第2話 謂われ無きものはない

戦前から在った建物で

家付き娘であった

曾祖母もその家で生まれたのだと聞いた

祖母も母もわたしも、

その家主いえあるじとなるべく生まれた。

その家は男主おとこあるじを嫌ったので

長男があっても

外に出され、娘が家を継ぐと

暗黙の了解が有った。


しかし、祖母の弟と、母の兄は家を出ることなく離れに住んでいたのだという。

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