第20話キケンな一線対策

「コロネちゃん、なんもやましいことないよ」

 指を差し入れられながら、まっちいこと魔法少女マチルダは切なそうに口で息をした。女の子が女の子に……僕は何を見せられているのだろう。


「マチルダさん、ここに来た目的は?」

「ハルマさんが持ってた、くしは組織から魔女に支給されたものやったから、どういうことやねんと」

 冷静に質問しながら人差し指と中指をゆっくり出し入れする競泳水着姿の入鹿コロネ。細い体をくねらせながら返答する小学6年生。見てしまうんだけど、痛々しい。


「コロネちゃん、止めてあげて」

「Tシャツにハーフパンツという無防備な格好で男の人の部屋に来るのは、下心があったからですよね?」

 またこのコは僕の話聞いてない。ちょっと様子を見ていることにした。


「ハルマさんに魔法をかけて硬くしたんですよね?そんなにエッチしたかったんですか」

「それは呪文を間違えてしもうただけで、変換魔法を解除しようと、あっ」

 魔法少女小学6年生が唇を半開きにして目を閉じた。


「間違えて呪文をかけて、コンドームをハルマさんに被せたというその理由は」

「体や服になんかついたら言い訳できんやん」

「この状態で嘘をつけるとは考えづらいけど……」

 

「コロネさん、それぐらいにしてあげてよ。僕も悪かったんだし」

「ハルマさん、彼女がいつからこの姿なのかご存じですか?あたしが10歳の時に、既に小学6年生で実年齢はあたしも知らないんです」

「魔法少女はエッチはダメなんでしょ?なにやってるの」


「もう少し説明します。魔法少女が男の人とエッチすると、罰として24時間マスコットの奴隷になります。契約違反ですから」

「無理矢理されても?」

「普通の男性には魔法少女は押し倒せません。ハルマさんはサキュバスのヒサメさんから魔力が流れ込んで魔人状態ですから、また別の話になります」

 

 入鹿コロネは額に汗を浮かべながら、まだ人差し指と中指を小学6年生の体に出し入れしていた。むむ、まっちいこと魔法少女マチルダは現在公立中学2年生の彼女より年上?


「24時間マスコットの奴隷になるというと、あの怪人エップスのいいなりになるってことか」

「どんな風に言いなりになるかというと、まず歯を矯正させられます」

「うっ、予想外にキモい」


「エップスの奴、『まっちい様は全部差し歯にしたほうがよろしいですね』とゆうとるけど、趣味が美少女の抜いた歯のコレクションや」

 見た目小学6年生が喘ぎながら会話に加わった。あの怪人がコレクション。ますますキモい。


「野暮な質問をする。魔法少女同士でエッチしてもエッチにはカウントされないの?」

「それは、カウントされんよ。規則を作った先輩達もしてきたことやから、コロネちゃん、あんま長居しても図々しいやろ」

「あ。先輩、そうですよね。ハルマさん夜中にごめんなさい。続きは体育館裏で」


 僕の股間は謎の呪文で硬くなったままだが、服装を元に戻したマチルダと共に入鹿コロネは天井にすっと溶け込んで姿を消した。どこの体育館裏だよ、僕も混ぜてよ、と主張したかったが魔法少女ふたり相手に男子高校生ひとりでは立場が弱い。彼女達の姿を思い出しながらだと後が恐ろしく、非公式18禁動画「Vtuber水間ナミ・登校前に水鉄砲とダンスバトル」を観ながら抜いた。

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