#05 高校入学を前に真理に辿り着く
高校入試の合格発表が終わり、既に春休みに入っていた俺は高校へ入学してからに備えてこれまでの恋愛を思い返していた。
小6から数えて4人の女の子と付き合った。
全員共通しているのは、美少女で胸が大きい。そして全員が自分から俺に告白したクセに俺以外の男と浮気していた。
幸い、浮気発覚時にその場で制裁を下して怒りの感情を発散していたので、良く言われる「脳破壊」や「女性不信」などにはなっていない。 むしろ「今度こそは!」と悔しさをバネにした決意の様な物が生まれていた。
何せ、毎回の様に俺が未経験であるハグやキスを見せつけられていたせいで、「次こそは俺だって彼女とイチャイチャしてやるんだ!」と奮起していたほどだし。
だが、その奮起も虚しくイチャイチャする前に毎回浮気され、制裁を下し、そして何故か俺まで周囲から距離を置かれてきた。
何がいけなかったのかを考える。
なぜ彼女たちは俺以外の男と浮気をしたのか?
直接聞いたことは今までなかったので本音のところは不明のままだが、思い当たるのは「彼女たちは可愛くておっぱいも大きく、男性からも人気が高くモテていた」ことだ。 そして、俺と言う彼氏が居ても周りからの誘惑が多くて、ついつい気持ちが揺らいでしまったのでは無いのだろうか。
つまり、一言でまとめると「可愛い子は浮気する」
最早コレは俺にとって1つの真理と言えよう。悟りを開いたと言っても過言では無いはずだ。
このことに気付くまでに多くの涙と血が流れた。 主に元カノたちの涙と浮気相手たちの血だが。あとおしっことかも少し流れてたな。
だったら初めから可愛い子やおっぱいの大きい子と付き合わなければ良かったのでは無いか、ということになる。
ここで悩ましいのが、可愛い子と付き合うのを止めるか、おっぱいが大きい子と付き合うのを止めるか。
本音を言うと、おっぱいは捨てきれない。
容姿は譲れても、巨乳は譲り
なるほど。
自分でも段々理解出来てきたぞ。
俺は可愛くない子(出来れば巨乳)を彼女にすれば良いのだ。
そうすれば浮気されることなくイチャイチャラブラブ出来て、きっと童貞も卒業出来るはずだ。
俺は自分の決意が正しいことを確認する為、2つ上の幼馴染であるアフロを呼び出した。
アフロは俺が連絡をすると、相変わらずの中学ジャージ姿で俺の部屋にやってきた。
アフロは今は17歳。
俺よりも2年長く生きている人生の先輩と言えよう。
だから俺は俺の決意が正しいかをアフロに聞いてみたかった。
「過去4人の女の子と付き合ったが、4人とも浮気しやがった。それで漸く気付いたんだ。可愛い子は浮気するということに」
「へぇ~、じゃあもう彼女作るのやめるの?」
「いいや止めんよ。俺は高校に入ったら新しい彼女作って今度こそ童貞を卒業する。これは俺の新たな決意なんだ」
「いや、普通そんだけ彼女に浮気されまくったら女性不信とかにならねえ?なんでまだ彼女作る気満々なの?」
この幼馴染のアフロという女。
本名は、『山田アキコ』
父親は日本人で母親はフィリピーナのハーフだ。
父親と母親の出会いは、母親が当時働いていたフィリピンパブに父親が通い詰めて口説き落としたらしい。因みに夫婦の歳の差は20も離れていて、父親は既に還暦を過ぎている。
「俺はこんなことくらいで童貞卒業を諦めないぞ。イチャイチャラブラブ出来る彼女がどうしても欲しいんだ」
「だったらさ、ウチで卒業しちゃう?テクならその辺のガキより自信あるよ?」
アフロはハーフだがぶっちゃけ顔は可愛くは無い。
褐色肌にタラコ唇とチリジリになった天然パーマが特徴的で、そのチリジリの天然アフロヘアーが由来して、俺はアフロと呼ぶ様になった。
