chapter2 第11話 なんかスッキリしない

例によって例のごとく、31~39はカット。


琴音「30層目はドラゴンだろ?40層目となるとなんだよ…」


こころ「なんだろうね。早速入ろうか。」


と、40層目に到着。だけど、中には何もいない。


優愛「…何もいないよ。こころが倒したから消えちゃったの?」


こころ「だとしたら、あのドラゴンもいないはずだよ。」


心愛「というか、ここ暗くない…?あちこちに暗いところがある…」


こころ「暗いところ、何も見えない。何か、わからない?」


琴音「暗闇において力を発揮する魔物…あ、まずい!後ろ…!」


琴音ちゃんの後ろから、蛇の魔物が姿を現す。ただ、探知をしてたからか、間一髪で攻撃をかわす。暗闇で力を発揮する蛇の魔物、そう、カメレオンサーペントの原種、ノワールサーペント。これは数ある地下の魔物の中でも特に強い。まさに最上位クラスの魔物。


ノワールサーペントは攻撃が外れるのを確認すると、暗闇に消える。この魔物の強さは、攻撃のあたりにくさ、そしてあたったとて相当いいところに当てないと治癒してしまう。


こころ「琴音ちゃん、硝煙弾雨は意味がないから今回は封印。今回は全員が前衛。あいつはちゃんと攻撃をクリーンヒットさせないといけない。行くよ!」


探知を発動する。ノワールサーペントが隠れているところは…左斜め後ろ!


こころ「《ルクス・ブラスター》!」


ノワールサーペントの体に穴が空く。怯んでいるから、追撃を待とう。


晴瑠人「《ダイヤモンドカッター》。」


地駆狼爪みたいな弾幕。カットされたダイヤモンドみたいに綺麗な三日月状の弾幕がノワールサーペントを切り刻む。ただ、体勢を直したノワールサーペントは暗闇へと消えた。


心愛「右斜め前!」


心愛ちゃんは火がついたBSを放つ。またしても怯んだ。仕掛け役が私じゃなければ、行ける!


琴音「《爆破式氷結晶》!」


ノワールサーペントの周りに氷のクリスタルが現れ、爆発する。破片がノワールサーペントを貫通する。これは威力低いんだけど、こいつを貫くには十分。あとは私が…!


こころ「《朧輝・反応爆破》!」


ノワールサーペントを朧輝で巻き、一気に爆破する。そこから、反応が消える。…やった、倒せた…!


こころ「…よし…!あとは謎の50層目だけ…!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

実際、41~49層目は余裕だった。戦いの中でみんな成長してる。


琴音「…本当だ、謎の部屋が一つ…」


こころ「今回はみんないる。入るよ。」


晴瑠人「こちら二人気質大丈夫だ。」


心愛「こっちも。」


こころ「それじゃあ入ろうか。」


意を決して、中に入る。そこには、謎の機械、光る気質で表されたコミュニケーター、謎の液体。研究室かな…?中には、男の人が一人。


「…いつも浅い層で狩ってる者に、この部屋の前で引き返した者。ここには入ってこないと思ったんだがな。とりあえず、ダンジョン攻略おめでとう。中世が始まってからこのダンジョンを攻略したのは君らが初めてだ。」


男の人は振り返る。白い髪に青い目。黒い服に白衣を身につけている。背は高く、178cmくらいだろうか?


皆希「改めて自己紹介しよう。私は東雲皆希しののめみなき。この、心恵中央要塞を建築した者であり、心恵中央要塞ダンジョン部の地形や仕組みを操作している。敵ではないから、安心してくれ。」


こころ「…やっぱりここが、心恵中央要塞なんだね。」


皆希「いかにも。古代心恵世界が滅びてから、この要塞を地中に埋め、市街地エリアにある程度心恵人を避難させていて、絶滅を防いでいる。だが、このダンジョンを攻略した者が現れた以上、もう隠す必要はない。」


と、皆希くんはあるボタンを押す。


皆希「外へでて、この要塞の全貌を見てみるか?」


こころ「まさか、このあたりに建造物を建てられないのは、このしたに心恵中央要塞が埋まっていたから…?」


皆希「そうだ。」


心愛「あの、今じゃタイミング悪いと思うんだけど…ダンジョン部…?市街地エリア…?この要塞はどうなってるの?」


皆希「この要塞は、4つのエリアに別れている。まず、この要塞が壊れない原因物質が眠る『迷宮エリア』。ここにダンジョンがある。そして、無限の広さを持つ街がある、『市街地エリア』。そして、未来の英雄隊のための作戦会議室や娯楽施設がある『居住エリア』。この研究室はその居住エリアだ。最後に様々な生物が共生し、輪還を回すためにあるエリアである、『輪還エリア』。この4つで心恵中央要塞は成り立っている。仕組みを説明すると長いから割愛しよう。」


皆希「居住エリアの各部屋は、君らの家と接続することができる。攻略特典として、どうだね?」


琴音「…居住エリアの自分の部屋にはいれば、私らの家にテレポートということか?」


皆希「ああ。どうだ。やってみるか?」


琴音「晴瑠人の家は知らんが、できるなら便利だろ。私の家繋げちゃってくれ。」


晴瑠人「俺の家も頼む。」


…なんかすっきりしないけど、ダンジョンを攻略できたし、心恵中央要塞も見つけた。真心くん達にも報告だね。


心愛「なんかスッキリしないね。」


皆希「…なんだ、私にボスをやれとでもいうのか?冗談じゃない。古代人とはいえ、君らに勝てる気がしない。私は弱い。鍛練も積んでないⅠ族なのだ。」


心愛「嘘だぁ~」


皆希「あまり馬鹿にするようならばレーザーで撃ち抜くぞ?」


心愛「さっき勝てないって言ってなかった…?」


皆希「撃ち抜くとは言ったが一言も勝負で勝つとは言ってない。」


心愛「い…いじわる…」


後にこの二人が心恵中央要塞で即興コント(ただの会話)を繰り広げるコンビになるとは、まだ誰も知るよしもなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る