愛されたいだけ -7-
赤い月が照らす
何度もコケながら、声にならない叫び声を上げながら逃げ
松山城の下に広がるこの公園は、犬を散歩する人や放課後に遊ぶ高校生、美術館帰りの人などが沢山いる。だが、【
広大な
「なんで……僕は人助けをしただけなのに……っ」
時は、二週間前に
『誰か、誰かきてください!ひ、人が倒れてます!』
最低限の幸せを手に入れていた良政は、妻とともにこれからの人生を
そう、この目の前で倒れている女性を助けるまでは。
『あなたは救急車を、あなたはAEDを持ってきてください!』
女性が倒れていたのは
呼びかけに対して反応を示し、近づいてきてくれる人が五人ほどいた。全員男性だった。
まぁ、見てみぬフリをして
今の時代を
助けもせず、ただスマートフォンを開いて動画撮影していたのだ。
『人が死にそうだってのに、何を
そう
呼びかけても返事はなく、呼吸もしていない様子だった。
そう確認して間もなく、女性を
正しい順番は正確に守れていないかもしれない。ただ、人が目の前で
『持ってきました!AEDです!』
『ありがとうございます。助かります』
駅員さんが状況を察したのか、尋ねるよりも前に準備して手渡ししてくれたらしい。
『みなさん、こちらから指示するまで周りを取り囲んでもらえますか?動画を撮影している人がいます。この女性のプライバシーを考えないと』
周りにいた四人––––––一人は救急隊員と連絡を取りながら––––––持っていた道具やら服やらを上手く
『電気ショックを行います、離れてください!』
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