第13話 大鬼と戦闘(精霊の扉の構成有)
また少し早く目覚めたロッドは日課である精神統一を今日も行い、精霊の扉の二人が起きていたので挨拶した後、朝食の準備をする事にした。
ロッドはまずカセットガスコンロを1台用意し、大き目の鍋に水を張って沸騰させ、中に卵を40個ほど入れ弱火にして15分ほど茹でてゆで卵を作り、水で冷やした後、一つ試してみたい事がありストレージ内に格納する。
そしてストレージ内で卵の中身と殻を分離してみると、問題なく行えたことが分かる。
ストレージから取り出して触ってみるとつるつるしていたので、心配していた薄皮もむけている。
これで卵の殻が綺麗にむけずイライラする事も無い。これには地味に満足したロッドであった。
とりあえずゆで終わった卵は全てストレージに入れて同じ様に殻を分離し、殻は不要なので廃棄した。
次に指輪で食パンと各種ジャム、スライスチーズを相当数取寄せ、カセットガスコンロ4台に焼き網を乗せ食パンを両面焼いてゆき、焼き上がったら全てストレージに格納する。
さらに今回はバイキング形式にしたいので180cmまで広げられる組み立て式の折り畳みテーブルを取り寄せた。
・食パン6枚切り10袋(2,000P)
・オレンジマーマレードジャム400g(600P)
・イチゴジャム400g(600P)
・ブルーベリージャム400g(600P)
・マーガリン200g(500P)
・ピーナツバター400g(500P)
・スライスチーズ30枚入り(1,000P)
・組み立て式折り畳みテーブル(5,000P)
パンを焼いている間に皆起きてきたので、テーブルをセットして朝食を呼び掛けた。
〈朝食メニュー 全て組み立て式折り畳みテーブルに配置〉
・ゆで卵40個(および味塩)
・トーストした食パン
・各種ジャム(オレンジマーマレードジャム、イチゴジャム、ブルーベリージャム、マーガリン、ピーナツバター)
・スライスチーズ
・オレンジジュース
・ウーロン茶
・レモンティ(冷)
今朝はハム美とピーちゃん以外、テーブルの上には空の皿とスプーン、空のコップしか置いておらず、それを見てキョトンとした皆にロッドは説明する。
「まず、今回から飲み物はオレンジジュース以外にもウーロン茶とレモンティという冷たいお茶があるので、自分で好きな物を注いで飲んで欲しい。
違う種類を飲みたい場合はコップも変えてくれ。
コップは使い捨てがたくさんあるので遠慮しなくて良い。
それと、この様に好きな飲み物を自分で入れて飲む事をドリンクバーと呼んでいるので覚えておいて欲しい」
「次にパンだが、
この焼いた四角いパンのどちらかの面に各種のジャムを塗って食べてくれ。
気を付けて欲しいのは各ジャ厶に差してあるスプーンはそのジャム専用スプーンなので、必要な分を少し取ったら戻して欲しい。
その後に自分のスプーンで塗り拡げて食べる事。
こんな感じに取って戻し、次に自分のスプーンでこう塗り拡げて完成だ!
自分の好きなジャムを塗って食べてくれ」
ロッドは実際にパンにマーガリンを塗って実演して見せる。
「この薄い食べ物はスライスチーズと言う。
こう外側の皮をはがしてパンに乗せて食べる。但し、このマーガリンしか味的に合わないかも知れないな。
これは失敗かもしれない…でもそのまま食べるのもありだ。
最後にこのゆでた卵はそのままでも食べられるが、お好みでこの塩を振り掛けて食べてくれ」
ロッドは説明を終えると温かい焼いた食パンをストレージから補充した。
ジュリアン達はドリンクバーまで各自好きな飲み物を取りに行く。
ロッドも実演に使用した食パンにマーガリンを塗った物とウーロン茶を持って席に付き食べる。
今朝はジュリアンとジョアンナはレモンティ、リーンステアはウーロン茶にしてみたようだ。
各自パンに何を塗るか決めあぐねている様子。
ロッドが助け舟を出す。
「よし、最初は俺が決めてあげよう。
アイリスとジョアンナはこのイチゴジャムを食べて見てくれ、
甘くて美味しいぞ。
ジュリアンはこのブルーベリー、リーンステアはこのマーガリンを塗って上にチーズを乗せて食べてくれ。
王道だ。
