第2話 人間さん

私達は気づいたら森の中で寝ていた。記憶もほとんど残ってないから原因はのせいだと推測した。

───────────

「ねぇ…強制弱体化転生って時間や鍛錬で戻るよね…」

「わからないな…これは確か人間の技術だ。人間の作ったものだから詳細が一切不明だ…」


真心くんの言うとおり、人間が作った弾幕や魔法は私ですら解明することが難しい。


一番手っ取り早いのはやっぱり鍛錬することだと思う。転生の一種だからね。


「鍛錬を積んでから冒険する…?」

「冒険しつつでいいんじゃないか?弱体化を受けてるとはいえそこらへんの上位冒険者には負けんだろう。」

「だね。」


ということでまずは脚力から。木々の間をぬって飛び回りながら移動する。地味だけどこれを繰り返すことでどんどん脚力がついていく。脚力があれば格闘タイプの人なら蹴りの威力が上がるだろうし、戦闘中に素早く動き回ることや長く全力で動き回ることができるようになるね!


仲間を見つけるのが最優先だから探知は忘れずにしてる。唯一反応があった狼子ちゃんの反応を集中して探してみる。そうすれば精度もあがるから一石二鳥だね!──移動と脚力強化も含めてるから一石四鳥なのかな…?


まぁ、どうにでもなーれの精神で飛び回ってたんだけど反応が近くなってきたみたい。サンニンヨレバモンジュノチエとも言うもんね。…意味分かんないけど


あとちょっとで狼子ちゃんのところにつくかな…

「こころ!前前!」

「ぐえっ」


迂闊だった…探知に集中しすぎて…前の木が見えてなかった…これはやりがちなミスだけど…勢いが…

────────────

はぁ…また寝ちゃったよ…ただまぁ前のやつとは理由が違うと思うけど…


─ふかふかしてる…それにあったかい…ベッド…?真心くんこんなの作れたっけ…

「起きたか」

「う…うん…」

─この声は真心くんじゃない…知らない人…?

だったらベッドで寝てるのも納得がいくけど…あのすぐ近くに真心くんがいたはず…真心くんが到着する前にこの人が…?

「木から落ちてきたんだ。そのままキャッチして連れてきたぞ。」

「…」

なんかすっごい恥ずかしい…落ちてすぐ寝ちゃったのかな…そこまで弱く…

「お前の友人が来てるぞ。部屋で待っている。」

「うん…ありがと…」

───────────

「おーい起きたぞー」

私はさっきの人に連れられてキャクシツ?にやってきたよ。

スプラウト「改めて。俺はスプラウト。周りからはもやしと呼ばれてるな。」


真心「あぁ名前で全て理解した。」


レジネス「私はレジネスだ。その名の通り、怠惰。」


スプラウト「そんなお前に声を大にして言いたい。働け、と。」


レジネス「そんなお前に声を大にして言いたい。嫌だ、と。」


真心&こころ「「……」」

どうやら個性が強いパーティに出会ったみたいだね…


スプラウト「ホントはもう一人いるんだが…あいにく依頼を受けてるからな…」


こころ「ホント?」

どんな個性が強い人なんだろう。すっごい気になる!


こころ「あの…助けてくれてありがとう…何かお礼がしたいんだけど…」


スプラウト「そうか、なら…お前ら実力には自身はあるか?」


こころ「実力?」


スプラウト「戦いの腕前だ。実力者ならパーティに入ってほしい。」


こころ「自身はある方だよ。二人とも。」


スプラウト「よし、では一対一タイマンで勝負しよう。実際に見たい。」


こころ「うん!」


スプラウト「じゃ、移動しようか。闘技場に。」


それで私達はギルドを出て闘技場まで来た。材質は…これなんだ?知らない…ってことはゴウキンってやつかな…?全部魔法で強化されてるみたい。派手に暴れても全然大丈夫なレベルかな…?


闘技場は相当広い。これくらいのサイズを用意するってことはスプラウト(もやし?)くんは結構な実力者そうだね。パーティに入れるのにわざわざこうまでして実力を見るんだから。


スプラウト「始めようか。いつでもこい。」

こころ「うん。」


戦闘が始まった…けど多分周りからはただ立っているだけに見えるかな。


まぁ、動いたら多分すぐ斬られるね。スプラウトくんの大剣は見た目とは想像もできないほどに軽そうだ。


相手も動いたら私がすぐ斬りに行けるような体勢を取っていることも気づいてるね。動かない。


この沈黙が続く戦闘はそう無い…スプラウトくんは強い…!


呼吸するときも気をつけないと隙を晒すことになる。だけど…隙がない…


スプラウト「らちがあかないな。さっさと始めよう。」


来た…だけどまだ命中させるための攻撃じゃない…斬撃戦を繰り広げるための合図みたいな攻撃。


カシン。


斬撃だけじゃない…魔法の小細工も忘れてない…私も弾幕で剣を細工しないと…


スプラウト「…!」


こころ「…ぁっ!」


これは…足を狙う動き…!機動力を奪うつもり…!?しかも…避けづらい…!これを避けるには…多大な隙を晒すジャンプをしないといけないけど…


こころ「はっ!」


スタッ、タッ。


バク転で避ける!…まぁ速さに自身がなかったらこんなのできない。バク転してる間に斬られて終わりだから。


スプラウト「そこ…っ!」


バク転に後隙が生じると思ったのかな?だけど私は後隙なんて晒す趣味はない!


カチン。


こころ「決める…!強弾・朧輝おぼろてる…!」


スプラウト「!?」


強弾・朧輝。この技は低威力、いや無いに等しいかな…?そんな弾幕を高密度に巻くことで光の濃霧を発生させる技。終盤のここぞと言うときに使うのが得策。


カシン。


──受けるよね。まぁ。よし、追撃!


カシン。カキン。


レジネス「なあ、真心さんよ、こんな時戦いがよく見えるスコープはないかい?」


真心「朧輝対策のゴーグルはあるが…」


レジネス「スコープはないかい?と聞いたのだが。」


真心「ピンボイントだな…」


こころ「《弾幕集中》、《弾幕肥大》、《BSバレットスラッシュ》、《反動軽減》…!」


ガッシャーン!


一際大きい音がなって、試合は終了。


スプラウト「十分すぎるな、これからよろしく。こころ。」


こころ「うん。こちらこそ。」


レジネス「さぁて俺らの番か、どうする?次回にまわすか?」


真心「キャラがメタ発言するな」


レジネス「いやだって作者は話せないわけだし…」


真心「やめろ」


レジネス「ったく…」


レジネス「じゃ、始めよう。」


その瞬間、ほとばしるような威圧が俺、真心を襲った。

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