第23話 強者

 俺の拳が、奴の無防備な腹部に突き刺さる。間違いない手応えを感じる。

 拳と腹の接触は強烈な反発作用を生み、轟音を響かせながら、男の体は俺の前方へと吹き飛んだ。

 ────イケる。俺の力は、格上にも通じる。

 抱いた確信を即座に振り切り、俺はすかさず追撃を行う。奴に反撃の機会を与えては駄目だ。立て直させてはいけない。それは俺の敗北を意味する。

 自分の勝利条件を理解している俺は、奴が後方へと飛んだのと同時に、地面を思いっきりに蹴り出した。慣れない力は制御に苦心する。確認はしていないが、地面を蹴ったときの感触で、そこにクレーターが発生したことを察した。

 加速する視界。魔力による身体強化は、人間の動体視力すら上昇させる。俺は常より景色をスローに感じながら、弾丸のような速度で飛び出した。現実では、殴ってから一秒満たない時間しか経っていないだろう。そんな僅かな時間で、しかし体感では数秒の時間感覚で、俺は奴の体へと追いついた。そして二撃目を繰り出す。加速された、勢いのついた攻撃だ。それが相手の顔面部分、丁度下顎あたりに直撃する。

 思考する時間は十分にあった。だから俺はそこを狙った。脳が揺れる人体の急所。鍛えても、鍛え切るのは難しい部分を。

 瞬発力の乗った全力攻撃は、奴の下顎を正確に捉えた。だがそれほど手応えは感じない。砕くには至らなかった。でもこれでいい。奴の脳は揺れた。思考に遅れが生じる筈だ。反撃の一手は打たせない。

 ずっと俺のターンと言わんばかりに、俺はそこからラッシュを決める。オラオラだ。ここ、上級ダンジョンの魔物を一撃で殺せる攻撃が、相手の体に連打と炸裂する。顔面、胸、腹と、膝が折れて低くなった奴の体に、腕の届く範囲余すところなく打ち据えられる。

 俺の拳が奴の体を打つたびに、人体の接触程度では出せない音が周囲に響き渡る。拳を一発繰り出すたびに、反動で地面が大きく抉れる。奴の体は強制的に動かされる。それらに耐えて、維持して、対応しながら、俺は攻撃の手を繰り出し続ける。俺の拳は、肉体は、殴った反動で、強化した代償で、どうしようもないほどに悲鳴を上げている。このままではこの戦いに勝利しても、間も無く死ぬ。それを自覚した俺は、死ぬわけにはいかないと、トドメを刺して決着をつけることを決めた。

 最後の一撃は蹴りだ。散々な攻撃により、拳はやりすぎるほど酷使した。これ以上は反動でぶっ壊れる。最悪もげるかもしれない。そんなのは嫌なので、日和った俺は蹴りでトドメを刺す。今にも崩れ落ちそうであるのに、しかし未だに両の足で立ち続けるこいつに、つま先で顔面、特に眼球部分に狙いを定めて跳んだ。

 跳び上がり、身体をひねって、渾身の力を込める。俺は最高にして、最後の一撃を放った。吸い込まれるように俺の蹴りは奴の顔面に突き刺さった。衝撃が生じた。轟音が響き渡った。そして俺は感じた。手応えを。俺の蹴りが、何かを砕いたような感触を。

 俺は自分の勝利を確信して────。目を見開いた。俺の攻撃は、奴の右手で止められていた。男はボロボロになった靴だったものを、しっかりと、俺の足ごと受け止めていた。砕けたのは、俺の足の方だった。

 俺の蹴りを手のひらで受け止めたこいつは、俺の体が落下する前に足首を掴むと、横へと俺を投げ飛ばした。それほど強力ではなかった投げ飛ばしは、俺に十分な余裕を持っての受け身を取らせた。俺は再び地面に着地し、しかしそこまでだった。そこで俺の奇跡は終わった。