侍女さん達はオレンジマーマレードジャムを塗ると良い。
御者さん達はこのピーナツバターかな。
これも甘くて美味しい。
二枚目以降は違う味を食べて冒険してみて欲しい。
半分ずつ違う味を塗ってしまうのもありだ」
ロッドの説明通りにパンにジャム等を塗って食べるジュリアン達。
「このイチゴジャム美味しいです〜。
パン自体も外側はパリッとして中はふんわりしていて。
このレモンティというのもほんのり甘くてスッキリしていて飲みやすいです!」
「ブルーベリーも凄く美味しい(もぐもぐ)こんな美味しいジャムがあるなんて!この質が良い卵も塩がきいて美味しい!」
「(はむはむ)このマーガリンと(もぐもぐ)チーズも最高に美味しい(もぐもぐ)全種類のジャムを食べます!」
ジョアンナとジュリアン、リーンステアも食パンが気に入った様子だ。
侍女達も御者達も美味しそうに微笑んで食べている。
〈それぞれが食べた物〉
ロッド マーガリン、ブルーベリー、ピーナツバター計3枚とチーズ1枚、ゆで卵2個、ウーロン茶2杯
アイリス イチゴジャム、ブルーベリー計2枚、ゆで卵1個、レモンティ1杯、オレンジジュース1杯
ジュリアン ブルーベリー、ピーナツバター、マーガリン計3枚、チーズ1枚、ゆで卵2個、レモンティ2杯
ジョアンナ イチゴジャム、オレンジマーマレード計2枚、ゆで卵1個、レモンティ1杯、オレンジジュース1杯
リーンステア 全種類とマーガリン計6枚、チーズ2枚、ゆで卵4個、ウーロン茶1杯、レモンティ3杯
侍女2名 オレンジマーマレード2、イチゴジャム2計4枚、レモンティ2杯、オレンジジュース2杯
御者2名 ピーナツバター2、マーガリン2、ブルーベリー2計6枚、チーズ2枚め、ウーロン茶2杯、レモンティ2杯
ーー
食事を終えたロッドはまだ食事中である精霊の扉の野営地に余ったゆで卵を携えて訪れた。
「まだ食事中ならこれ食べないか?少し余ったんだ」
そう言って小さい籠に9個ほど入れたゆで卵を差し出す。
「おお。ありがとうロッド、悪いな。にのしの…えっと9個あるな。
昨夜デザートを2個食べていない俺とクラインとマックスは2個食べるか」
バーンがリーダーらしくメンバーに不満が出ないように振り分ける。
ちなみにロッドも全体のバランスが取れるように9個だけ持って来ていた。
「あと、お好みでこの塩も使ってくれ」
ロッドはそう言って小さい味塩も差し出す。
早速、ザイアスがゆで卵に塩を振り掛け、良い笑顔で食べる。
「うんめ〜!卵もだけど、この塩も美味いな。よく見たら真っ白だこんな綺麗な塩見たこと無いぞ」
「本当にそうね。綺麗な塩」
フランも塩について追随する。
「気に入ったならそれは精霊の扉で使ってくれ。塩はまだまだあるしな」
ロッドはそう言うと、どうぞという様に手を差し出す。
「いいの?ありがとう」
「何から何まで悪いな。ありがとう、ロッド」
フランが笑顔で返答し、バーンもパーティーを代表して礼を言う。
バーンは見た目は子供のようだが、しっかりと気を使えるロッドが気に入ってきていた。
「それぐらい気にしないでくれ、夜間の見張りもしてもらっているし。こちらは出発の準備をするよ」
ロッドは精霊の扉のメンバーに挨拶すると自分達の野営地に戻った。
ーーーーー
ロッドは野営地に戻ると、侍女が荷馬車に荷物を戻すのを手伝いテントや寝袋、毛布をストレージに回収した。
その後、全員にトイレの確認を行い汚物の破棄やトイレタンクの水の補充、タオルの交換を行ない、出発の準備を終えた。
リーンステアの先導で出発する一行。
ロッドは再び馬車に揺られた。
昼前、森から街道脇に一匹の
こちらの馬車の馬を狙っている様子だった。
身長は成体になると3m前後になり、かなり筋肉質である。
木で作った棍棒を好んで使い服は腰みので極部を隠すのみである。あまり姿を見せないが女性の個体もいる。
氏族単位で纏まって生活しており、ある種人間的ではあるが人間と意志の疎通は図れない。
氏族により角の数や肌の色が異なり、角なら1〜3本、肌の色も青や黄や赤といった種類がある。
時折り、人間を襲う事があるが食す事が目的ではなく、主に連れている家畜が目的である事が多い。