但し、顔はブスだが体は日本人離れしたグラマラスな体形をしている。
小学生の頃から巨乳と巨尻で、17歳の今では大人顔負けのボッキュンボンの超セクシーなブスだ。
だから、俺が新たに掲げた恋人の条件である「可愛くない子(巨乳)」に、アフロは一応当てはまる。
だが絶対に御免だ。
何故ならこのセクシーブスは、高校入学と同時にヤリマンビッチとなったからだ。浮気女どもよりも質が悪い。
ハーフの血がそうさせているのか、元々好き物だったのかは謎だが、今現在不特定多数のセフレが居ることを本人から聞いている。
そんなヤリマンビッチが「浮気されたら女性不信になる」とか、お前が言うなって話だ。
「ジョーダンじゃない!なんで俺の大切な童貞をアフロにあげにゃーならんのだ!俺はそんなことの為に今日呼んだんじゃないぞ! 俺の考えをどう思うか聞きたいんだ」
「うーん、そんなん大事にとっておくよりも、サッサと卒業して経験積んだ方のが良いと思うけどな」
「出た。ヤリマンビッチが自分の貞操観念の低さを正当化する安直理論。 俺は好きになった子とじゃないとエッチ出来ないピュアな男の子なの!アフロみたいにスポーツ感覚でエッチするようなビッチに俺の純情は理解出来るはず無いんだ!」
「だったら最初からウチに聞いてんじゃねーよ」
アフロはそう言って右手で俺の股間を鷲掴みにして、力を込めてモミモミ揉み始めた。
「や、やめろ!金玉は急所なんだ!そんなことされると腰に力が入らなくなる!」
「ホレホレ~、潰されたくなかったらウチで童貞捨てちゃいなよ」
「た、頼む、止めてくれ・・・俺の童貞はそんなに安くないんだ。もっと崇高で尊いものなんだ・・・」
「うっわ、童貞のヤツってだいたい同じこと言うよな。なんか童貞とか処女が価値あるみたいにさ。そんな大した物じゃないよ?ウチなんて初めてエッチした時のことなんて、よく覚えてねーし」
「わかった、わかったから俺の金玉から手を離すんだ。お互いの童貞観に関してはまた別の機会に語り合おう。だから今は俺の金玉を解放するんだ」
「ホント、童貞って面倒だな。 で、何を聞きたいって?」
漸く金玉を解放してくれたので、再び金玉を掴まれない様に両手で股間をガードしながら、俺の考えを説明した。
「彼女たちが浮気した理由を考えたんだけど、「彼女たちが可愛いからなんだ」という結論に至ったんだよ。可愛いから他の男どもからよく声掛けられて、多くの誘惑に晒され続けたことで、俺と言う彼氏が居ながらも他の男に目移りしてしまったんだ、ってね」
「うーん、否定はしないけど、それだけじゃないと思うけどなー」
「でもさ、可愛くない子だったら他の男に誘惑されたりしないから、浮気しないと思わない?」
「確かにそうだなー。まぁ実際にそういう彼女作ってみたら?そしたら分かるじゃん」
「お、アフロも一応は俺の考えに賛成か」
「ぶっちゃけ興味ないだけなんだけどな。んなことより、今日もご飯食べてっていい?」
「おう、アフロの分も用意するようにかーちゃんに言ってくるわ」
アフロは俺んちで良く夕飯を食べていく。
理由は単純だ。
アフロんちのおばちゃんが作るメシが不味いからだ。 俺も何度か食べたことがあるが、辛ければいいんだろ?とでも言いたげにとにかく何でも唐辛子を入れる。
だから、アフロんちでメシ食べると、耐性の無い俺はいつも腹を下す。
__________
プロローグ終わり。
次回、本編スタート。
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