第16話

俺はノリノリな二人と一緒にメイド喫茶に入ったのだが


「「お帰りなさいませご主人様」」

「本日は二名様ですか?」

「いや、三人なんすけど」

「二名のお客様はいりまーす。3番テーブルのご案内でーす」


どうやら俺は居ないものとして扱われるらしい。久しぶりだな、このキャラ。


「君たち、今日ダンス踊ってた子だよね」

「近くで見るともっとイケメンやね」

「「いやいや」」

「ねえ、連絡先交換しない?」

「私もほしいー!」


すげーな。これが逆ナンか


「俺たち三人なんですけど」

「そうです。他のテーブルはありませんか?」

「「ごめーん」」

「三名様のお客様のテーブル今いっぱいで空いてないんだー」

「あの子も他のテーブルに座ってもらうから」

「いや!だったら俺達また来ますよ」

「そうです。空いてそうな時にまた伺いますね」

「「まあまあ、いいから」」



押しの強さで二人とも席から逃げられないみたいだ。

俺は二人の近くに行く


「気にしないで、一人の席に座っとくから」

「そ、そんな」

「ダメですよ。一緒に楽しみましょうよ」

「他のところ行くことになったら呼んでよ」


「そんなに言うなら」

「すみません」

「いいって」


俺はそう言って二人から離れた。一人用の空いてる席を探して座る。


何食べようかな?



「ほら、姫乃さん!あそこに一人のお客さんいるから相手してあげて」

「いや、私は裏方なんですけど」

「いいから、行けって」

「なんなら連絡先交換してきなさいよ」

「お似合いじゃん」

「「あははは」」



なんか見たことある光景だなー


俺か!!



「い、いらっしゃいませ。ご、ご主人様。今日はな、何を食べますか?」

「あ、アイスコーヒーとパンケーキのセットを一つお願いします」

「か、かしまりました。ご、ご主人様」


びっくりしたー!

大人気若手女優がメイド服着て接待って!

流石にビビるよ





「お、おまたせしました、ご主人様。アイスコーヒーとパンケーキのセットでございます」

「あ、ありがとうございます」


注文を受け取り帰るかと思ったがモジモジしている。

すると小さな声で


「あ、あの、怜様ですよね?」


核心ついてきた!


「あ、はい。姫乃 光さんですよね?」

「そ、そうです」


「「………」」



「あ、あの連絡先交換してもらえませんか?」


「は?」

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