第3話 入隊テスト
木から落ちたこころをキャッチし助けたスプラウト。そのスプラウトの試験に見事合格したこころ。次は真心の番だ。
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真心「お前…何者だ…?」
レジネス「何者でもないさ。」
俺、真心がそう思ったのも無理はない。こいつが放っている威圧は常人のものではない。スプラウトですらこの威圧はしていなかった。個性は…戦いにも反映されるのか…
レジネス「来なよ。近づけるものなら。怠惰魔術師・レジネスが相手さ。」
真心「のぞむところ…っ!」
レジネス「《属性魔法弾・硝煙弾雨》」
その瞬間、文字通り属性が付与された魔法弾が雨のように降り注いだ。普通なら一瞬だけ使うの大技的な扱いだが…こいつどうなってんだ…?延々と撃ってるんだが…
真心「《魔力反射エンチャント》」
これは相手の魔法弾を弾き飛ばすための魔法だ。これを使えば野球もできるぞ。
…冗談はさておき、硝煙弾雨の密度に威力、どれをとっても恐ろしいことには変わりない。なるべく見て避け、どうしても無理な場合は魔力反射エンチャントでホームランを打つ。全部打ち返せればそれでいいが、そんなことできるのは高位魔族の体力型とかしかできないんだよな…それでも持って20秒か…?
レジネス「私とbaseballがしたいのかい?」
真心「別にお前と野球をするつもりはない。これは運動能力テストではなかろう。」
レジネス「野球じゃない。baseballだ。」
真心「なぜそこまでベースボールにこだわる…」
レジネス「二度も言わせるな。baseballだ。」
真心「発音も気にするタイプか。」
なんて会話しながらも魔法の密度威力なにも変わらないのは流石だ。だが所詮魔術師は近づいてしまえば…!
レジネス「《魔炎の剣》」
真心「なっ…!」
魔法弾を…剣にした…?
魔法弾で剣の形を作ることはとても容易だが、それを剣として扱うこと、つまり魔法弾が消えないようにすることと魔法弾の性質である進行を止めることをしなくてはならない。それはほぼ不可能に近いことだったのだが…
俺の背中から、轟音が鳴り響いた。闘技場の壁に衝突したのだ。
材質は…ミスリル、ダマスカス鋼合金か…よくわからん組み合わせだがどういうことだ…?
レジネス「《硝煙弾雨・再展開》」
また硝煙弾雨か…剣を使ってきたのは意外だったが初見殺しか…剣の振り方からそこまで熟練された剣士ではないな。
真心「《魔力反射エンチャント》」
レジネス「《魔炎の剣》」
真心「《BSエンチャント》」
レジネス「《硝煙弾雨・再展開》」
…キリがないな…これは戦法を変えるしかないか…
真心「《魔力反射エンチャント》」
そう思い、俺は硝煙弾雨に向かって剣を、投げた。
真心「《光の剣・一輝》、《朧輝・反応爆破》」
一輝は足に力を込め、光の速度で斬り込む技だ。剣を持ってなくても移動技で使える。それをしながら朧輝。この型は密度の低い朧輝を発動する。いつもの朧輝と違うのは、空気に触れると爆発するという点だ。
レジネス「もういいだろう。」
真心「…」
レジネス「で、採点は?」
スプラウト「お前がしろ。ったく…もちろん合格ラインだよ。」
んじゃ、明日から活動を始めようか。改めてこれからよろしくな、二人とも。
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