第19話 第1部終了だとしても綺麗にまとまったりしない〜第1部終了なのにここに来て新キャラです〜
「おつかれ、てっちゃん」
「なんか、澪と帰るの久しぶりな気がするな」
「言うて2日ぶりだけどね」
そう言ってクスリと笑う澪。深谷先輩の意外な告白で今日は大分疲れて部活をして疲れてようやく帰る所なのだ。澪といるとなんやかんや楽だし楽しいからな。…たまに、すごい疲れるけど。
「なんか、今日あったの?」
俺が疲れていることに気がついたのか尋ねてくる澪。相変わらず鋭いな。でも、さすがに深谷先輩の秘密を言うわけにもいかない。
しかし、下手に嘘をつくと見破られる。
ここは、黙秘が吉か?
「黙ってないでなんか言ってよぉ」
俺が黙りこくったのが楽しくないのか、澪が不満げに声をあげる。しかしなぁ。
「てっちゃん大臣、今回の件に関してご説明願えますか?」
「俺、政治家とかじゃないんだけど?」
「そうですか…黙秘を貫くということですね」
「なんで、記者のマネしてんの?」
「しかし…今回の件に関してはさすがにコメント頂かないと澪さんが納得しないかと」
「納得しないの国民とかじゃなく澪だけなんだ」
「今回の件で、地球の4分の3は吹き飛んだわけですし…原因のてっちゃん大臣の説明がないと納得できないかと」
「それは澪だけじゃなくて世界に説明しないといけない案件では!? 何、俺もしかして魔王なの!?」
「イエス、マイマム」
「アイアムな。相変わらず英語に弱い!」
「ミー全然イングリッシュオーケーですよ?」
「英語に弱すぎる! 日本語途中に挟んでるしカタカナ英語だし」
「オォーケー」
「全然オッケーじゃねぇ!」
グッと親指を立ててくるが全然大丈夫じゃない。澪は英語が終末を迎えている。
「ってあれ、泡瀬さんじゃない?」
「あっ、本当だな」
「朝一緒に登校した中だし、一緒に帰ろうよ」
「いや、朝は事情があるから一緒に登校してるだけだし…そこまで、積極的に話しかけに行かなくても」
「犬猿の仲だったけ? でも、今そんな感じしないけどな。それに私、泡瀬さんとちょっと話してみたいし」
「あっおい、待て」
澪は泡瀬に駆け寄っていく。あぁ、なんかもうどうでもいいや。最早、諦めの域である。
「あっ、平井さん」
「泡瀬さん、今日の朝ぶりだね。お久〜。後ろに、てっちゃんもいるけど気にしなくていいからね」
「鳥田もですか…」
何故か、微妙な顔をしている泡瀬が目に入ってくる。というより、何かを気にしてるような顔だ。なんか、あったのか?
「お、おう泡瀬朝ぶり」
「こ、こちらこそ」
「なんか2人固くない? 朝、そんな感じじゃなかったような?」
「それには理由があってだな」
これ以上怪しまれても困るので、泡瀬が朝に弱いということを澪に伝えようとした時、俺には耳馴染んだ声、澪と泡瀬には全く聞き馴染みのないであろう声が聞こえてきた。
「あっ、とりにぃじゃないすか。チース」
「おっ、ユノじゃないか。あと、とりにぃヤメろつったよな?」
「おっと、忘れてましたっす。ごめん、とりにぃ」
「お前、わざとやってるだろ?」
「にしし、バレたっすか? 久しぶりだったんでつい嬉しかったす。不快だったら申し訳ないです」
「まあ、不快じゃないし全然いいだけど」
「かー、相変わらずとりにぃは甘いっすね」
とそんなやり取りをしていると泡瀬と澪がポカーンとした顔をしている。澪にも会わせたことなかったしなぁ。しかも、こんな見た目だからビックリして当然か。
「あー、こいつは西田 ユノつってな。まぁ、金髪つうことで気になってるとは思うが…これ、別に染めてるわけじゃなくて地毛なんだよ。見た目と口調のせいでギャルと思われがちだが…口調は日本を勉強する際にマンガとか読んで勉強したから口調がマンガのキャラに寄っちまってな。だから、誤解しないでくれると嬉しいというか」
そう、西田 ユノは見ての通り金髪かつ語尾に「〜ス」をよくつけてしまうギャルぽい姿なのて結構驚いていると思うが…こいつ、ハーフでちっさい頃に、日本にやって来たらしいんだよな。
「「いや、問題はそこじゃない!!」」
「あれ?違ったの? 何か、おかしい所でもあったか?」
てっきり、ユノの金髪に驚いていると思ったんだが?
