#24 生徒会長の恋愛観



 優木会長の面白画像でひとしきり笑って喉が渇いたので、3人ともPCから離れてジュース飲みながらお喋りを始めた。



「アフロはどの子引き取ってくれるのか決めてるの?」


「オスが欲しいかな。ムトーかタナハシだっけ?ウチの苗字が「山田」だから、山田ムトーか山田タナハシか・・・どっちも言いづらいけど、山田ムトーのが言いやすいかな?」


「じゃあアフロはムトーね。 マゴイチはどうするの?」


「かーちゃんに相談してからだけど、俺はテンザン一択っすね。あの子見てると自分を見ている様で・・・」


「マゴイチはテンザンね。 ある程度大きく成長するまでは母親と離さない方が良いと思し、しばらくはウチでこのまま育てるから、お母さんと相談するのも慌てなくて良いからね」


「そっか、今はまだちっさいから母乳が必要だもんな。 っていうか、ウチのおっぱい吸ったりせんかな?」


「アフロ・・・とうとうオス犬にまで手を出すつもりかよ。 どこまでビッチを極めるつもりだ?」


「あのねマゴイチ。ウチのことビッチビッチ言うけど、3年になってからエッチ1回もしとらんからね?最近はずっと大人しくしとるよ?」


「つまり、欲求不満で俺の童貞を狙ったり、わんちゃんにおっぱい吸わせようとしていると?」


「まぁそういうことだね」


「・・・マゴイチとアフロって、いつもそんな話ばかりしてるの? いくら幼馴染でもオープンすぎないかしら?」


「うーん、小学生の頃からずっと相談相手っていうか愚痴り相手だったし、女として見ないままこの歳になったから、こういう話題が多いかな?」


「ふーん、そうなんだ。私は幼馴染とかそういう異性の友達って居ないからいまいちピンと来ないけど、なんだか何でも話せちゃう関係は嫉妬しちゃうかな」


「だったらアリサも遠慮せずに「チンコ見せてみろ」って言ってみたら? マゴイチのこと好きなんだしエッチにも興味あるんでしょ?」


「それは・・・うん」


「オイこらアフロ、変なこときつけるな。 優木会長も真に受けないで下さいよ? 優木会長までビッチになったら、俺、距離とりますからね?」


「っていうか、二人とも処女と童貞だから初心うぶ過ぎるね。見ててじれったいわ」


「・・・・」


 普段俺の前では自信に満ちた表情の優木会長も、アフロからあけすけな指摘を振られた途端、なんとも言えないような微妙な表情で口数も減っている。

 まぁ確かにアフロが言う通り、普段自主性モンスターな優木会長だけど、シモネタは全然言わないし、エッチに興味あるようだけど初心なんだろうな。

 っていうか、なんでこんな話してんだ、俺たち。


「アリサはめっちゃ美人なのに、今までそういう彼氏とかおらんかったの?」


「私? 付き合ったことは無いわね。 告白とかよくされるけど、そういう人、みんな眼つきが嫌なのよね」


「でもイケメンは好きなんでしょ?中にはイケメンも居たんじゃないの?」


「イケメンが好きっていうか、ぶっさいくな顔で嫌らしい眼つきされるとキモイけど、イケメンって余裕あるのかそういう眼つきしてこないでしょ? だからホッとするっていうか・・・でも、恋人にしたいとまでは思えなかったかな。 だけどマゴイチと初対面の時は全然違ってて、すっごい冷めた眼つきでジッと見つめられたら背筋がゾクゾクっとして息が止まるような感覚? そういうの初めてで、こんな人とは2度と出会えない!絶対に捕まえる!って思って、人生で初めて告白したのよね」


「まぁ聞いてる限りは、アリサはモテすぎてたせいで警戒しすぎてるのかもね。ウチなんて甘ったるい恋愛とかよりも、エッチのテクニックがどうかのが気になるから、顔とか嫌らしい眼つきとかあまり気にせんし」


 結構ディープな女子トークが始まったと思って口挟まずに大人しくしようとしたら、優木会長が急に話ふってきた。



「私のことよりも、マゴイチの恋愛経験も聞かせてよ。 女の子の扱いとかすっごい慣れてるし、色々経験豊富そうなのに、その・・・・マゴイチもエッチの経験ないんでしょ?」


「俺ですか? 付き合った女の子の数は一応5人ですけど、どの子ともエッチする前に別れてますね」


「マゴイチの過去の女はどいつも面白いよ。小6で二股してた子と~、中1で二股してた子と~、中2で二股してた子と~、中3の時の子も二股してたんでしょ?」


「ちょ、ちょっと待って!今までの彼女全部に浮気されてたの???」


「浮気されたのは5人中4人っすね。因みに毎回浮気相手の男には鉄拳制裁済みっすよ。そのせいで狂犬と呼ばれるように」


「じゃあ5人目の彼女は?」


「それはノーコメントっす!」


 アフロには話すの平気だったけど、優木会長からの告白を断ってから付き合ってたアクア先輩の話をするのは気まず過ぎる。


「アフロは5人目の彼女のこと知ってるの?」


「うーん、一応話だけは聞いたけど、マゴイチが可哀そうだからウチからは話せないかな」


 アフロにそう言われた優木会長は、ジト目で俺を見つめている。


「まぁまぁ、とりあえず浮気はしない人だったけどすげぇヤバイ人だったってことだけは確かで、今は綺麗さっぱり忘れたいくらいなんですよ。 それよりも、そろそろ夏休みの計画でも相談しましょうよ。明日からも遊べるんですよね?」


「・・・そうね。 私はこうやって集まってお喋りしてるだけでも楽しいけど、折角だし、買い物とかドコかに遊びに行くのもいいわね」


「ウチは、お泊りしたいな。マゴイチんちかアリサんちか」


「俺の家ならいつでも泊まりに来て良いよ。ウチのかーちゃんとか、アフロに慣れてるからそういうの全然緩いし」


「行く!マゴイチの家に泊まりに行くわよ!今日にする!?明日にする!?」


「アリサ喰いつきスギー」



 夏休みの間、連日3人で集まって遊ぶことには3人とも異論は無く、遊びに出かけることやお泊りすることを色々決めると、優木会長が「飲み物のお代わり、取ってくるわね」と言って1階へ降りて行った。


 すかさずその隙にアフロが「エッチな下着ないか、探そっと」と言って勝手にタンスを物色し始め、捜索開始30秒で「アリサの勝負下着、みっけ」と嬉しそうにタンスから黒い下着を取り出し、俺に見せるように両手で持って広げた。


 優木会長の黒の勝負下着は布面積が凄く小さいTバックで、普段は自主性モンスターと呼ばれるほど(呼んでいるのは俺だけだが)人目を気にせず積極的な優木会長だが、実は初心でエッチなことには二の足を踏んでて、でもその内に秘めたるムッツリ心を象徴するかの様な黒いTバックに、そこはかとなくエロさを感じた。






 



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