 魔力を使い果たした俺は、先ほどまで感じていた万能感を喪失し、脆くも地面に崩れ落ちた。俺の身体は、もう満足に立ち上がる力すら残されてはいなかった。いや、それよりも深刻な状態だった。


(あ、死ぬわこれ……)


 俺は理解した。ここで自分は死ぬ。以前に感じたなんちゃっての死ではなく、マジモンの死だ。身体の底から大切な何かが失われていく。そんな寒気がする感覚が這い上がってきた。俺はもう助からない。

 俺はそれを理解して、目を閉じた。努力とか、根性とか、そういうのを超越した死だ。もうどうにもならないやつである。諦めるには充分だった。


(ああ、くそっ……。でもこれで終わりって、マジかよ……)


 俺は死にたくなどなかった。当たり前だ。生きるために戦ったのだから。相手を殺してても生きたかったのだから。


(いや、だからこそか……)


 人を殺そうとまでして生き残る。それがいけなかったのかもしれない。だから俺の主人公補正はそこで切れたのかもしれない。だとしたら俺は、死ぬべくして死ぬのだろう。途切れ行く意識の中で、家族、幼馴染、級友たちの顔が思い浮かんだ。


「……さらばだ、皆の衆」

「喋る元気があるなら、過剰な介護は必要なさそうだね」


 辞世の言葉を呟いた俺の耳に、頭上から声が注がれた。それが誰のセリフなのかを考察する前に、地面に突っ伏した俺の体が仰向きに変えられ、お空を向いた口に何かを突っ込まれた。


「特級ダンジョン、死命の園で手に入る霊草から作られた回復薬だよ。貴重なものだから吐かずに飲み干してね」


 そんなことを言われても、そもそも無理やりされるがままになっているのだから、抵抗する力なんてあるわけない。そう思っていたが、この変な甘みのある飲み物を嚥下していくと、急に肉体に力が戻ってくる気がした。やがて俺は目を開いた。

 そこには木製っぽい容器を俺の口から離す、例の男の姿があった。


「……なんのつもりだ?」

「それより先に言うことがあるんじゃないかい? お礼とか」


 男は揶揄うように笑いながら言うと、回復薬とやらが入っていた容器を手元から消した。……消した?


「なんじゃそりゃ!?」

「ダンジョントレジャーだよ。収納能力のあるね。魔法じゃないよ」


 男はそう言って、自分の左腕に付けた腕輪を見せつけてきた。聞いたことあるわ。ダンジョンには宝箱があって、その中にお宝が入ってるって。これがそうなのか。


「ってそうじゃなくて。なんで助けたんだよ。俺を殺すつもりじゃなかったのか?」


 こいつ、いきなり俺を殺しにきたくせに、何気さくな兄ちゃんぶってんだよ。頭おかしいのかよ。

 俺の再度の問いかけに、そいつは苦笑気味な顔を作った。


「いやー、それは悪かったよ。殺すとは言ったけど、ほんとに殺すつもりはなかったんだ。一応ごめんね?」

「一応ってなんだよ。謝るならちゃんと謝れよ」

「負けたくせに随分と偉そうだね君は。それと、まだ命を助けたお礼言ってもらってないけど?」

「その前に今回の件の説明が先だ。確かに助けてもらったけど、お前がまだ敵じゃないって俺の中では確定してないんだ。お礼言ってからまた殺し合いになって、言い損になるのは嫌だ」


 俺の返しに、男は「強情だねー」と軽薄に笑った。俺は自分の両手を見てみる。傷一つない綺麗な手だ。少し前までボロボロだったとは思えないほどに。俺は自分の右足を見てみる。軽く動かしみるが、砕かれた痕跡なんかは一切残ってない。ボロボロの靴がなければ、足元の血痕がなければ、先ほどまでの戦いが幻かと思うほどだ。回復薬とか言ってたあの飲み物、とんでもないな。めちゃくちゃ高いやつなんじゃないか。代金とか絶対払わないからな。

