第11話

「ねぇ、先生が古町くんのこと怜様って言ってなかった?」

「それ、めっちゃ思った!なんでだろ?」

「本人とか?」

「でも怜様、金髪じゃん」

「そうだよねー、先生がたまたま呼んでるだけ?」

「あの人が怜様本人はないでしょ!」

「こんなところに怜様いないって」




今、みんなで体育館に移動している。お父さんとお母さん、先生がさっき暴れたせいでさっそく身バレの危険が起ころとしている。

すごい勢いで噂が広まっているらしい。さっきから周りの声が嫌でも耳に入ってくる。

でも、止めれなさそうだし。自然消滅を待つしかないかな。




「おまえの家族すげーな!」

「とてもユニークなお父さんとお母さんですね」


彼らは別格イケメンこと島崎 勇輝(しまざきゆうき)くんと西川 遥(にしかわ はる)くんである。


初めて話しかけられたな


「いや、朝からうるさくしてごめんね?クラスの人達にもすごく迷惑かけてしまってほんとにごめんなさい」

「謝ることねーよ!あんなに朝から笑わせてもらったのは久しぶりだからな!」

「そうです。すごく賑やかでしたけど、迷惑だなんて全然思ってないですよ、気にしないでください」


すげーいい人だよ。島崎くんと西川くん



「俺さ、ちょっとおまえのこと勘違いしてたよ。なんかさ、話が合わなそうっていうかさ、悪かった。」

「僕もです。古町君の見た目からコミュニケーションが取りずらい相手なんだろうって勝手に思ってました。ごめんなさい。」

「いやいや、謝らなくていいよ。たしかに話しかけずらい見た目なのはわかってますから」

「ほんとにごめんな」

「見た目で人を判断してました、こんな人だったなんて僕は最低ですね」

「ほんとに気にしないでください。それよりももっと話しかけてください。この学校じゃ友達が全然いなくて、寂しいので。アハハ…」

「わかった。じゃあ俺のことは勇輝って呼んでくれ。それと敬語もなしだぜ」

「わかった。ありがとう勇輝」

「あっ、じゃあ僕も遥って呼んでください。僕にも敬語はなしですよ」

「わかった。遥もタメ語でいいよ」

「僕は、普段の喋り方が敬語なのでこのままが楽なんです」

「そっか」

「そうだ!今日の文化祭さ、俺たちと一緒に回らねーか?」

「いいですね、僕も歓迎です」

「いいの?」

「俺達もう友達だろ?」

「そうですよ」

「嬉しいよ!ありがと!」

「おう!」

「はい!」


やっと、俺の憧れた高校生活が始まるんだ!





「怜ちゃん!佐藤先生すごくいい方だわ!文句なく合格よ!」

「怜!羨ましいぞ、ちくしょー!」


体育館だよ、ここ…

全校生徒の前だぞ!ここ!

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