第7話
着替えを済ませて早速銭湯へとはいる。
ジムさん達は裸には慣れているのか恥ずかしがる事無く脱いでいた。
後で聞けばお風呂は従者やメイドが世話をしたりするので抵抗はなかったらしい。
一応前をタオルで隠してもらいお父さんが中へと案内した。
◆
「ほぉ!これは広いですね、それに何やら匂いが…」
クンッと鼻をあげた。
銭湯の湯の独特の香りが広がる。
「まずは体を洗ってから入って下さい。それがマナーです」
お父さんは作業服を着ながらジムさんやライリーさんに説明をする。
「今日はタオルを貸し出します。そこにある石鹸かボディーソープで体を洗うんですよ」
指をさして説明するとライリーさんが驚いた顔をした。
「石鹸を使っていいのか!?」
「え?もちろんですよ」
「こんな貴重な物を使えるなんて…」
ライリーさんは恐る恐る石鹸に手を伸ばした。
「では私はこちらを使ってみよう」
ジムさんは石鹸よりもボディーソープに興味があるようでそれを手に取りどう使うのかと悩んでいる。
「ここを押すと液体が出るので泡立てて使ってください」
頭のでっぱりを押してやり使い方を見せると楽しそうに何回か押してしまった。
「ああ!2回程で十分です!使いすぎると洗い流すのが大変になりますからね」
「わかりました」
ジムさんは頷き手を止めた。
「そちらもいい香りですね、次はそっちを使ってみよう」
ライリーさんはやり取りを見ていてボディーソープにも興味を持っていた。
体を洗うとお父さんは蛇口からお湯を出して2人の背中を流してあげた。
「ここを押すとお湯が出ます。桶に溜めて流して見てください」
2人はしっかりと体を洗い流した。
「はぁー体がスベスベだ。まるで女性のようです」
ライリーさんが驚きながら自分の腕を触っている。
「いい香りもするね、これだと後で妻に怒られそうだ」
ジムさんは笑いながら腕の匂いをかいでいた。
体も洗ったことだし今度は浴槽へと案内しようとすると2人はボディーソープの隣に置いてあるものが気になるようだった。
「こっちの石鹸は何に使うんですか?」
ジムさんはシャンプーとリンスを指さした。
「これは髪を洗う石鹸です。先に洗いますか?一度湯船に入ってから洗う人もいますしお好きなようにしてください」
お父さんが2人に選ばせる。
「うーん、先に洗わせてもらおう。気になってしまうからね」
「そうですね!」
ライリーさんも賛成なようで2人仲良くシャンプーとリンスに手をかける。
「待ってください!ライリーさんの方はリンスと言ってシャンプーの後に付けるものなんですよ」
「え?同じ物ではないんですね」
ライリーさんはリンスに目掛けて伸ばした手を引っ込めてジムさんの後にシャンプーを2回押し出した。
「少し濡らしながら頭に付けて洗ってください。十分洗ったらシャワーで洗い流します。さっきお湯を出した時は取っ手を右に向けていたんですがシャワーの時は左に向けてください」
「おお、この絵の通りにお湯が出るんですね」
ジムさんが蛇口に書いてある絵を見つけた。
「そうです、結構勢いよく出ますから気をつけて」
お父さんはそういうと一歩後ろに下がった。
ライリーさんが早速向きを変えて蛇口を押すとバシャー!と音を立ててシャワーが出てきた。
「これはいいですね!勝手に雨のように温かいお湯が出る!」
ライリーさんが頭を洗っているとシャワーの水が止まってしまった。
「あれ?」
まだ洗い流し終わってないところでお湯が切れてしまった。
「また出したからったら押してください」
お父さんが後ろから声をかけると、二人は何度もシャワーを出して泡を洗い流す。
「次に隣のリンスを付けて同じように洗い流してください。ジムさんは髪が長いからいいと思いますよ。ライリーさんは髪が短いので使わなくても平気かな?」
お父さんがそういうがライリーさんは使ってまたいとリンスを出して頭につけた。
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