 自分の状態を確認しながら支払い拒否の決意を固める俺に、男が名乗りを始めた。


「取り敢えず自己紹介しようか。僕の名前はエリック・ハウゼン。アルバーニュ公爵家雇われの白金級三位攻略者だよ。よろしく」

「……ライル・ウォルカー。9歳」


 名乗られたからには名乗り返すのが礼儀である。だから俺も名乗った。ってかやっぱこいつ白金級かよ。金級じゃなくてよかったわ。よくないけど。でもマジかよって感じだ。白金級ってこんなに強いのか。

 俺が内心で納得と驚きを混在させていると、エリックは得心を見せた。


「やっぱり君がライル君か。予想正しく何よりだよ」

「……俺を知ってるのか?」

「まあね。ここの村長殿が、この村には強くて危険で野蛮な子供がいると教えてくれてね。もしかしたらと思ったんだ」


 何をチクってんだよ、あのボケカス糞爺。誰が危険で野蛮じゃ。それはお前の息子だろうが。ガキ相手にクソしょうもない嫌がらせしやがって。個人情報の保護もあったもんじゃねえ。


「まあ、君を脅したのはそういうわけだよ。強い子供というのがどの程度か知りたかったんだ」


 エリック曰く、ダンジョンの下見に来たら、俺がコソコソ何かやってたのに気づいたらしい。最初は止めるつもりだったが、俺が結構な手際を見せたせいで、例の強い子供だと察してしまったそうだ。今の状況を利用できると考え、みすみす俺をダンジョンに侵入させて、罰という形で力試しを行ったという。いやいや、ちょっと待てい。それはおかしいやろがい。


「お前、俺のこと本気で殺すつもりだったろ。殺気とかビシビシ感じたぞ。そもそもそもそも、それで俺がビビって降参したら意味ないだろうが。普通に手合わせ申し込めよ」

「それじゃあ面白くないだろう? 真価は生の瀬戸際で発揮されるのだ。それに、あれで萎縮する程度ならわざわざ測るまでもないしね。あの方法が都合よかったんだ。……でもまさか、奥魔の至りを使うとはね。流石に驚かされたし、痛かったよ」

「おうまのいたり?」


 傷一つない顔をわざとらしく摩るエリックに、俺は初めて耳にする言葉を聞き返した。


「君の使った技、と言うより魔力技法は、世間一般では奥魔の至りと呼ぶんだよ」

「初耳なんだが。え、もしかして村の外じゃ常識なのか?」


 俺の究極状態が村の外じゃ当たり前とか、普通に凹むんだが。


「いやいや、全然そんなことはないよ。言葉を間違えたね。ここで言う世間一般は、ダンジョン攻略者とか貴族とか、魔力に深い関わりのある人たちのことだよ」


 よかった。ガキ大将ライル村の外を知らず。みたいな間抜けな故事を生み出さずに済んだ。まあ、知ってたけどね。ほんとに。実質金級だったらしいシュタットは使えないっぽいし。


「その奥魔の至り? って凄い技なのか?」

「それはもちろん。と言うより、君はどうしてそれを使えるの? これを体得してるのは大体金級二位以上の実力者なんだけど。君、おかしくない?」


 金級二位! 俺はそんなに強かったのか。負けたけど。でも俺って凄いな。


「俺は天才だからな。だって金級二位だし。お前は三位だっけ?」

「僕は白金級だけど……って9歳の子供に張り合うことじゃないな。──それで、天才ライル君はどうしてそれを使えるんだい?」

「知らん。たくさん修行したら使えるようになった」


 俺は隠すことでもないので正直に適当に答えた。死にかけたら使えるようになったと言うのが正しいかもしれんが、あのイベントがなくても俺は強くなってた。多分。だからこれは修行の成果と公言して正しい筈だ。余罪を話したくないからではない。


