#81 ダメ童貞と頼れる年上彼女
今日で2学期も最終日。
学校では終業式があり午前中で終わる。
そして、今日はクリスマスイヴでもある。
クリスマスイヴから始まる今年の冬休みは、去年までと違いこの時期でも恋人が居るのでイベントも目白押しだ。
今日は学校が終わった後はアリサ先輩と二人で昼ご飯食べに行き、アリサ先輩んちに寄ってからウチに来て、夜はウチの家族と一緒に晩御飯を食べて泊まって行くことになってて、翌日明日のクリスマスは、アリサ先輩が行きたがっていたプロレスの観戦に二人で行ってくる予定だ。
今日明日の他にも休みの間は毎日アリサ先輩と過ごす予定で、アリサ先輩だけでなくアフロやアンナちゃんやアズサさんたちともちょこちょこ遊ぶ予定がありつつ、大晦日にもアリサ先輩はウチに泊まりで一緒に年越しを過ごす予定。
まぁ、ウチのかーちゃんが「クリスマスはケーキ用意してるから、晩御飯食べにいらっしゃいね」とか「お正月も良かったらいらっしゃいね。お節一緒に用意しようね」とか言って、何かにつけてアリサ先輩に遊びにおいでと声を掛けるから、態々予定立てなくても夏休みの時みたいにほぼ毎日ウチに入り浸り状態になっていただろう。
そして新年明けてからの1月4日は俺の誕生日で、その日は二人だけで一日ずっと一緒に過ごしたいと思い、冬休み前にその約束を取り付けようと相談したのだが、この時初めて知ったんだけど、なんとアリサ先輩も俺と同じ1月4日が誕生日だった。
アリサ先輩もその日が俺も誕生日だと言うことを知らなくて、最初相談しててもお互いが自分の誕生日のことだと思いながら話をするから、微妙に会話が噛み合わなくて、まさかと思い「ちょっと待って・・・もしかしてアリサちゃんも1月4日が誕生日なの?」と聞いてみると「え?マゴイチもそうなの?てっきり私をお祝いしてくれる話かと思って話してたわよ。道理で教えた覚え無いのになんで私の誕生日知ってるのかしら?って不思議だったのよね」と、同じ誕生日だと言うことが今更判明して、だったらいっそのことその日はドコかホテルにでも泊まって誰にも邪魔されずに気を遣うこともなく、思いっきりイチャイチャして過ごそう!ということになった。
泊まると言っても市内のシティホテルだけども、高校生同士の誕生日の過ごし方としては、中々贅沢だと思う。
と、こんな感じで、まだまだ付き合い始めて間もない楽しい盛りの俺たちは、初めての長期休みを全力で楽しむ予定で、そういう相談なんかしてるのも楽しくて、アリサ先輩も二人で居る時はいつもデレデレの緩んだ表情で、学校に居る時のキリリと近寄りがたい雰囲気とか皆無で、「ああ、アリサ先輩も楽しくて仕方ないんだろうな」と俺としてもそんなアリサ先輩を見ているだけで幸せで、でも、そんな幸せの絶頂とも言える連休直前でも、俺には1つの懸念事項があった。
そう、いつ童貞を卒業するかだ。
アズサさんの連日凸が治まり二人で過ごす時間が増えて、確かに以前よりもイチャイチャらぶらぶする時間は増えた。
こういう恋人との時間を過ごしたくて、ずっと恋人が欲しかったんだしな。邪魔さえ無くなればチュッチュチュッチュとイチャイチャするさ。
だがしかし、悲しいかな童貞の俺は、今更その先へ進むのにビビってしまっている。
何かを心配してるとか気を使ってるとか、そんな理由なんて無い。
イザって時にビビって「別に今日無理しなくても良いよな・・・明日だってまた会うし」とか逃げてしまっているのだ。
で、夜自分の布団の中で、「あのまま押せば良かったじゃねーか!何ビビってんだよ!俺は!」と死ぬほど後悔して一人でマクラを涙で濡らし、また次の日、同じことを繰り返してきた。
そんな俺は、この冬休みこそ、逃げずに立ち向かい、これまで守り続けて来た尊い童貞とオサラバしようと決意していた。
ぶっちゃけ、冬休みの解放感とか、クリスマスとか年越しとか誕生日のテンションとか、そういうのに頼りたいというのが本音で、この約2週間の休みの間に勝負を付けるつもりだ。
因みに、アリサ先輩からは「そういうガッツかないところもマゴイチらしいし、別に私はいつでもOKだから、マゴイチのペースに合わせるわよ」と年上の余裕というか男前なことを言われていた。恐らくあまりにも俺の意気地なしの様子見て、自分も処女のクセに冷静になってて、大人ぶって余裕を見せているのだろう。如何にもアリサ先輩らしいと言えるだろう。
兎に角、この冬休みで童貞卒業をキッチリ決めてやるんだ。
今夜のクリスマスイヴ
明日のプロレス観戦の後
大晦日の年越し
誕生日のホテルでのお泊り
他にも毎日会う予定だし、チャンスはいくらでもある。
これ以上モタモタしてたら、過去の失敗を繰り返してしまうかもしれないしな。
アリサ先輩に限ってそんなことは無いと信じているが、俺自身がそういう星の下に生まれた運命だという可能性も未だ捨てきれない以上は、気合入れ直して早速今夜からでも頑張らねばならないだろう。
で、朝から気合入れまくりの俺は、学校が終わるとアリサ先輩を誘って萬福軒で昼飯食べて、そのままアリサ先輩の家に向かった。 今夜ウチに泊まる為の準備やら着替えとかあるので、アリサ先輩が準備とかしてる間、俺はアキラとコバシの散歩に出掛けることにした。
2時間程近所の公園でコバシ達と遊んでいたが、いい加減アキラの体力が限界に来ている様で座り込んで大人しくなってしまったので、アリサ先輩の家に戻ることにした。
戻って来た俺たちを出迎えたアリサ先輩は
「ドコほっつき歩いてるのよ!スマホに電話しても全然出ないし!」
「そこの公園で遊んでたらコバシが離してくれなくてついつい。スマホはカバンに入れっぱなしでココに置いたままっす」
「もう!今日はクリスマスイヴなのよ!?なんでこんな日でもそんなにマイペースなのよ!2時間あったらチャレンジ出来たじゃ無いの!」
「な!?なななんと!?」
チャレンジとは、つまり初めてのエッチのことであり、「マゴイチのペースに任せる」と大人の余裕を見せていたアリサ先輩でも流石に今日からの冬休みに賭ける意気込みが俺と同じだったと言うことか!
