Chapter 2 第4話 初めてのダンジョン
ということで、優愛ちゃんを連れて気になってたダンジョンに来てみた!
こころ「優愛ちゃんここについて何か知ってることある?」
優愛「うーん…私たちが生まれる前によく近くのダンジョンに潜ってたって言ってた。多分ここだと思うよ。」
こころ「琴音ちゃん御用達のダンジョンねぇ…」
曖昧な情報から出るってことは情報はなさそうかな。まあ100年生きてない子供に聞くのがそもそもだったかな。
こころ「まあ、最下層まで行けそうだから行くけど、途中までなら優愛ちゃん一人で攻略できそうだからやってみようか。」
優愛「でも私あんまり戦えないよ…?」
こころ「そこは簡単に教えるよ。私がちょっと前につくった剣貸すからそれで少し試してみよう。」
優愛「うん。」
と、優愛ちゃんは剣を構えた。…うん、悪くないね。意識さえ教えちゃえば弱いのは倒せそうだ。
こころ「モンスターはね、大体攻撃しまくるから、受けに徹するのが基本だよ。避けたり受け止めたりして隙を探す。小さい隙は無視かちょっと仕掛けるくらいにしといて、大きな隙は決めきる意識で大胆に行って大丈夫。」
優愛「隙無視しちゃっていいの?」
こころ「もちろん本来なら無視しちゃダメだけど、ここのモンスターなら大丈夫。それに、優愛ちゃんは遠距離攻撃がまだできないみたいだから、変に攻めたらカウンターを受けちゃう。」
優愛「なるほど…」
そんな話をしながら進んでいると、小さい四足獣の魔物が現れる。この程度だったら、任せていいでしょ。
こころ「任せるよ。思い出してね、受けに徹す。この形の魔物は一撃が重いけど遅い。だから避けるのがいい。」
優愛「は、はいっ!」
魔物が優愛ちゃん目指して突進する。よーくみて、優愛ちゃんは横に飛び、避ける。魔物が壁に衝突したのを見て、切りかかる。でも、固かったのか止めをさせていない。
魔物が反撃の構えを取る。優愛ちゃんはまた同じ構えをとる。…うん、大丈夫そうだ。
優愛ちゃんは魔物の突進に合わせて切りつける。今度は止めを刺せたみたいだね。
優愛「倒せた…私でも倒せた…!」
こころ「攻撃は喰らってないみたいだけど、一応、ね。」
優愛ちゃんの肩に触れる。これは優愛ちゃんの体の中に変な術式がかかってないかのチェック。前に小さな魔物が大発生、初心者の格好の狩場となったダンジョンが実は罠で、狩られる度に爆破の術式をかける特殊な魔物。
…結局、そこに一度でも行った心恵人は一人残らず爆破されて死亡。首謀者は人間のとある団体だったらしい。でも、優愛ちゃんには変な術式がかかってないみたいでよかった。むしろ、経験値が増幅する特殊な術式が付与されていた。これは一時的なもの、悪いものではないから、ほっといていいね。
優愛「…何しているの?」
こころ「何か変な術式がかかってないかチェック。琴音ちゃんが狩場にしてるみたいだし、一応ね。ちなみに、何も変なのはかかってない。」
優愛「そうなんだ、ありがと。」
こころ「もうしばらく狩って、もどろうか。」
優愛「うん。」
そのあとは順調だった。慣れてくると無意識のうちに気が抜けちゃうものだけど、優愛ちゃんは最後まで気を抜かなかった。まあ、そのせいで疲れちゃって今家でぐっすり眠ってる。気持ち良さそうに、ね。ちなみに、隣で心愛ちゃんがぐっすり眠ってる。こっちも気持ち良さそう。
こころ「心愛ちゃんはどうだったの?」
琴音「筋がいいんだよ。初めてなのに普通に弾幕撃てちゃうからさ。」
こころ「優愛ちゃんも、なかなかに良かったよ。最後まで気を抜かなかったし。…あとそういえば気になってたことがあって。」
琴音「なんでもいいぞ。答えられることなら、だけど。」
こころ「琴音ちゃんはⅡ族だよね?でも心愛ちゃんと優愛ちゃんはⅣ族。なんでこんなに種族が違うの?」
半人にも5種類いて、先天的な強さで分類されている。Ⅰ族からⅤ族まで。数字がおおきくなるほど強い。でも、たくさん鍛練すればⅠ族でもⅤ族より強くなることもできる。琴音ちゃんはⅡ族だから、基本的にⅠ族からⅢ族までが生まれて、Ⅳ族やⅤ族が生まれることはないんだ。
…お父さんが相当珍しい、強いタイプのⅤ族だったりすると、話は別なんだけどね。
琴音「…たまたまじゃないか?」
こころ「…何か、隠してるね?あなた、お父さんと何かあったでしょ。」
…動揺の仕方からして、まず間違いなくとんでもないことがあったのは間違いない。後は、どう言わせるか、だ。
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