「うーん……? まあ、そういうこともあるかな?」


 エリックは微妙に納得していないようだったが、深く追及してくることはなかった。


「ああ、忠告するけど、今の君に奥魔の至りはまだ早いからね。滅多なことじゃ使わない方がいいよ」

「誰のせいだと思ってんだ。お前が処刑宣告して来なきゃ、俺はこの力を大人になるまで封印するつもりだったんだぞ」

「あっ、そう? それは懸命だね。それと本当に悪かったね」


 全くだよまったく。こいつのせいで死を覚悟したんだぞ。もっと謝れもっと。


「それにしても、ライル君は本当に賢いよね。ここまで話してみて、とても一桁年齢の子供と話している気にならなかったよ」

「だから俺は天才だって言ったろ。そこらのガキと比べるんじゃあない」

「ほんとにね。ダンジョンに無断侵入を犯すくらいに度胸も無謀も優れてるよ」


 くそー。さっきから思ったてたけど、こいつ舌戦でも強いな。同年代とはレベルが違うわ。ムカつく。

 俺のイラつきなど意に介さず、エリックの奴は会話を続ける。


「今の護衛対象様も賢いけど、君の賢さは彼とは質が違って感じられるよ」

「ん? それって例の公爵家の次男様か?」

「そうそう。家柄自慢のアホ貴族よりは百倍マシだけど、家訓が染み付いた頭でっかち、と言うよりは権威主義者なのかな? とにかく偉ぶったガキンチョって感じだね」


 その言葉にはそこはかとなく、貴族への恨みが込められてる気がした。自分の雇い主様をそこまで言い貶めるのか。これ聞かれたら処刑もんなんじゃないか。ラッキーだわ。もし俺が今回の件で罪に問われたらこいつを売ろう。少しは罪を減じてくれるかもしれない。うひひ。


「うわー、悪そうなこと考えてる顔だね。なにを思いついたの?」

「全然大したことじゃないので、お気になさらず。それより、お前って白金級なんだろ? なんで貴族の雇われとかやってるんだ?」


 実際に戦った、と言えるほどではないが、こいつは金級二位の俺の攻撃を無防備に受けたのに、反動だけでボロボロの俺と違ってなぜかピンピンしてるような化け物だ。こんな強い奴なのになんで貴族なんかに従ってるのか。特級ダンジョン関係なのかって予想はつくけど、こんだけ強いなら魔境に行けばいいし、他の国でだって成り上がれるだろう。五大貴族とはいえ、子供のお守りをする理由が分からん。

 俺の世間知らずで不躾な質問に、エリックは気を悪くすることなく答えた。


「端的に言うと、その方がメリットがあるからだね」


 この国では王家と五大貴族が強い力を持っている。それは一つを除く、特級以上のダンジョンを独占する程だ。一般人は彼らとの結びつきを強くしなければ、それらのダンジョンに入ることは叶わない。だから特級に挑めるほどの強者は、彼らとの関係構築に臨む。時には血縁者との婚姻を結んでまで。


「でも白金級になると少し違う。ネイザールでも白金級は貴重な戦力だ。過度な要求や制限を課して、他国に行かれても利益は無い。だからこの国では、魔境遠征による特権制度を設けてるんだよ」


 白金級以上の実力を持つ攻略者に、魔境大陸での開拓義務を与える。そこで一定以上の成果を上げるか任期を全うすると、ダンジョンに挑むフリーパス権が貰えるらしい。正確には、それぞれの家が管理する特級のうちの一つと、超級ダンジョンということだ。俺も欲しい。


「いや、それがあるならなんで雇われなんだ? フリーじゃないのか?」

「それは終わってからだよ。僕はまだ途中なのさ。任期中は王家と五大貴族の中から、支援者とする一家を選ぶんだ。僕が選んだのはアルバーニュ家。その間はこの家に報酬を貰ってるから、家の意向と都合をある程度聞かなきゃいけない。嫌になったら辞められるけど、その場合は五大貴族の一家を敵に回すことになるね。でも雇い主様も自家の悪い評判なんて流されたくないから、基本的に無茶は言われないよ」