遠目で見たリーンステアの連絡でやって来た精霊の扉の指示に従って一旦馬車を停止させ、御者が怯えている馬を撫でて落ち着かせる。
バーンの指示でリーンステア、ロッド、アイリスはジュリアン達の守りについた。
精霊の扉はバーン、クライン、ザイアスが前面に出る。
クラインが
パーティーまで残り5mを切った時、後方からフランが
〚
放たれた矢が右目に突き刺さり、
「ウガーーッ!」
〚
〚
続いてエスティアの
〚
〚
バーンの
その度に炎の追加ダメージがあり、
〚
そこへ力を溜めた
バーンは今までの冒険者としての経験で、倒したつもりがまだ死んでおらず
仲間を手で制し、慎重に
バーンが
ーーーーー
ロッドは馬車で〔
遠距離からいつの間にか倒してしまっても良かったが、万が一見られたら困るのと、一度精霊の扉の戦いを見ておこうと思ったのだ。
アイリスに鑑定してもらった結果、
〈鑑定結果
種族:
力属性ランクB(一流)
敏捷属性ランクF(底辺)
耐久属性ランクB(一流)
知能属性ランクF(底辺)
魔力属性ランクG(最底辺)
特殊能力:
装備:最低品質の
精霊の扉が戦い出した時、いざとなれば手助けしようと考えていたが、さすが
前世のRPGゲームに例えると精霊の扉のパーティー構成は盾1、物理2、魔法2、遠距離1というかなりバランスの取れた理想的なパーティーだと考えられる。
安定した盾があれば
物理攻撃が2枚あれば大体のケースで殲滅力には困らないだろう。
物理攻撃が効かない幽体系のモンスターがいる場合でも魔法攻撃が2枚あれば対応できる。
飛行系のモンスターがいる場合でも弓や魔法で対応可能だろう。
とはいえ
そもそも貴重な
ーーーーー
オルストを所管する闇の女神教団第11地区の大司教に、1件の報告が上がってきた。
下部組織である暗殺者ギルドが請け負ったランデルス王国辺境伯の嫡男殺害が失敗し、その際教団が提供した高グレードの〈悪魔の身〉で召喚された
大司教はランデルス王国と周辺の幾つかの国において、闇の女神教団を取り纏める立場にいた。
個別の暗殺失敗などはどうでも良いが〈悪魔の身〉は教団の重要な資金源でもあり、この地区での失敗の噂により〈悪魔の身〉の評判や評価が下がることは許容する訳には行かなかった。
そもそも教団本部の主導で行われた〈悪魔の身〉の強さの検証結果報告会に大司教自身も参加しており、
神話でうたわれる極大魔法でも
ここで大司教は考える。
この件を教団本部に報告するかどうか。
大司教は先頃、教団本部から出されたおふれを思い出す。
「光の神の化身が現れ、闇が脅かされる」
本来であれば速やかに教団本部に報告し本部の指示を仰ぐべきだが、大司教は本部付きになって闇の巫女様に直接お仕えする事を夢見ていた。
同じ大司教であっても本部付きは格が違うのだ。近く本部付き大司教4人のうち1人が引退するとの噂もある。
殺害を失敗したのは知られても良いとしても、最高グレードの〈悪魔の身〉が簡単に倒されてしまったのは自分の失点になってしまう可能性が高い。
何とか無かった事に出来ないか?と考えた大司教はこの地区にいて教団と協力関係にある、人間ではない闇の勢力の手を借りる事を思いついた。
ーーーーー
■精霊の扉のパーティー構成
・バーン 24歳 戦士、Bランク、176cm 72kg、武器:
・クライン 24歳 戦士、Bランク、180cm 82kg 、武器:
・ザイアス 21歳 戦士、Cランク、173cm 85kg 、武器:
・エスティア 22歳 精霊使い、Bランク、165cm 45kg、武器:短杖+1《ワンド》
・フラン 21歳 弓術士、Cランク、168cm 49kg、武器:
・マックス 19歳 魔法使い、Dランク、170cm 60kg、武器:
■精霊の扉が戦った
種族:
力属性ランクA(超一流)
敏捷属性ランクD(中位)
耐久属性ランクA(超一流)
知能属性ランクC(上位)
魔力属性ランクC(上位)
特殊体質:
特殊能力:
※
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