言われてからアリサ先輩の全身を眺めると、髪型はいつもと同じでサラサラストレートヘアのままだが、丁寧にメイクしてて真っ赤な唇がいつも以上に大人っぽさを演出している。 今日学校や昼飯食べた時はスッピンだったから、家に帰って来てからメイクしたのだろう。
それに服装も、いつもの様な部屋着代わりの色気のないジャージ姿では無く、白のニットのワンピースと小豆色のタイツで、豊満な胸を強調しつつ鍛え抜かれた腰とお尻から脚までの引き締まったラインを魅せるセクシーな出で立ちだ。
普段の「いつでも暴れられますよ」的な動き易い服装と違い、今のアリサ先輩は女性らしさを前面に押出したぶっちゃけエロ可愛い装いだ。これだけ気合を入れたコーディネートをしていると言うことは、アリサ先輩がこのクリスマスイヴに賭ける意気込みがどれほどのものかということが自明の理だろう。
となれば、
「じゃ、早速脱ぎますね!」
ゴムなら財布の中に1個だけ入れてある。
今夜の本番に備えて、昨日の夜サイズの確認と装着の練習はバッチリで、後はお互い脱げば準備完了という訳だ。
「ちょっと待ちなさい!今何時だと思ってるのよ今から出来るわけないでしょ!マゴイチの家に行かないとお母様たち待たせちゃうじゃないの!」
俺が速やかにズボンのベルトに手を掛けると、アリサ先輩は目にも止まらぬ素早い動きで俺の頭をヘッドロックして激昂した。
普段アリサ先輩は俺に技を掛ける時は加減気味のポーズだけなのでぶっちゃけ全然痛くないのだが、この時ばかりはマジだったらしく結構痛かった。 だがしかし、アリサ先輩のおっぱいが顔面に当たっててアリサ先輩が力を入れた分だけおっぱいが俺の顔面にグリグリと押し当てられ、俺はいつまでもギブアップすることをせずに存分に感触を堪能する態勢に入った。
「だいたい折角オシャレしたばかりなのにする訳ないでしょ!もっと早く帰ってくればそれくらいの時間あったのに!なんで今日に限ってそんなにバカなのよ!って今はジャレてる場合じゃないわ!急いでマゴイチの家に行かないと!」
そう言ってヘッドロックから俺を解放すると、アリサ先輩はそそくさと赤いコートの袖に腕を通しながら「自転車の後ろに乗せて行ってね!」と言い、姿見で自分の全身を再確認すると「早く行くわよ!」と言って俺の腕に手を絡め引っ張る様にして部屋を出た。
玄関では、アリサ先輩は普段は履か無い様なヒールの高いレザーのロングブーツをチョイスした。
身長は高くないがスタイルは抜群に良いアリサ先輩のハイヒールのブーツ&赤いコート、手にはミトンの手袋を身に着けた最終完全体は、アダルティでセクシーでアリサ先輩の見た目ドSな容姿を普段の数倍は引き立てているのに、可愛いらしさもワンポイントに取り入れることで、過去に数多くの魅力的な女性を見て来た俺でも、思わず感嘆の溜め息が出る程美しかった。
「ハイヒールなんて履いてたら足技使えないじゃない」とかいつも言ってたのに、今日は戦闘力よりもオシャレ優先している。 流石はアクア先輩のセンスを「絶望的にダサい」と切り捨てる程のハイセンスの持ち主が本気のオシャレをするということは、やはり今日のアリサ先輩はマジでヤル気だということだろう。自主性モンスターの神髄、ココに有りだ。
「これは記録に残さねば!」とブーツを履き終えたアリサ先輩にスマホを向けると、ノリノリでポーズを取ってくれたのでパシャパシャ撮影して、この時のお気に入り画像がしばらく俺のスマホの待ち受けになる程の、今日のアリサ先輩の装いは超絶魅力的だった。
先ほどは思わぬ行き違いで折角のチャンスを不意にしてしまったが、まだ諦めるわけにはいかない。 アリサ先輩がここまで気合を入れて、女としての魅力を最大限俺に魅せ付け、今日のクリスマスイヴへの意気込みを示してくれているんだ。
だから、俺がココで絶対にヘタる訳にはいかない!
今夜こそは失敗しないぞ!
絶対に童貞卒業してやるんだ!
と意気込む俺の股間は、半勃起していた。
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