第17話 告白?(泡瀬さん視点)


「はぁ、これかぁ」


 私は、先生に頼まれたゴミ袋を見つけるとため息をつく。私が思ってたのより結構大きかったのだ。これ、結構時間がかかるかもなぁ。


「よいしょっと、さて行きますか」


 私は、両手でなんとかゴミ袋を持ち上げるとヨロヨロと体育館裏の方へと向かっていく。


 それにしても重たい。なんで、こんなに重たいんだろう? ……。


 ガサゴソ、ガサゴソ。少し気になったので袋を解いて開けてみる…そこに入っていたのは?


「え!?」


 西洋風のお人形。なんで!? なんでなの!?

 なんで、学校のゴミ袋にこんなものが!?

 明らかにおかしいって。


 なんで、こんなものが捨てられてるの!?

 しかも、この子の目めっちゃ怖いんだけど!? この子、メリーさんだったりしないよね?


 あの、クリスマスにやってくる陽気なメリーさんだったりしないよね?(それは、メリークリスマス)


 トナカイに乗ってくるやつじゃないよね!?(それは、サンタさん)


 落ち着いて、落ち着くの。息を吸って…吐いて。 吸って…吐いて。


「よし、落ち着いた。もう、大丈_____」


 ゴト←日本風のお人形


「なんでよ!? さっきから、なんなのこのお人形シリーズ。不気味でしかないんだけど!? この学校呪われてたりしないよね!?」


 ちょっとゴミ袋の中身を見てみたら、この学校の暗部を見てしまった気分。これ、軽いホラーなんじゃ?


 結構、怖くなってきてしまったので慌ててお人形さん達をゴミ袋に入れて、(ごめんなさい)体育館裏へと急ぐ。怖い。怖すぎるよぉ。


 体育館裏に近づくと何やら声が聞こえきた。

 なんだろう? でも、今はそんなこと気にしてられない。このお人形ズを封印しないと。


 そう思い、ドンドン気にせず近づいていくが声の主が分かってはたと足を止める。


「だから」


 この声、深谷先輩の声じゃない?体育館裏の目の前まで来たと言うのに私は声の主に気がつき足を止める。深谷先輩はこんな場所で誰と話しているんだろう?


 少し気になった私は気がつかれないように体育館裏を覗き込む。


 そこにいたのは…。


「鳥田!?」

「うん、なんか今声が」


 思わず声が漏れてしまい気づかれそうになる。


「いや、気のせいかな? で、深谷先輩続けてください」

「はいです」


 なんで、なんで深谷先輩と鳥田がこんな場所で話してるの? …まさかね。体育館裏は有名な告白スポットだけど…まさかね。それに、鳥田が告白されようか私には関係な_____。


「一目惚れだったんです。大好きなんです。

 どうか、お願いします」

「先輩、先輩、顔上げてください」


 告白だった。バリバリ告白だった。

 と、鳥田が告白されようが知ったことじゃないし。


 …でも、鳥田はなんと答えるのだろうか?

 鳥田なら、やんわりと断るだろう。鳥田は彼女を作りたくないという噂がある。


 勉強の邪魔になると鳥田本人が言っていたらしい。深谷先輩は、可愛いし美人さんだけど鳥田には関係な_____。


「気持ちは分かりました。…でも、少し考えさせて欲しいんです。先輩の真剣な気持ちには、真剣に答えたい」

「わ、分かりましたです。私、鳥田君の返事待ってますね?」


 えっ!? あれ? 断ら…ないの? 考えるって? 付き合うかもなの?


 関係ないじゃん。鳥田が誰かと付き合おうと私には一切関係ないじゃん。


 よくよく、考えたらそうだよね。だから、別に私が気にすることじゃない。


 だと、言うのに。私は、何故かその場にいてられずその場から立ち去ってしまうのだった。


 くっ、なんで。胸がこんなにも痛むのだろうか? 私は、胸に痛みを感じつつもあの場から少しでも離れるように走るのだった。



 →→→→→→→→→→→→→→→→→→→→



 次回は、主人公視点に戻って呼び出されたところの続きから始まります。


 ようやく、少しずつ泡瀬さんが意識をし始めましたね。さぁ、これからどうなるのか?

 次回をお楽しみに。もし、良ければ星と応援お願いします。


(昨日はお休みをして申し訳ありませんでした。体調が悪かったため休ませていただきました。作者の勝手な都合でごめんなさい)


 あっ! あと、新作の短編ラブコメ書いたんで良ければ見に来てください。

 今回のは、短編ということもありラブ要素かかなり強いです。甘々が好きな方は是非!!


「おやすみ」と言いたい夏森さんは、寝かせてくれないのに「おやすみ」と言ってくる。

 ←https://kakuyomu.jp/works/16817139558965741800

 です。良かったらよろしくです。










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