#25 只管面倒な童貞イケメン



 黒いTバックによってエロさが惹きたてられた優木会長の形の整ったお尻を夢想し、「おっぱいも良いけど、お尻も良いかもしれない」とこれまでのおっぱい至上主義から、お尻の魅力を知る大人に成長する予感を少しだけ感じつつも、これまで艱難辛苦を味わいながらもおっぱいに執着してきた俺には、結局最後には「おっぱいに勝るものなし」との結論に至り、もしココで優木会長に「おっぱい揉んでもいいよ」と言われたら、俺は揉んでしまうのだろうか?と詮の無いことを考えていた。


 多分俺は、揉まないと思う。

 恥ずかしいとか、照れ臭くて取り繕うとかじゃなくて、その先を考えてしまうから。


 おっぱいを揉ませる。

 女性にとってデリケートな部分を異性に自由にさせるというのは、とても恥ずかしいだろうし勇気と覚悟が必要な行為であり、それは「私はそれだけのものをアナタに与えるんだよ?」という意思表示である。

 特に処女の女性がそれだけのことに踏み切るにはそれなりの理由があり、それは異性に対して「私のおっぱいを揉むからには、アナタも私のカレシになる覚悟をしなさい」という対価というか思いが込められるのだろう。


 そこまで考えてしまうと、たとえ目の前に優木会長の様な超美人に豊満なおっぱいを突き出して「揉んでもいいよ」と言われても、きっと俺は逃げるだろう。


 だって童貞だもの。


 「順番が」とか「恋人じゃないのに」とか言い訳を並べて本心隠して誤魔化してやり過ごし、結局は家に帰ってから揉まなかったことを死ぬほど後悔して、一人寂しく自慰にふけるのだろう。


 きっと今まで俺の彼女たちに手を出してきた間男どもだったら、なんの躊躇も見せずに揉むんだろうな。 こんなんだから俺は今までの彼女に浮気ばかりされてきたのだろうか。




 アフロが手に持って広げた優木会長の黒いTバックを見ながらそんなことを考えていると、優木会長が午後の紅茶のミルクティーのペットボトルを持って戻ってきた。


 戻ってきた優木会長はアフロが手に持つ黒いTバックに気が付くと、悲鳴をあげながらアフロから黒いTバックを奪い返し、目にも止まらぬ素早い動きでベッドの布団の中に黒いTバックを隠した。



「アリサも中々大胆な下着持ってるじゃん。マゴイチそれ見てからずっとエロい妄想してるっぽいし、それ履いてお尻フリフリして誘惑したら、マゴイチでも簡単に堕とせるんじゃない?」


「そ、そそそそんなハレンチなことしないわよ!」


「そういうところが処女っぽいよな」


 なるほど。

 優木会長も処女だから、そういう大胆な色仕掛けに踏み切る勇気が無いのだろう。

 そういうところは俺と似ているのかもしれない。


「因みにマゴイチはおっぱい星人だから、Tバックのお尻よりもおっぱいぷるんぷるんさせた方のが気を惹けるよ」


 アフロはそう言いながら上半身を左右に素早く振ってノーハンドで自分のおっぱいをぷるんぷるんさせた。


 流石アフロ。

 俺の思考は手に取るように解るのか。


 いくらアフロのことは女として見ていないと言ってても、目の前でノーブラの巨乳をぷるんぷるんさせられてしまえば、注目せざるを得ない。


 俺は瞬きも忘れるほど目を見開いて、アフロのぷるんぷるん揺れるおっぱいをガン見した。



「ストーっプ!!!こういうのは順番があるの!恋人同士になってからでいいの!」


 優木会長はそう叫びながら背後からアフロを羽交い絞めにして、おっぱいぷるんぷるんを止めさせた。


 俺がさっき一人熟考していたことと同じことを優木会長も言っている。

 ということは、本心では無いのかもしれない。

 本当は俺におっぱいをモミモミさせて、俺とイチャイチャラブラブしたいのかもしれないな。

 つまり、童貞の俺と処女の優木会長は同じ思考回路ということか?


 だがそれだと違和感がある。

 なにせ優木会長は自主性モンスターと言われるほど普段は図太くてフリーダムな女だ。

 シャイでピュアな俺と一緒の思考回路ということがあるのだろうか?



「ほら、マゴイチのチンコ立ってるぞ?眉間に皺寄せて難しい顔して誤魔化してるけどマゴイチンコが元気になってるぞ?」


 アフロはそう言って隙をついて俺のチンコをハーフパンツの上からガッチリ握って問答無用でモミモミ揉みしだいた。


「や、止めろ!止めるんだ! これは生理現象なんだよ!アフロだってエロいこと考えてる時は乳首ビンビン立たせてるじゃないかよ!」


「やっぱマゴイチ、チンコでかいな!アリサも握ってみる?」


「だから止めなさい!私は恋人になってからでいいの!そういうことはゆっくりでいいの!」


 優木会長はそう叫ぶと俺からアフロを引き剝がして、素早くアフロの足に自分の足を絡めて一瞬でインディアンデスロックを決めた。 


「ギブギブ!痛いって!ごめんもう言わないから!」


 アフロがギブアップを訴えると優木会長は足を解いて、しばらく無言で肩で息をしていた。

 優木会長に助けられて俺のチンコは解放されたが、優木会長はマジギレしてる感じで何だか気まずい空気になってしまった。

 俺とアフロはこんなじゃれ合いはいつもの事なのでどうってことは無いが、優木会長にはやはり刺激が強すぎたのだろうか。


 これからの夏休み、3人で色々計画をしていたが、「やはり優木会長とアフロの相性は合わないのだろうか、夏休みの計画もダメかもしれないな」と不安になったが、優木会長はグラスのミルクティーを一気飲みすると、腕を組んで目を細めて宣言した。


「これからはマゴイチのおちんちん、私の許可無く触るの禁止よ。 もし勝手に触ったら今度は本気で泣くまで関節技決めるから」


「・・・・わかったよ。 マジギレアリサこえーよ」


 すぐ調子にのってやりたい放題なアフロでも本気になった優木会長には適わなくて、こうして優木会長の軍門に下った。




 優木会長の家からの帰り道、アフロは「多分だけどアリサは付き合ったら浮気とかはしないな。でも色々と苦労はしそう」と言っていた。


 それに対して俺は「そんなことより、優木会長の恐ろしさが身に染みただろ? 俺だって入学式の初日に一方的に襲われて軍門に下ったんだからな? これからは気をつけろよ」と優木会長との交際に関しては明言を避けた。




 家に帰ってかーちゃんに子犬を飼いたいことを相談すると、OKが出たのでそのことを優木会長にメッセージで送ると、直ぐに着信が来た。


 優木会長は電話では「本当は、マゴイチと何でも話が出来て距離感とかゼロでじゃれ合うアフロに嫉妬してた」と珍しく弱気なことを吐露していた。

 誰もが羨む超美人で生徒会長で人気者の自主性モンスターでも、やっぱり悩める女の子で色々思う所はあるのだろう。

 今までそういう面を見ることは無くて、どこか孤高の存在の様に思い込んで居たけど、童貞の俺が色々と思い悩むように、優木会長も普段はあんな感じでも実際は俺と同じように色々と思い悩んでいるのかもしれないな。



 翌日は夏休み中でも俺は学校で図書当番があったので遊べなかったが、更に次の日、予定通り優木会長とアフロが俺の家にお泊りしにやって来た。





 

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