「こんな、可愛い子といつどこで何で出会ったの!? はぁはぁ」
澪が息を荒げている。…そういや、こいつ美少女大好きだったわ。特に、金髪の。
「とりにぃ、なんかユノ身の危険を感じるんすけど?」
「うん、普通に逃げた方がいいかもしれん」
少しユノが震えていた。そういや、こいつ結構人見知りだしガンガンタイプの澪は苦手かもなぁ。今の澪は人見知りじゃなくても怖いかもだけど。
「こんな可愛い子を…鳥田まさか、犯罪に手を?」
「泡瀬は俺をどういう認識で見てるんだよ。
そんなわけないだろ。…色々あったんだよ」
本当に色々あった。というかありすぎた。語るのも疲れるくらいあったのだ。
「はぁはぁ、ユノちゃん」
「とりにぃ」
「うん、逃げろ。あれはヤバイ」
「うっす、じゃあとりにぃ。またいつかっす」
「おう、じゃあな」
そう言うとユノは全力で逃げ去っていった。
まぁ、今の澪を見たらそうなるよな。
久しぶりの再会だったので、若干もう少し話していたかったが…しょうがないな。ってか、それよりも。
「てっちゃん、ユノちゃんのおうちを教えて! 襲いに______いや、挨拶しに行くから」
「うん、完全に襲う気だな。ダメに決まってだろ?」
「鳥田は犯罪に手を犯したと…間違いはありませんね?」
「間違いだらけなんですが!? 泡瀬、もしかしてお前これを機に俺を学校から追い出して学年一位を死守するつもりか!?」
ヤバイすぎるこいつらをどうにしないといけないな。澪は犯罪に手を染めそうだし、泡瀬には冤罪で俺が捕まる可能性がでてきた。
今日は、体力ないんだけどなぁ。
「親友が美少女達とイチャついてる予感がしたので飛んできたぜぇ。ぶっ飛ばしてやるぅぅぅぅ」
「うるせぇ」
ヨウまで現れやがった。とりあえず、電柱にでも縛りつけておくか。
「ふふ、やはり2人は…。いいです。いいですよ〜このシュチュエーション。ヨウ君の嫉妬です。書けます。書けますですよ〜」
なんか、深谷先輩まで塀に隠れてないか!?
「はぁはぁ、てっちゃん紹介早く」
「あー、もしもし警察ですか? はい、鳥田という男です」
「桔平、まじ許すマジ」
「あぁ、もどかしいです。早くくっついて欲しいです」
「こんなのどうすればいいんだよ!!!」
本当に面倒ごとが転がりこんで来るのはやめてくれ。今まではこんなことなかったのに。
こんな面倒ごとに巻き込まれるようになったのは泡瀬と会った夜からだ。
何? それは責任転嫁だって? でも、そうでも思わないとこの状況やってけねぇだろ!?
俺、今日もう体力ないって言ってるんだけどなぁぁあ。
俺は、夕日の中絶望にくれるのだった。
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第1部終了なのに暴走しちまいました。
てへ…すみません気持ち悪くなっちゃいました。
第2部からは、体育祭が始まり混沌と欲望が渦巻く体育祭編が始まる予定です。結構、長くなりそうです。色んなキャラが大集結です。ユノちゃんも暴れるかも…?
ユノちゃんに関してはこれから少しづつ情報が出てくるので待っていてください。
というか、これタイトル変えた方がいいですかね?「夜中に俺と犬猿の仲の泡瀬さんと出会ってから俺のリアルが崩れ始めた」とかに変えた方がいいですかね?
今のタイトルか、このタイトルかどっちがいいか良ければ教えてください。
最後に、こんなノリとテンションが強い本作をここまで読んでいただきありがとうございます。第2部では、ラブ要素も増えていってストーリー展開も出てくると思います。
ここまで読んでくれた皆様。もし、良ければ星と応援お願いします。第2部を作る上での力になります。お願いします。
では、第2部でまた会いましょう。(普通に、明日公開するのでご心配なく)
本当の本当にありがとうございました!!
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