 へー、つまりは今回のお守りも、そのしがらみ故にってことか。白金級様も大変なんだな。

 俺がなるほどと頷いていると、エリックはこれまでよりも、声に重みを持たせて言葉を紡いだ。


「──それも、虹級になれば変わるけどね」


 その言葉に、俺は思わず顔を上げた。視界に映ったエリックの表情は、これまでの軽薄さが嘘のように薄まっていた。まるでそれが本来の顔であるように。

 それは僅かな時間であり、すぐに先ほどまでの笑みに戻った。


「白金級は確かに上澄みだけどね。それだけで好き勝手自由にやれるわけじゃないんだ。でもそれも、白金級一位か、虹級になれば話は変わる。攻略者の最高位と準位であるこの二つは、攻略者協会が置かれる国、ひいてはこの大陸において特別な意味を持つ。王家や五大貴族からの影響も、ある程度排除できるほどにね」


 そんなに凄いのか。攻略者協会って弱小組織って聞いたけど、その権威は結構有効なのか? それとも攻略者ランクの共通認識が偉大なのか? 白金級一位以上って言ったら、特級ダンジョンをソロ踏破できるくらいなんだろうし。こいつですら三位だもんな。やっぱりすごい化け物してるんだろうな。


「実際この国にいる虹級は、どこの家にも属していない完全フリーだよ。ダンジョンのフリーパスを持った上でね。そのくせどの家からも高待遇での誘いを受けている。熱烈にね。彼らの生き方こそ、僕たち攻略者の理想と言えるんじゃないかな」


 ほーん。俺の理想は俺だからどうでもいいな。


「自由にやるには地位が必要。地位を得るには力が必要ってわけ。僕がいるのはまだその途上だ。たどり着けるかも分からない道のりのね」

「なるほどな。まあ、俺はたどり着くけどな。だって俺、世界最強になるし」

「言うねー。僕にも全く敵わなかったくせに」

「9歳のガキと競ってる時点で程度が知れるぞこの野郎」


 俺の生意気な答えに、エリックは「確かにね」と可笑しそうに笑った。こいつ話が通じるやつだな。プライド高そうな小物なら、ここで目元をピクピク痙攣させてるだろうに。うーん、白金級って精神的にもこんなんばっかなのかな。こいつが特殊なだけかな。距離感バグりそうだ。

 一通り笑ったエリックは、笑うのをやめると態度を改め言った。


「さてと、僕はそろそろ帰るとするよ」

「うん? 下見はいいのか?」

「それは終わったよ。僕の役目は調査通りのダンジョンであるか確認することだし。見てみなよ」


 そう言ってぐるりと辺りを見回すエリックの視線を追って、俺も周囲を見渡してみる。心なしか、遠くに見える影の数が減ってる気がする。


「ここの魔物イミッジは強者に近づかないからね。僕たちの戦闘、と言うより君の魔力の余波に当てられて、自分たちでは敵わないと逃げたようだね。というわけで下見は終わり」


 そういえばそんな設定もあったな。まあ、うようよ寄ってくるよりはいいか。魔物だけならこいつに倒してもらえばいいけど、魔石は俺の物にならんだろうし、危機に陥るだけ損だ。


「僕は先に帰るけど、君もさっさとここを出なよ。僕以外に見つかったら、本当に処断されちゃうからね」


 それだけ言い残して、シュタットはこの場から去って行った。俺は一人この場に取り残された。いいけどね。見送られても気まずいだけだし。それほど仲が良いわけでもないし。

 とにかく、一人になった俺は、そんな気分でもなくなったため、当初の目的は放棄して大人しく帰ることにした。公爵家の持ち物を盗み出すのが怖くなったとか、そういうわけではない。

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