再び、地下遺跡に3(ユニット:地下攻略連合軍)
桐夜を中心に、背後に続くようにして歩いてきた連合軍。
だが、桐夜の足が止まる。同時に、連合軍も桐夜の周囲を固めるように隊列を変えた。
「ここだ。また来ることになるとは思ってたが、こうも早いとはな……」
桐夜が呟く。
何を隠そう、目的はリルヤの救出だ。その救出を、わずか2日という短い時間で果たせるかもしれない絶好の機会が巡ってきたことを感じて、気が昂らずにはいられなかったのだ。
そして――目の前には、間違いなくリルヤが待っている扉があった。
「リルヤ……アンタは不愉快だけど、今助けるから。だからもう少しだけ、そのしぶとさ発揮してなさいよね」
桐夜の斜め前で、スィルがアンデッドメイドたちに囲まれながら呟く。
「さぁて、どんなバケモンが潜んでいやがるんだ?」
ゼルシオスが双剣を引き抜きつつ、狩人としての笑みを浮かべる。
「我が神錘は、辿るべき道を示している。征くべき道は一つだけだ」
代行者は淡々と、果たすべき目的を見定め。
「その勝利、現実に引き起こしてみせる」
シューヤはこの後の結果を微塵も疑わないことを示す、薄く微笑んだ。
無論、この場にいる他の者たちも、戦意は十分だ。
その気配を感じ取った桐夜が、鍵を取り出す。
「行くぜ。この扉の奥に潜んでるだろう化け物を倒して、リルヤを助け出す!」
上げた気勢そのままに、取り出した鍵を差し込んで回す。
重厚な音を立てて、扉はゆっくりと開いていった。
「俺から離れるなよ。何があっても、だ」
「ああ」
急ぎたくとも、はやる気持ちは抑えつける。
連合軍は桐夜の歩調に合わせて、隊列を保ったまま内部に踏み入った。
「止まれ」
桐夜が合図を出す。
目の前には、桐夜やシューヤにとっては見慣れ、それ以外の面々にとっては初見の黒い塊が鎮座していた。
「倒したはずなのに、まだあんなとこにあるとはな。動くだろうぜ」
「俺もそう思う。全員、光の内側を保ったまま隊列を変換せよ」
「あいよ」
「承知した」
シューヤの言葉により、接近戦に自信のある者は前へ、そうでない者は後ろへと移動する。
まだ戦闘は始まっていないが、いつ始まってもおかしくない状態に突入していた。
「気を付けろ。三つの首を同時に落とさない限り、こいつは何度でも急激に再生する。徐々に削って、一気に三つ同時落とす状況に追い込むんだ」
この黒い塊の正体と直接対決した桐夜からもたらされた、必勝法だ。
だがシューヤ、そして代行者は、それにもう一手加える算段を整えていた。
(合図であの
(御意)
シューヤと代行者のこのやり取りは会話ではなく、目配せによる意思確認である。
代行者は隊列の左端に位置する。吊り下げた神錘は、今はまだドームのわずかな光しか返していない。
(勝つ算段は十分に練った……あとは引き起こすだけだ)
自身が、そして運命が引き起こしたこの巡り合わせを見て、シューヤが笑みを浮かべる。
一拍おいて、短く号令を上げた。
「総員、前進せよ!」
FFXX ~世界を救う“友”たち~(ワールドワイド・フロンティア参加用) 有原ハリアー @BlackKnight
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