センパイの味噌汁が毎日飲みたい!
「センパイって料理できるんですねー」
「一人暮らしだからな」
時刻は朝の7時30分。学校は8時30分まで登校なのでまだ時間はある。
俺も七瀬も朝ごはんがまだだったので俺は今、朝ごはんの支度している。
昼は七瀬の弁当を作ってきてもらっているので作らないで済む。
「センパイセンパイ暇です」
「朝の情報番組『PiP』でも観ときなさい」
「分かりました。テレビつけますね」
「………」
「………」
「センパイセンパイ」
「どうした?」
「好きですっ♪」
「俺も俺もー」
「軽いですね、もう」
「………」
「………」
「センパイセンパイ」
「ん? どうした?」
「私以外の女の香りがします」
「急にトークダウンしたなおいっ!」
思わず味噌汁の具材である大根をおでんに入れるサイズのぶつ切りにすりところだった。
「この香水は女物。匂いが濃いことから最近来たと推測できます」
お前は警察犬か。
「あー、多分それ、俺の姉ちゃん。日曜日遊びに来たんだよ」
「本当ですか?」
「本当本当。てか身内以外で女の子を家にあげたの七瀬が初めてだからな?」
「本当ですか!? 嬉しいです〜♪」
「喜んでもらえて何より。あと暇そうだから皿出すの手伝ってくれ」
「朝ごはんできたんですね。センパイの手料理食べるの初めてなんで楽しみです」
七瀬に出来上がったベーコンエッグと味噌汁と白米をよそうのを手伝ってもらいようやくご飯にありつける。
「んん〜! 美味しいですセンパイ!」
「素材を焼いたり煮こんだりしただけだからな。味がいいのは生産者さんのおかげだな」
「そういうデリカシーがないこと言うのはどうかと思いますよ?素直に喜んでください」
「へいへい」
「ズズ〜。ん! このお味噌汁も美味しいです。具材もたくさん入っていて食べ応えがあります」
「俺、朝はちゃんと食わないとダメなタイプなんだよ。結構ボリュームあるけど大丈夫か?」
「はい。私も朝はしっかり食べる派なんで大丈夫です」
それでよくもその体型がキープできるものだ。
「毎日でも飲みたいです♪」
「それ、普通は俺が言う台詞な」
「じゃあ今度うちに来てください。私特製味噌汁食べさせてあげます」
「楽しみにはしてるが、3時のおやつに味噌汁とか嫌だからな」
帰ってきて一発目に味噌汁はキツい。
食べながら会話しているものの、一杯目のご飯は食べ終えてしまった。
二杯目を取りに行き、卵をご飯に落とし、醤油をひとまわして卵かけご飯にする。それをかき込む。
「もぐもぐ……」
「あっセンパイ、ジッとしててください」
「もご?なに————」
「ん、ちゅっ……」
唇に柔らかい感触が当たった。七瀬が俺にキスしたのだ。
「ん、米粒が付いていたので」
「そうか……。どうもありがとう」
「いえいえ」
こういうこと平然とできるのが凄いよな……。
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