Chapter 2 第2話 非日常の日常
琴音「優愛、心愛、ただいま!」
金髪の活発な子「おかえりっ!」
銀髪のおとなしい子「お母さん元気だね。何かあったの?」
琴音「そりゃあな。優しい人に助けてもらったんだ。私たちのためにってわざわざついてきてくれたんだぞ?…こころ、上がってくれよ。」
こころ「うん。琴音ちゃんに似て、元気な子達だね。」
琴音「元気すぎるのも考えものだけどな。紹介するよ。そっちの金髪が姉の
子供二人「よろしくお願いします!」
こころ「うん。私は光こころ。こっちこそよろしくね。」
琴音「こころ、ご飯作るからゆっくりしててくれ。」
こころ「なら、ゆっくりさせてもらおうかな?」
だけど、本当にゆっくりしていいのだろうか。子供たちは気づいてないみたいだけど、琴音ちゃん、かなり体力的にまずい状況だ。琴音ちゃんは魔法を少し使えるみたいだし、盗賊を倒せなかったのも、日々の疲労のせいじゃないかな…?
こころ「(すこし楽になって。《隠密型回復術》。)」
優愛「こころさん。ここの椅子座って。」
こころ「あら、ありがとう。でも大丈夫だよ。琴音ちゃんが料理してるから、少しみんなで手伝おうか。」
琴音「いいのか?なら食器並べといてくれ。」
心愛「はーいっ!」
みんなでご飯の準備。琴音ちゃんも楽になるかな。これで。
優愛「こんな感じ?」
こころ「そう!…それで、それは右側にね。」
優愛「はーい」
心愛「こっち終わったよーっ」
こころ「終わったら座って待ってよっか。」
琴音「できたぞ~運ぶから待っててな。」
そうして、食卓にお椀が並んだ。料理はとってきた野菜で作った温かいスープ。
琴音「それじゃ、たべようか!」
全員「いただきます。」
琴音ちゃんの料理、すごい…そこら辺でとった野菜だけで作ったとは思えないほど味が良い。スープの出汁は何でとったのだろう。浮かんでいるこのおいしそうな野菜は何だろう。スプーンを動かす手が止まらない。
琴音「あはは、気に入ってくれたのか?」
こころ「うん…こんなおいしいの初めて…」
琴音「料理がおいしくなる魔法の一手間を加えているからな。当然だ。」
一手間…一体何だろう。この子、私の興味しかそそらない!
琴音「あぁそうだ、すっごい話変わるんだが…なんであの森にいたんだ?あの森、あんまり資源がないからよその人が来るのはすっごくめずらしいんだ。」
こころ「…私ね、いなくなった仲間と、《記憶》を求めて旅をしてたの。」
琴音「仲間と…《記憶》…?」
こころ「そう。最初に人間界に行ったんだけど、そこには何もなかった。だからこの世界に来たんだけど、それが偶然この場所で、偶然このタイミングだった。」
琴音「そうなのか…それじゃあ、色々と情報を集めなきゃなのか。」
心愛「私たちでこころさんのお手伝いしようよ!」
琴音「…えっ?」
優愛「折角うちにいるんだもん。ここまでしてくれて、何もできずに返すのは悪いよ!」
琴音「お前ら…」
ちらっと、琴音ちゃんは私の方を見る。
こころ「ってことは、今日から私はみんなのお友達になれるってことかな?」
琴音「こころまで… …よっしゃ、少し待ってろ、今布団を用意してくるから!」
これで、私は新しい仲間とここ活動するための拠点に恵まれた。
翌日
琴音「朝ごはんつくっといたぞー」
こころ「あら、早いね。」
琴音「まあもっと前から起きてるからな…」
こころ「かなり疲労がたまってるみたいだけど…大丈夫?」
琴音「…そうなのか?」
こころ「うん。あの二人を一生懸命世話しようとして無理してるんじゃないのかな。ここに住まわせてもらってる身だから、手伝わせていいんだよ?」
琴音「無理しすぎてたのか…じゃあみんなで作業を分担すればいいのか?」
こころ「そうだね。…とりあえず、冷めちゃう前にいただくねこれ。」
琴音「あぁ、わかった。洗い物やったら…どうしようか。」
こころ「この近くにダンジョンあるでしょ?私は一旦そこに向かうよ。あなたたちは魔法や弾幕の練習をしたらどうかな?また盗賊が出たら大変でしょ?」
琴音「それもそうだな。…あそうだ。良ければ片方連れてってくれないか?」
早速分担って言った効果が出たみたい。
こころ「そうだね。行きたいって言った方を連れてくよ。」
琴音「こころほどしっかりした《気質》なら安心さ。」
琴音ちゃん、《気質》探知できるのか…もしかしたら、技術に体力がついてきていないあの時の黒の厄災みたいな感じなのかも。
優愛「おはよー…」
琴音「優愛おはよう。朝ごはんもう作ってあるから食べな。」
優愛「はーい」
琴音「…てか、心愛は?6時30分…いつもなら起きてる時間だ。」
優愛「姉さん布団畳んでる。」
琴音「おっけ、じゃあすぐ来るな。」
優愛「ところでさっき話してたダンジョンなんだけど…」
こころ「あ、二人に聞こえてた?」
優愛「うん。それ、私がついていってもいいかな。」
こころ「決まってるのね。それじゃ優愛ちゃん一緒に行こっか。」
優愛「うん。」
こころ「優愛ちゃんが食べ終わり次第私たちは出発するよ。」
琴音「あいよ。それじゃあ…日没くらいにまたここで。」
こころ「了解。」
優愛「ごちそうさまでした。」
心愛「おは…ってあれ、二人とももう行くの?」
こころ「うん。次行くときは心愛ちゃん行く?」
心愛「行く!」
こころ「それじゃ、次回連れていくから今回は待っててね。」
心愛「はーい」
こころ「それじゃいってきます。洗濯物干しておいたら片付けは私たちが帰ってからやる。掃除終わったら自由にしててね!」
琴音「あいよっいってら!」
優愛「いってきまーす」
さて、あのダンジョンで私の《記憶》やアリシアちゃんとフレアちゃんに関する手がかりはあるのかな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます