第7話 ずっと友達だよ
キーンコーンカーンコーン
「あのね、それでねミッキーアイルとの……あ、チャイム鳴っちゃった」
「確かにあのたたき合いは痺れた! あれで種牡馬……って、本当だ、もう授業終わりか早かったね」
あの後も斉川さんと色々な話を続けていると、あっという間に終了のチャイムが鳴る。
やっぱり斉川さんと僕の趣味というか好きなものというか、そう言うのそっくりだ、話してて最高に楽しい! あと、その……ね? やっぱり、ね……うん、好きかも。一目惚れもだけど、でも……やっぱりこんなに好きが一緒だし、それに好きな事話してるときの斉川さんは……うん。
と、取りあえず次の授業もあるし名残惜しいけど早く教室に戻らないといけない、もっと話してたいけど帰らないといけないね!
「うん、そうだね……もうちょっと樹神君と話してたかったな。もっと色々お話したいことあったのに、もっと好きな事、いっぱい……でも楽しかった! やっぱり樹神君と好きが一緒で……えへへ、楽しかった……だからやっぱり残念……ぷえっ」
「あはは、僕も僕も! 僕ももっと話したしたかったし、すごく楽しかった!」
「うん、ありがとね……私の話に付き合ってくれて、いっぱい話してくれて聞いてくれて嬉しかった……だから今日はありがとう、本当にありがとう。楽しくて幸せな時間をありがとう、樹神君……本当に嬉しかった、です」
「ふふっ、僕も好きな事ばっかりだったからそれはもちろんだ……ってちょいちょいちょい、斉川さん! なーにこれでお別れみたいな感じで言っちゃってるの! これからもっと話せばいいじゃん、もっと色々話そうよ! ほら、僕たち友達なんだからさ、これからもっと話せるよ!」
「……ふぇ? あ、あ、そ、そっか! わ、私たち、友達⋯⋯えへへ、そうだった。樹神君と友達、だったんだ、私⋯⋯えへへ」
しゅんと悲しそうな顔をしながらぺこりと頭を下げた斉川さんだけど、僕の言葉を聞いてひゅんと思いついたように顔をあげてポンと手を打つ。
うん、そうだよいつでも話せばいい……うん、いつでも話せるんだから!
「だ、だってぇ。そ、その、私友達、とかあんまり、いたことなかったから。だ、だからあんまりわかんなくて……ね、ねえ樹神君、友達だったらその……いつ話しても大丈夫?」
「うん、そう言ってるでしょ! 大丈夫、いつでも話してね!」
「あ、ありがと。そっか、いつでも……えへへ、友達って、なんかすごく良いね。すごく⋯⋯嬉しくて、楽しい、関係⋯⋯えへへ、初めて」
「……そ、そうだね! でも今は、次の授業もあるし早く教室戻るよ! 先生に怒られちゃうから!」
「う、うん、そうだね。早く戻ろうね……ふふっ、友達、いつでも、ずっと……うふふっ⋯⋯えへへ、樹神君、その……これからもずっと、よろしくね。こんな私だけど……ずっと友達でいてね」
「……こっちこそよろしくね、斉川さん!」
ニコニコふにゃふにゃ笑顔でとろんと微笑みなが隣をゆっくり歩く斉川さんにそう大きく頷いた。
うん、友達……ずっと友達だよ、斉川さん! それが一番!!!
☆
「お、佑司! どこ行ってたんだよ、光ちゃんが心配してたぜ! 今はどっか行ったけど……って何か仲良くなってる? あんな不安そうだったのに仲良くなってる!?」
そのまま二人でのんびり教室に戻ると、少し驚いたような竜馬がお出迎えしてくれる。
まあ、確かに仲良くなったよ!
「色々話したからね。ね、斉川さん」
「う、うん……色々、楽しかった……楽しくて、嬉しかったよ、樹神君」
「……なぁに? すんごい仲良くなっちゃてるけど何があった? もしかして本当に弱みに付け込んでそのままパンパ……って痛っ!?」
「何言うつもりだこの野郎! そんなんちゃうわ、普通に話しただけ! いきなりそんな事言うな、バカ!」
「……ごめん、これは俺が悪い」
いきなり下ネタを言おうとした竜馬の背中をポーンと叩く。
全くそんなことしてません、いきなりそんな事言うんじゃない! ほらもう斉川さんめっちゃビビっちゃってるじゃん、びっくりしちゃって固まってるじゃん!
「もー、竜馬は。大丈夫、斉川さん?」
「う、うん……その、わ、私は、えっと……」
「あー、佑司君! 佑司君いる! どこ行ってたの、何してたの佑司君!!! しかもなんか仲良さそう!」
隣で怖そうに固まる斉川さんを励まそうとすると、後ろから聞こえるは聞きなれた女の子の声。でもちょっといつもと違って怒りを孕んでるようで。
「あ、工藤さん。ちょっと斉川さんと話してたんだ、色々仲良くなりたかったし。そうだよね、斉川さん?」
「え、あ……ひゃ、ひゃい! は、話してました!」
「ふーん、そっか、佑司君が斉川さんと……私がいるのに……ま、まあ仲良くなるのは良いけど! でもでも最初に約束したのは私! 今日最初に約束したのは私だったのに! 私が先に佑司君と約束したのに!」
「ちょ、近いよ工藤さん……その、ドッジボールの約束破ったのは悪かったけど、でも、その……ごめんなさい、許して欲しいです」
でもそれが無かったら中途半端だったと思うし。
だからゴメンナサイ、なんか埋め合わせはするから許してくださいまし……あとめっちゃ見られてるので離れてください!
「むー、それじゃあ今日の放課後スイーツ食べに行く! 甘い物一緒に食べるの付き合う事! 奢りとかじゃなくて私と一緒に来ること!」
「うん、わかった。甘い物ね、良いよ……じゃあちょっと離れて、暑苦しいし恥ずかしいよ」
「むー……まだダメ! まだ怒ってるから離れない、授業始まるまで離れないもん! 佑司君が悪いんだからね!」
「……もう、工藤さん……わかりました、でも席は戻ろうね?」
「それはそうだね……もう約束破らないでね、佑司君?」
「……はーい」
少し怖い声でそう言った工藤さんにちょっと恐怖を感じながらそう返事した。
約束破ったのは悪いしスイーツも良いけど、そんなにくっつかないで欲しいな……やっぱりふよふよ柔らかいのとか、ふんわり甘い香りとか感じて……みんな見てるし、斉川さんも見てるんだよ!
―あれれ? 付き合ってない……嘘、だよね、多分? 絶対あんなの……お付き合いしてるよね、樹神君と工藤さん。あんないちゃいちゃらぶらぶ……わ、私が邪魔しちゃダメだよね。
―これ明日お昼……だ、ダメだ、やめておこう。私と一緒とか工藤さんに〆られる……でも一人はヤダな、せっかく友達……ど、どうしよう?
★★★
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