2
1回戦 対
酒井(PR 3)
古龍(HO 2)
鷲川(PR 2)
須野田(LO 2)
小川(LO 2)
甲(FL 3)
西木(FL 1)
芹川(NO8 3)
テイラー(SH 1)
相模(SO 1)
鶴(CTB 3)
林(WTB 3)
原院(WTB 2)
瀬上(CTB 2)
宝田(FB 3)
「ちょっとなめすぎじゃない。誰だよ相模って」
蔭原が不満を述べる。
「いたかなあ」
その横で小茂田は首をかしげていた。
「それに俺健吾ファンなんだけど。またテイラー君じゃん」
「怪我かなあ」
総合先端未来創世高校の先発は、これまでになかった組み合わせだった。注目の一年生コンビ、カルアと金田は外されている。それは敗北した2チームの主将には、予想できないものだった。
「もしかしたら、東博多に勝つつもりの作戦かもしれん」
「えっ」
「手札を隠すために」
「はー。そんな余裕あるのかね?」
試合が始まる。杣山高校のキックを、西木がキャッチした。そこから相模へとパスが渡る。
「かったいなあ」
「ど緊張やん」
相模は周りをきょろきょろと見て、パスが出せずにいた。かと言って走るでもなく、立ち尽くしてしまった。
「相模!」
センターの鶴が声を出す。はっとしたように、相模はそちらにパスを出した。なんとかボールがつながる。
「大丈夫なのか。うちらを倒しといてここで負けるなよー」
蔭原が頭を抱えていた。
東博多に勝つにはどうしたらいいか。
鹿沢はまじめに考えたが、答えは見つからなかった。勝ち目はまったくないように思えた。
ただ、最善は尽くしたい。
まず、体調不良ではいけない。怪我あけの松上、荒山、星野は休ませたかった。また、前回の練習試合で見せていない金田というカードは隠しておきたかった。もちろん相手が地区予選まで調べていれば、完全に隠すことはできない。だが、直接見なければわからないすごさというものもある。
リスクもあった。なにより、負けてしまっては意味がない。荒山たちに全国大会を経験させてやれないことにもないる。だが、メンバーを替えたからと言って格下に負けてしまうようなチームではない、と鹿沢は信じていた。
とはいえ、そもそもその考えは自分たちにも当てはまる。東博多が控えメンバーを出してきたとしても、総合先端未来創世はきつい。それぐらい力の差はある。
できるだけみんなをこの地に立たせてやりたい。そういう思いもあった。特に相模や佐藤は、出番が回ってこないことを受け入れているようなところがあった。そんな選手が二年生になったからと言って、急にチームを引っ張れるようにはならない。
もう少し耐えろ、相模。鹿沢は心の中で応援していた。
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