着たままお風呂場に入り、ネット情報を頼りに洗面器に投入してシャワーのお湯で薄めてみた。


「お? これくらいの温度なら冷たく無くて大丈夫そうっすよ」


「確かに良い感じね。これなら私も大丈夫そうよ」


「じゃあ混ぜてみますね」


 俺はネットの動画で見たプロのおねーさんの撹拌方法を真似て、両手を使って勢い良くガシャガシャ混ぜ始める。


 2~3分続けると充分に混ざり合ったので、両手ですくって垂らしてみた。

 撹拌したことで、お湯で薄めてても泡も沢山混ざってて、意外と粘り気は残っていた。

 でも原液よりは扱いやすく感じる。



「良い感じね」


「じゃあ実際に試してみますか」


「ココで試すつもりなの?」


「だって、俺の部屋だと床とかベッドがベトベトになっちゃうでしょ?」


「確かにそうね」


「まずは俺だけ試してみましょうか。 いきなり本番だとまた色々失敗しそうだし」


「そうね。任せてばかりでごめんね。本当は私も一緒に試した方のが良いんだろうけど」


「大丈夫っすよ!こういう時こそ俺が体張りますんで! その代わりお願いがあるんですけど」


「うん?どうしたの?」


「チンコにローション付けるの、手でやって貰ってもイイデスカ!」


「私が手でするの?」


「ハイッ! その方のがアリサちゃんもチンコに慣れるだろうし、チンコへの恐怖心も薄らぐと思うんで!」


「確かにそうね。分かったわ、頑張ってみるわね」


「よっしゃー!!! じゃ早速脱ぎます!」



 既にアリサ先輩の前で全裸になることに羞恥心が無くなっている俺は、光の速さで部屋着のスウェットや肌着とパンツを脱ぎ捨て、全裸になる。


 俺はアリサ先輩が扱いやすいように、両手を腰に宛てて仁王立ちになり、少し股間を突き出すポーズを取った。

 アリサ先輩との初ローションプレイに期待が膨らみ、俺の股間もズドーン!と膨らんでいた。



 俺が全裸になっている間にアリサ先輩も、ジャージのすそを膝まで捲り、そでも腕捲りして、戦闘態勢に入った。


 仁王立ちする俺と向かい合うと、アリサ先輩はしゃがんで洗面器を俺のチンコの真下に置き、両手ですくったローションを目の前のチンコにダラ~っと垂らした。


 すくっては垂らし、すくっては垂らし、直接触れようとしないのでれてしまった俺は思わず催促した。


「アリサちゃん! 手を使って馴染ませて下さい!」


「そ、そうよね・・・頑張るって約束したものね」


 最初は恥ずかしがっていたアリサ先輩だったが、流石は自主性モンスター。直に触り始めると慣れるのも早く、キャッキャ言いながら楽しそうにローションで遊び始めた。否、チンコで遊び始めた。



「やっぱりマゴイチのおちんちん、大きいわね。実際に触ってみると良く解るわ」


「そうなんですかね。他人のチンコと比べたことないから自分じゃ分かんないっす」


「私も家族のしか見たこと無いけど、サイズ全然違ったわよ。あと容姿というか表情というか、兎に角マゴイチのおちんちんは凶暴さが凄いわね」


「凶暴なんすか?」


「そうなの!凶暴で狂暴で凶悪なのよ!殺るか殺られるか!って感じなのよ!」


「なんですかソレ。めっちゃ悪役ヒールみたいじゃないっすか」


「そうよ!アブトーラ・ザ・ブッチャーも真っ青よ!こんな極悪おちんちんは、ローションでヌルヌルにしてやらなくっちゃね!」


 アリサ先輩は楽しそうにそう言うと、更に大量のローションを俺のチンコに絡ませ両手を使ってもてあそんだ。


 ヌルヌルプレイで遊んでたお陰で、全裸の俺もジャージ姿のアリサ先輩もローション塗れとなっていたが、お互い気にすることなくヌルヌルに夢中になって楽しんでいると、俺の限界が急速に迫って来た


 アリサ先輩の手による初めてのヌルヌルプレイは期待してた以上に刺激的で、焦った俺はそのことをアリサ先輩に告げる。



「これ以上は!ヤバイっす!」



 短くそう叫んだ瞬間、俺のリビドーは眼前のアリサ先輩に向かって解き放たれたのだが、ビックリしたアリサ先輩は体勢を崩してしまい、ローションで濡れた床で足を滑らせひっくり返って尻餅を付き、その時にローション入りの洗面器に脚を引っかけたせいで洗面器が空中に舞い上がり、中身のローションがジャージ姿のアリサ先輩に降り注いだ。 

 更にそれ見て慌ててしまった俺もチンコ丸出しのまま助けようとして足を踏み出し、結局俺もローションで濡れた床で足を滑らせ、ひっくり返って浴槽の縁に太ももを引っかけて、空の浴槽に背中から落ちて後頭部を反対側の縁で打ち付けた。




 ◇




 結論から述べると、この日も失敗に終わった。

 いや、失敗以前にチャレンジ開始まで辿り着けなかった。


 アリサ先輩はローションと俺のリビドーを浴びただけで怪我等は無く無事だったのだが、後頭部をぶつけた俺が再び鼻血を噴き出してしまい、ローション&血塗れで浴槽の中でヤムチャみたいに倒れている俺を見たアリサ先輩が悲鳴を上げる程パニくって、もうエッチどころでは無くなってしまった。


 それで、鼻血とたんこぶだけで大した怪我が無い事が分かって直ぐに落ち着いたのだが、負傷した俺よりもアリサ先輩のが気落ちしてしまい、でも、そのせいなのか普段よりもちょっぴり優しくなったアリサ先輩が、ローションのヌルヌルを洗い流す為に初めて二人で一緒のお風呂タイムを許可してくれて、それはそれでイチャイチャ出来て凄く楽しかったから、俺としてはなんだかんだと有意義な1日となった。




 この日、新たな教訓を得た。


 狭いお風呂場でのローション使用は、マジで危険。

 やっぱり布団の上とかでタオル等を下に敷いて、量も加減しながら使うべきだろう。


 しかし反省と同時に、ローションには無限大の可能性も感じた。

 今回の教訓を活かして少しづつでも前進するぞ!と、全身のヌルヌルをアリサ先輩に洗い流して貰いながら、俺はチンコと決意を固くした。



 因みに、俺のリビドーの解放を真正面からまともに受け止めたアリサ先輩に、湯船に一緒に漬かりながら感想を聞くと、「鉄砲魚みたいだったわ」とおちんちんへの恐怖心は完全に克服している様子だった。







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