第2話:静かなる月

壁にたくさんの本棚が取り付けられている部屋で一人の小さな男の子が燦々と燃え盛る太陽と静かなる月のマークの装飾が施された分厚い本を静かに読んでいた、その静寂を割ってガチャリ…と音がなりこの部屋に唯一ある扉が開かれた。入ってきた男は20代後半くらいの歳でその男を見た男の子は笑顔になり男の体に抱きついた。

「父上お帰りなさい!」

父上と男の子に呼ばれた男は男の子に目線を合わせるために床に座り「ただいま…レイ」と男の子の名前を呼んだ。

「どんな御本を読んでいたんだい?」

父親にそう聞かれたレイは先程まで夢中になって読んでいた本を父親の側に持ってきて表紙を見せた。

その本の表紙には2つの指輪という書名が書いてありその本を見た父親はハッとほんの一瞬だけ驚いたような悲しいような顔をした。

「レイはそんな難しそうな本がもう読めるんだな~」

「へへ…この本面白いんだ〜。でも、お話に出てくる弟が可愛そう」

レイは、哀れんだ顔をしてそう言ったのだった。

もうこの本を読めるし、感性も豊富だ…さすがあの人の子供だな。俺は心の中でレイ様の成長に驚いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る