愛されたいだけ -5-
「それで、今日も今日とてあなたのオタク
「当然だ。じゃなきゃ呼んでない」
「はぁ、どうぞどうぞ」
何年もこうして話を聞いてきた。もう二人にとって彼のオタク心をどうこうしようという行為はもはや
「見ちゃったんだよ!ついに【
「【
「そうそう、その【
和希はこれまた嬉しそうに、カバンから一枚の写真を取り出す。そこに写っていたのは
白銀のコートらしき物を
身長は180くらいあるだろう。長い足と
「あの、ごめん……あんまりその【
「名前を知ってるだけとか、存在を認知しているだけの人も多いらしいよ。」
和希はもう一度コーヒーを口に含み、苦いと心の中で叫んでから話を続ける。
「月が赤くなる時、あるだろ?」
「うん、確かに
「異常っちゃ異常よね。でも、それが––––––はい和希どうぞ」
パスを受け取った和希は一度、軽く
「その月が、人間の負の感情に作用して、化け物を生み出すらしいんだ。原理とか
「そうなんだ……こ、怖いね。赤い月が出た時、確かに押し潰されるような……そんな感じするもん」
オレンジジュースの入ったグラスを強く握りしめた杏は、確かに少し怯えている様子だった。
杏が言った通り、赤い月が
上司から怒られて、体が縮こまる感覚に似ているが、その規模は半端じゃ無い。
だからこそ、一般人は赤い月が出た時には家や建物内に籠り、その現象が治まるまでジッとしておくのだ。立つ事すら困難になる人も出る。
故に、【
相手は人を殺しかねない意志なき
「そこで【
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます