第16話 体育館裏に呼び出しってマジですか?
「今日の昼食は、デン! タコさんウインナー♪ てっちゃん食べる? 食べる?」
「今日の鉄槌は、タイキック♪ 桔平受ける?受ける?」
「どっちも遠慮しとくよ。あと、ヨウはキモいだけだからやめた方がいい」
「シンプルに辛口!?」
「えー、そんなこと言わずに食べてよ。タコさんウインナー」
「また、クラスの奴らに襲われそうだからいやなんだよ」
1日ぶりに戻ってきた澪と、俺とヨウはいつものように昼食を食べていた。なんか、あれだな。1日いなかっただけなのにとても懐かしく感じるな。
そんなことを考えながら、勉強の疲れを癒す弁当に舌鼓をうっているとあの人の声が聞こえてきた。まさか、今日も来たのだろうか?
「今日も来ましたです。鳥田君に、ヨウ君、それとあなたは初めましてですね。深谷 糸です」
「ええっ、どういうこと!? なんであの深谷先輩がここに!?」
「多分、来ると思ってました」
「深谷先輩なら、大歓迎ですよ」
「2人ともすんなり受け入れてるし…私が少しいない間にどんだけ仲良くなってるの!?」
澪が目を丸くしているが、正直俺にもよく分からないので答えようがない。
「今日も色々教えて欲しいのです。まずは…どんな告白されたら嬉しいですか?」
「あぁ、今日は大分軽い質問ですね」
「軽いの!? これ、軽いの!? 大分、踏み込んでない? ってか、なんでそんなに仲良さそうなの。…むぅ」
何故か澪がむくれてしまったが…こういう時の澪に話しかけると大体機嫌が悪くあたられるので無視した方がいいだろう。
「好きな告白方法ですか…特にありませんね。告白されたくありませんし」
「嘘です! 鳥田君と言えど男子! 告白されたら嬉しいですよね?」
「嬉しくないと言えば嘘になりますが…いや、嬉しくないですよ」
「なんなんでしょう。この微妙なツンデレ感。可愛いです。これも、メモメモっと。
…案外、鳥田君は--もありかもです」
「俺は何がありなんですか?」
「お気になさらず」
最後の方は、ごにょごにょ言っていたので聞き取れなかった。
それにしても、何故すぐにメモを取るのだろう?
しかも、何故か横では澪が更に機嫌を悪そうにしてるし。なんか、俺した?
「あっ、今日はこれだけでいいです」
「昨日は沢山していったので、てっきりもっとするのかと思いました」
「昨日、これより踏み込んだ質問を大量にしたんですか!? ヨウ! てっちゃんと深谷先輩がなんでこんなに仲が良いの!? こ〜たえて〜!!」
「話す。話すから、首を締めないで話すから! 死んじゃうって、これマジで! おい、桔平も助けろ! 深谷先輩と話してんじゃねぇ!!!」
しばらくすると、ヨウがおちてしまった。助けてやりたかったがあの状態の澪に近づくと俺も殺されかねないから…仕方ないよな。
必要な犠牲だったんだ。アーメン。
「それでですね」
「あっ、はい」
「俺を弔う言葉、アーメンだけなの!? あと、もうちょっと悲しんで? すぐに次の話に移らないで?」
「蘇ったの? ヨウ、何があったの? はなし〜て〜」
「話す。話すからやめ_____」
俺と深谷先輩が話している間に、またヨウが天に召された気もするが気のせいだろう。
「それで、お願いがあるんです」
「何ですか?」
聞き返すと深谷先輩は、少し頰を赤らめ体を震わせている。まるで、緊張しているみたいだ。しかし、決心したのか俺に顔を近づけてくる。
「えっ、先輩? 顔が近_____」
「今から、体育館裏に来てくれないですか?
もし、来てくれるのでしたら五分後に来てくださいです」
深谷先輩は、俺の耳元で囁いた。深谷先輩の息が耳に伝わってきて少しくすぐったい。
って今なんて言った? 体育館裏? 何故?
「ふふ、私はさきに行ってますです。来てくださいです」
「分かりました」
よく分からなかったが気がつくとそう答えていた。
深谷先輩は、それだけ告げると体育館の方向に向かって元気よく歩きだしていた。
よく分からないけど…行けばいいんだよな?
*
一方その頃、泡瀬さんは…。
「泡瀬さーん。これ、ゴミ捨て場に持っててくれない?」
「いいですよ。確か、体育館の裏の方にありましたよね?」
「そう。先生これから会議だから、悪いけどごめんね? 今度、ジュースでも奢るから」
「いいんですか? じゃあ、奢ってもらいます」
「じゃあ、よろしくね」
「はい」
泡瀬さんも体育館裏に向かおうとしていた。
→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→
次回は泡瀬さん視点で描かれます。その次は、主人公視点に戻りますので安心してください。
次回、深谷先輩が告白? 主人公の返事は?
それを見た泡瀬さんは?
もし、少しでも続きが気になれば星をお願いします。
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